65 / 67
第5章 増員です
第65話 知らない黒服の人達
しおりを挟む
翌朝。俺は寝ぼけ眼を擦りながら、メマと共に出勤していた。昨日の疲れがあった所為か、1時間の遅刻である。
まぁ、店の責任者としては? 早く行き過ぎるのは、部下が気を遣い過ぎてしまう部分もあるだろうから、結果はオーライだ。うん。
自分で自分を納得させながら店へと向かう。
向かう途中のいつもとは違うウチの店まで舗装された道は、ゴミ1つ無く綺麗にされている。舗装横にあった草も短く切り揃えられていた。
「もしかして右京さんの弟子達がやってくれたのか?」
昨日今日でここまでやってくれるなんて、ありがたいな。
そんな事を思いながら敷地の入り口に来た時だった。
「ん?」
「だれあのひとたちー?」
数人、黒い服を着た人達が畑の周りで鍬を振っている……うん。誰も知らない人達だ。
俺達はその人達に近付くと、声を掛ける。
「あの~……」
「あ"ぁ?」
振り返った男の顔は、赤黒く腫れ上がっていた。まるで鞭打ちにでもあったのかと疑ってしまう見事なミミズ腫れだ。
「お前ら……この店に来たのか?」
「え、はい」
何なんだこの人達……?
「この店には入らない方が良い。飯は不味いし、立地を考えればガソリンも食う。態々此処に来る必要なんて絶対ないぜ」
「しかも! その中でも接客は最悪だったぜ! アイツらを雇った奴を疑う程だ!!」
「そう! 可愛い見た目に騙されるな!! 怪しい魔術も使って来る!!」
メニューでは枝豆と牛乳、屋台で出したずんだソフトクリームを新商品に店では出している。しかし、それ以外は普通の食べ物だ。飯が不味いと言われるのは悲しいが、それは人それぞれだ。
だけど接客が怪しい魔術を使って来る? とか、そんな事まで言われる程最悪だったのか……少し比奈に相談しておこう。
「そうなんですか。それはすみませんでした」
俺は素直に頭を下げた。
この人達が誰かは分からないが、相手がそう思ったのなら責任者としてちゃんと頭を下げなければならないだろう。
続いて、メマも真似して頭を下げている。いつまで経っても何も言ってこない男性達に、俺は顔を上げた。
「「「……ん?」」」
すると、何故か皆んな同じ様な表情で首を傾げている。
ーーこういうお客さんは少なからず居る。そんなんじゃ謝った内に入らない、もっと謝れって事なんだろう。
「本当に申し訳ありませんでした! この店の責任者として、必ず改善いたします!!」
『哲平様、何をしてらっしゃるのですか?』
俺がまた頭を下げていると、そこに指導者さんが現れる。
「おぉ来たか! 指導者さん、一緒に頭を下げてくれないか!?」
『………ごほん。取り敢えず話を聞きましょうか』
指導者さんは目を座らせながら、俺達を交互に見る。
お客様を待たせるのは良くない! 出来るだけ早く頭を下げて貰わないと!
「実はこの方達にご不快な対応をしてしまったみたいなんだ。だから指導者さん……」
『あぁ、なるほど……理解しました。此処は私に任せて店の方へと行って下さい』
「いや! 俺はこの店の責任者だぞ!? 俺が頭下げないで誰が下げるんだ!?」
俺は祭りで屋台を開いて、やっと店をやって行く覚悟が出来た。こういう所はしっかりやらないといけない!
『なら、それを言う前に開店時間に遅れないで下さい』
あ………はい。
『さ、早く店に行って下さい。責任者なら昨日来た方達とコミュニケーションを取って下さい。まだまともに話してないと聞きましたよ』
「あー……分かった。じゃあ此処は任せる」
『はい。お任せ下さい』
頭を下げて俺達を見送る指導者さん。その後ろの人達に俺は頭を下げながら店へと向かった。
『さぁ、覚悟は出来てますか?』
「「「ひいぃいぃぃぃぃっ!!??」」」
ん? 何で悲鳴が聞こえて来るんだ?
