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第1章 人攫い
第12話 モノ達の脱出
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雪が降る山中、ラムサル山の中腹。
アレクは『魔王』という事もあって、護衛達に嫌悪感を示されたものの何とか護衛の一人と探索に向かう事が出来ていた。
「それで? マッスルダケって言うのは何処ら辺にあるヤツなんだ?」
「えーっと……多分あっちだ」
「多分って……おいおい、頼むぜ」
護衛達の中でもリーダー格の男が肩を落としながらついて来る。
馬車から離れておよそ5分。そろそろ動き出した方が良いだろうとアレクは「アッ!」と態とらしく声を上げ、木の根の方を見てしゃがみ込む。
「何だ? 見つけたのか?」
アレクの肩越し、覗き込む様に前のめりになる男。アレクは、それをまるで男が見えるようにと避け男の背後へ回り込む。
「がぁッ!!」
男の何処か湿っぽい呻き声が聞こえた。
一瞬で、腕で締め付けるよりも硬く、振り解けない程に細い手錠の鎖が男の首にめり込む。
男は手錠を解こうとするのを辞め、背後に張り付くアレクへと直接攻撃を試みた。懐からナイフを出し、身体の感覚を頼りに逆手でナイフを突き出す。
しかし、虚しくもそれは空を切った。
(何の狙いも無い、苦し紛れの攻撃なんて当たる訳がないだろ)
さも当然かのように、アレクはナイフの軌道を足先でいなしたのだ。
とんでもない技量に、男は動揺を隠せない。だが、男もそれなりの戦いを退けて来た知能を持っている。そして、大人と子供の力の差はデカい。
「ッ!! ラアァッ!!」
男は勢いよく背後に倒れるように飛び上がる。そして、背後に張り付いていたアレクと地面が強くぶつかった。
身体の奥底まで響く衝撃が突き抜けるが、アレクは何も動揺せずに告げる。
「……態々貴重な空気を吐いてくれてありがとな」
そんな絶望的な言葉を最後に、男は数秒もがいた後に意識を飛ばした。
アレクは男が完全に動かなくなったのを確認して、立ち上がる。
「けほっ……流石にキツかったな」
胸を抑えて咳き込む。
男の体重は装備を合わせれば相当な重さ。例え雪が積もっていたとしても、痛くない訳がない。
「さて……と」
呼吸を整え、アレクは隣で意識を失っている男を見ると、男の横にしゃがみ込んで探り出す。
マントの様な防寒着、男の手に携えられたナイフを手に入れると、ナイフを両手に持ち、真っ直ぐ足元へと振り下ろす。
「見様見真似だったが……何とかなるもんだな」
前世に知り合った『剣王』の素振り。それを見本にした振りはいとも容易く足に付いた鋼の鎖を断ち切る。
脱出する事自体はオークション前日から考えていた。だからこそ早く寝て体力をなるべく回復させ、前世の記憶を頼りにイメージトレーニングを欠かさなかった。
しかし、それだけでどうにかなる物では無い為に、アレクはガイから情報を手に入れる事に成功する。『契約』諸々の事、そして有力者であるスブデのおおよその帰り道。
(スブデと護衛数人が一緒に寝静まったのを見て、それぞれがトイレに席を立ち護衛達を倒して脱出……の予定だったけど……)
思ったよりも道は進み、今ではツクヨが命令によって意識が朦朧としている。
これからスブデがもう一度寝る保証も無く、此処が勝負所だった。
「道はもう歩いて街に行ける距離じゃ無い。ツクヨは未だに意識が朦朧としてる…………やるしかないか」
アレクは男の背中に背負われた短弓と矢筒を背負い込む。そして、何処か楽しそうな獰猛な笑みを浮かべて、森の奥へと入った。
◇
アレクが探索へ行き20分程が経ち、馬車の外ではそろそろ料理が出来上がろうとしていた。
(そろそろ行こうかな……)
窓の外を見た後にツクヨはスブデの隣から離れメイドと対面する。
「あの、トイレに行きたいんですけど……」
「……」
メイドは立ち上がると、ツクヨの手錠の鎖を引いて外へと出て行く。すると、護衛の中の一人が此方に気が付く。
「何だ? どうした?」
「この子がトイレだそうで……」
「おー、了解。俺が変わるぜ」
「いえ、女の子ですので私がついて行きます」
「あ? それはモノだろ?」
言われ、男の顔に思わず顔を顰める。
下卑たねっとりとした視線が、自分の身体を舐め回すかのように向けられており、反射的に自身の身体を隠すように腕を抱いた。
「スブデ様もお気になられているようですし、今回は見逃して下さい」
「……チッ」
そんなツクヨの様子をチラッと伺ったメイドは、男に対して首を横に振る。すると男は渋々納得したのか立ち去ろうと踵を返す。
「なら、私が変わるよ。一号は馬車に戻ってな」
しかしその時、女の護衛が声を上げて此方へと近づく。
その表情からは何か悪い予感がしたが、今のツクヨには何かを選ぶ権利すらない。
メイドは怪訝に眉間に皺を寄せた後に「……分かりました」と渋々了承し、ツクヨは女の護衛に鎖を引かれる。
だが、女の護衛はすぐに足を止めた。
「此処でしな」
そこは馬車から少し離れた道の真ん中。隠れる物など無く、視界には護衛や御者の男達が居る場所だ。
「あの、森の中に行かせて貰えーー」
突然飛んでくる平手に、ツクヨは予想もせずに雪道に転がった。
「変に森の中に入られても危険って言ってんの。だから、此処でしろ」
理不尽な言葉に頭が真っ白になるが、同時に伝わって来る熱い頰の痛みが無理矢理思考を切り替える。
アレクには、森の中で待っていろと言われた。どうにかして、森の中まで行かないといけない。
「い、嫌です、こ、此処だと出来ません」
「別にお前らが何処で何をしようが誰も気にしないさ。ほら、私は鎖を離さないよ。早くーー」
このままだとダメだ、でもどうすればーー。
自分では活路が見出せず、歯を剥き出しにした女の手がまた迫った瞬間、女とツクヨの間にある者が割り込む。
「この子はスブデ様のお気に入りです。まだお手付きもまだな状態で、もし、この事がスブデ様にバレたりでもしたら貴女達もタダでは済まないのでは?」
メイドは女の手を払いのける。
そんなメイドに、女は眉間に皺を寄せ睨み付けた後に鼻で笑う。
「……まぁ、今回は納得してあげる。だけど、此処でするのは決定だから。少し見た目が良いからって生意気言って……モノの癖に」
女はそう言うと、護衛の男達の元へ戻って行った。
ーー『モノ』というだけで、何をしても良いのだろうかと、ふと思う。
自分が生まれて来たくて生まれた訳でもないのに、そんな扱いを受けたくて受けている訳でも無いのに、そのモノを壊してしまう様な扱いを何故されてしまうのだろうか。
自分はまだこの国に来ても、『モノ』の括りに存在している。
(何やってんだろ……)
「……悪い。やっぱり此処でする事になりそうだ」
不快な視線が遠くから送られる中、メイドが守る様に立ち塞がる。
「…………何で? 何で間に入って来てくれたんですか?」
不思議に思い、問い掛ける。
するとメイドは少し逡巡した後に口を開いた。
「それは昔、私もお前と同じ立場を味わったから……私の場合、街中の道の真ん中でやらされたけどな。まぁ、少し感情移入しただけで別にお前を助けたいとか思ってないからな。ただの願望。あの時、私みたいな人が居てくれたらってそう思っただけだ」
後半は少し早口になったものの、メイドの耳は先程よりも赤くなっている様に見えた。
ただの情け。そう思った。でも、助けてくれようとしてくれている事は事実だ。
「ありがとう」
「は? 何を言ってる? 私は別にお前がどうなろうとどうでも良い……ほら、さっさと済ませろ」
メイドはぶっきらぼうに告げるが……どうしたものかとツクヨは口をへの字に曲げた。
外に出たのは、本当にトイレがしたかった訳ではない。ただアレクに森の中で待機してるように言われたからだ。
(でも此処でしないのも可笑しいか……)
せめてやった振りでもーーツクヨが思った時だった。
アオォォォォォォォンッ
銀嶺の奥底から響き渡る、聞き惚れる程の勇ましい獣の声にツクヨは身体を止めた。
そして、それを聞いた護衛の内の一人が両手を前方へ向けた。
「『風よ、周囲へ吹き渡れ』……ヤベェッ! この数、恐らくウルフだ!! 何かを追っ掛けてこっちに向かって来てやがる!! 来るぞッ!!」
護衛達は急いで武器を構えて、戦闘に備えた。メイドはツクヨを守る様にして立ち塞がる。
突然の事態にその場に緊張が走る中、ただ一人ツクヨだけが何となく来るモノの予想が付いていたのか、自然体だった。
(この時間に外に出るように言われてた……絶妙なタイミング。普通なら出来ないって思う。だけど、彼はーー)
前方の草木が揺れる。
現れたのは、ボロボロな黒髪の少年。その両の目の色は異なっており、暗闇の中で不気味に光る琥珀眼は、確かにツクヨを捉えていた。
世界中、多くの人達がオッドアイのモノを避けて行く。魔法を崩壊させる力を持って、暴虐の限りを尽くした『魔王』。
しかしそれは『魔王』と呼ばれる前に、それに手を出した者達が付けた名。
その者はただの少年だった。宣誓を受けてなお魔法は使えず、幾つもの魔法の教本を読み漁り、誰にでも教えを乞う努力を見せるが、それでも魔法は使えなかった。
人一倍努力を怠らなかった彼の事を神は見放されなかったのか、ある時不思議な力を与える。そして周りには沢山の仲間が集まった。
彼はある者達の中でこう呼ばれる。
「ツクヨッ!! 逃げるぞッ!!」
変わりモノ達を率いるモノ、弱者を救済するモノ、晴天の兆し『勇者』とーー。
アレクは『魔王』という事もあって、護衛達に嫌悪感を示されたものの何とか護衛の一人と探索に向かう事が出来ていた。
「それで? マッスルダケって言うのは何処ら辺にあるヤツなんだ?」
「えーっと……多分あっちだ」
「多分って……おいおい、頼むぜ」
護衛達の中でもリーダー格の男が肩を落としながらついて来る。
馬車から離れておよそ5分。そろそろ動き出した方が良いだろうとアレクは「アッ!」と態とらしく声を上げ、木の根の方を見てしゃがみ込む。
「何だ? 見つけたのか?」
アレクの肩越し、覗き込む様に前のめりになる男。アレクは、それをまるで男が見えるようにと避け男の背後へ回り込む。
「がぁッ!!」
男の何処か湿っぽい呻き声が聞こえた。
一瞬で、腕で締め付けるよりも硬く、振り解けない程に細い手錠の鎖が男の首にめり込む。
男は手錠を解こうとするのを辞め、背後に張り付くアレクへと直接攻撃を試みた。懐からナイフを出し、身体の感覚を頼りに逆手でナイフを突き出す。
しかし、虚しくもそれは空を切った。
(何の狙いも無い、苦し紛れの攻撃なんて当たる訳がないだろ)
さも当然かのように、アレクはナイフの軌道を足先でいなしたのだ。
とんでもない技量に、男は動揺を隠せない。だが、男もそれなりの戦いを退けて来た知能を持っている。そして、大人と子供の力の差はデカい。
「ッ!! ラアァッ!!」
男は勢いよく背後に倒れるように飛び上がる。そして、背後に張り付いていたアレクと地面が強くぶつかった。
身体の奥底まで響く衝撃が突き抜けるが、アレクは何も動揺せずに告げる。
「……態々貴重な空気を吐いてくれてありがとな」
そんな絶望的な言葉を最後に、男は数秒もがいた後に意識を飛ばした。
アレクは男が完全に動かなくなったのを確認して、立ち上がる。
「けほっ……流石にキツかったな」
胸を抑えて咳き込む。
男の体重は装備を合わせれば相当な重さ。例え雪が積もっていたとしても、痛くない訳がない。
「さて……と」
呼吸を整え、アレクは隣で意識を失っている男を見ると、男の横にしゃがみ込んで探り出す。
マントの様な防寒着、男の手に携えられたナイフを手に入れると、ナイフを両手に持ち、真っ直ぐ足元へと振り下ろす。
「見様見真似だったが……何とかなるもんだな」
前世に知り合った『剣王』の素振り。それを見本にした振りはいとも容易く足に付いた鋼の鎖を断ち切る。
脱出する事自体はオークション前日から考えていた。だからこそ早く寝て体力をなるべく回復させ、前世の記憶を頼りにイメージトレーニングを欠かさなかった。
しかし、それだけでどうにかなる物では無い為に、アレクはガイから情報を手に入れる事に成功する。『契約』諸々の事、そして有力者であるスブデのおおよその帰り道。
(スブデと護衛数人が一緒に寝静まったのを見て、それぞれがトイレに席を立ち護衛達を倒して脱出……の予定だったけど……)
思ったよりも道は進み、今ではツクヨが命令によって意識が朦朧としている。
これからスブデがもう一度寝る保証も無く、此処が勝負所だった。
「道はもう歩いて街に行ける距離じゃ無い。ツクヨは未だに意識が朦朧としてる…………やるしかないか」
アレクは男の背中に背負われた短弓と矢筒を背負い込む。そして、何処か楽しそうな獰猛な笑みを浮かべて、森の奥へと入った。
◇
アレクが探索へ行き20分程が経ち、馬車の外ではそろそろ料理が出来上がろうとしていた。
(そろそろ行こうかな……)
窓の外を見た後にツクヨはスブデの隣から離れメイドと対面する。
「あの、トイレに行きたいんですけど……」
「……」
メイドは立ち上がると、ツクヨの手錠の鎖を引いて外へと出て行く。すると、護衛の中の一人が此方に気が付く。
「何だ? どうした?」
「この子がトイレだそうで……」
「おー、了解。俺が変わるぜ」
「いえ、女の子ですので私がついて行きます」
「あ? それはモノだろ?」
言われ、男の顔に思わず顔を顰める。
下卑たねっとりとした視線が、自分の身体を舐め回すかのように向けられており、反射的に自身の身体を隠すように腕を抱いた。
「スブデ様もお気になられているようですし、今回は見逃して下さい」
「……チッ」
そんなツクヨの様子をチラッと伺ったメイドは、男に対して首を横に振る。すると男は渋々納得したのか立ち去ろうと踵を返す。
「なら、私が変わるよ。一号は馬車に戻ってな」
しかしその時、女の護衛が声を上げて此方へと近づく。
その表情からは何か悪い予感がしたが、今のツクヨには何かを選ぶ権利すらない。
メイドは怪訝に眉間に皺を寄せた後に「……分かりました」と渋々了承し、ツクヨは女の護衛に鎖を引かれる。
だが、女の護衛はすぐに足を止めた。
「此処でしな」
そこは馬車から少し離れた道の真ん中。隠れる物など無く、視界には護衛や御者の男達が居る場所だ。
「あの、森の中に行かせて貰えーー」
突然飛んでくる平手に、ツクヨは予想もせずに雪道に転がった。
「変に森の中に入られても危険って言ってんの。だから、此処でしろ」
理不尽な言葉に頭が真っ白になるが、同時に伝わって来る熱い頰の痛みが無理矢理思考を切り替える。
アレクには、森の中で待っていろと言われた。どうにかして、森の中まで行かないといけない。
「い、嫌です、こ、此処だと出来ません」
「別にお前らが何処で何をしようが誰も気にしないさ。ほら、私は鎖を離さないよ。早くーー」
このままだとダメだ、でもどうすればーー。
自分では活路が見出せず、歯を剥き出しにした女の手がまた迫った瞬間、女とツクヨの間にある者が割り込む。
「この子はスブデ様のお気に入りです。まだお手付きもまだな状態で、もし、この事がスブデ様にバレたりでもしたら貴女達もタダでは済まないのでは?」
メイドは女の手を払いのける。
そんなメイドに、女は眉間に皺を寄せ睨み付けた後に鼻で笑う。
「……まぁ、今回は納得してあげる。だけど、此処でするのは決定だから。少し見た目が良いからって生意気言って……モノの癖に」
女はそう言うと、護衛の男達の元へ戻って行った。
ーー『モノ』というだけで、何をしても良いのだろうかと、ふと思う。
自分が生まれて来たくて生まれた訳でもないのに、そんな扱いを受けたくて受けている訳でも無いのに、そのモノを壊してしまう様な扱いを何故されてしまうのだろうか。
自分はまだこの国に来ても、『モノ』の括りに存在している。
(何やってんだろ……)
「……悪い。やっぱり此処でする事になりそうだ」
不快な視線が遠くから送られる中、メイドが守る様に立ち塞がる。
「…………何で? 何で間に入って来てくれたんですか?」
不思議に思い、問い掛ける。
するとメイドは少し逡巡した後に口を開いた。
「それは昔、私もお前と同じ立場を味わったから……私の場合、街中の道の真ん中でやらされたけどな。まぁ、少し感情移入しただけで別にお前を助けたいとか思ってないからな。ただの願望。あの時、私みたいな人が居てくれたらってそう思っただけだ」
後半は少し早口になったものの、メイドの耳は先程よりも赤くなっている様に見えた。
ただの情け。そう思った。でも、助けてくれようとしてくれている事は事実だ。
「ありがとう」
「は? 何を言ってる? 私は別にお前がどうなろうとどうでも良い……ほら、さっさと済ませろ」
メイドはぶっきらぼうに告げるが……どうしたものかとツクヨは口をへの字に曲げた。
外に出たのは、本当にトイレがしたかった訳ではない。ただアレクに森の中で待機してるように言われたからだ。
(でも此処でしないのも可笑しいか……)
せめてやった振りでもーーツクヨが思った時だった。
アオォォォォォォォンッ
銀嶺の奥底から響き渡る、聞き惚れる程の勇ましい獣の声にツクヨは身体を止めた。
そして、それを聞いた護衛の内の一人が両手を前方へ向けた。
「『風よ、周囲へ吹き渡れ』……ヤベェッ! この数、恐らくウルフだ!! 何かを追っ掛けてこっちに向かって来てやがる!! 来るぞッ!!」
護衛達は急いで武器を構えて、戦闘に備えた。メイドはツクヨを守る様にして立ち塞がる。
突然の事態にその場に緊張が走る中、ただ一人ツクヨだけが何となく来るモノの予想が付いていたのか、自然体だった。
(この時間に外に出るように言われてた……絶妙なタイミング。普通なら出来ないって思う。だけど、彼はーー)
前方の草木が揺れる。
現れたのは、ボロボロな黒髪の少年。その両の目の色は異なっており、暗闇の中で不気味に光る琥珀眼は、確かにツクヨを捉えていた。
世界中、多くの人達がオッドアイのモノを避けて行く。魔法を崩壊させる力を持って、暴虐の限りを尽くした『魔王』。
しかしそれは『魔王』と呼ばれる前に、それに手を出した者達が付けた名。
その者はただの少年だった。宣誓を受けてなお魔法は使えず、幾つもの魔法の教本を読み漁り、誰にでも教えを乞う努力を見せるが、それでも魔法は使えなかった。
人一倍努力を怠らなかった彼の事を神は見放されなかったのか、ある時不思議な力を与える。そして周りには沢山の仲間が集まった。
彼はある者達の中でこう呼ばれる。
「ツクヨッ!! 逃げるぞッ!!」
変わりモノ達を率いるモノ、弱者を救済するモノ、晴天の兆し『勇者』とーー。
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