そう思ったが、時には部下を信じる事も大切だとこの前見たB級映画でやっていたので、心の中で指導者にエールを送りながら俺達は店内へと入って行くのだった。
まぁ、店の責任者としては? 早く行き過ぎるのは、部下が気を遣い過ぎてしまう部分もあるだろうから、結果はオーライだ。うん。
自分で自分を納得させながら店へと向かう。
向かう途中のいつもとは違うウチの店まで舗装された道は、ゴミ1つ無く綺麗にされている。舗装横にあった草も短く切り揃えられていた。
「もしかして右京さんの弟子達がやってくれたのか?」
昨日今日でここまでやってくれるなんて、ありがたいな。
そんな事を思いながら敷地の入り口に来た時だった。
「ん?」
「だれあのひとたちー?」
数人、黒い服を着た人達が畑の周りで鍬を振っている……うん。誰も知らない人達だ。
俺達はその人達に近付くと、声を掛ける。
「あの~……」
「あ"ぁ?」
振り返った男の顔は、赤黒く腫れ上がっていた。まるで鞭打ちにでもあったのかと疑ってしまう見事なミミズ腫れだ。
「お前ら……この店に来たのか?」
「え、はい」
何なんだこの人達……?
「この店には入らない方が良い。飯は不味いし、立地を考えればガソリンも食う。態々此処に来る必要なんて絶対ないぜ」
「しかも! その中でも接客は最悪だったぜ! アイツらを雇った奴を疑う程だ!!」
「そう! 可愛い見た目に騙されるな!! 怪しい魔術も使って来る!!」
メニューでは枝豆と牛乳、屋台で出したずんだソフトクリームを新商品に店では出している。しかし、それ以外は普通の食べ物だ。飯が不味いと言われるのは悲しいが、それは人それぞれだ。
だけど接客が怪しい魔術を使って来る? とか、そんな事まで言われる程最悪だったのか……少し比奈に相談しておこう。
「そうなんですか。それはすみませんでした」
俺は素直に頭を下げた。
この人達が誰かは分からないが、相手がそう思ったのなら責任者としてちゃんと頭を下げなければならないだろう。
続いて、メマも真似して頭を下げている。いつまで経っても何も言ってこない男性達に、俺は顔を上げた。
「「「……ん?」」」
すると、何故か皆んな同じ様な表情で首を傾げている。
ーーこういうお客さんは少なからず居る。そんなんじゃ謝った内に入らない、もっと謝れって事なんだろう。
「本当に申し訳ありませんでした! この店の責任者として、必ず改善いたします!!」
『哲平様、何をしてらっしゃるのですか?』
俺がまた頭を下げていると、そこに指導者さんが現れる。
「おぉ来たか! 指導者さん、一緒に頭を下げてくれないか!?」
『………ごほん。取り敢えず話を聞きましょうか』
指導者さんは目を座らせながら、俺達を交互に見る。
お客様を待たせるのは良くない! 出来るだけ早く頭を下げて貰わないと!
「実はこの方達にご不快な対応をしてしまったみたいなんだ。だから指導者さん……」
『あぁ、なるほど……理解しました。此処は私に任せて店の方へと行って下さい』
「いや! 俺はこの店の責任者だぞ!? 俺が頭下げないで誰が下げるんだ!?」
俺は祭りで屋台を開いて、やっと店をやって行く覚悟が出来た。こういう所はしっかりやらないといけない!
『なら、それを言う前に開店時間に遅れないで下さい』
あ………はい。
『さ、早く店に行って下さい。責任者なら昨日来た方達とコミュニケーションを取って下さい。まだまともに話してないと聞きましたよ』
「あー……分かった。じゃあ此処は任せる」
『はい。お任せ下さい』
頭を下げて俺達を見送る指導者さん。その後ろの人達に俺は頭を下げながら店へと向かった。
『さぁ、覚悟は出来てますか?』
「「「ひいぃいぃぃぃぃっ!!??」」」
ん? 何で悲鳴が聞こえて来るんだ?
そう思ったが、時には部下を信じる事も大切だとこの前見たB級映画でやっていたので、心の中で指導者にエールを送りながら俺達は店内へと入って行くのだった。
22
あなたにおすすめの小説
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
元・神獣の世話係 ~神獣さえいればいいと解雇されたけど、心優しいもふもふ神獣は私についてくるようです!~
草乃葉オウル ◆ 書籍発売中
ファンタジー
黒き狼の神獣ガルーと契約を交わし、魔人との戦争を勝利に導いた勇者が天寿をまっとうした。
勇者の養女セフィラは悲しみに暮れつつも、婚約者である王国の王子と幸せに生きていくことを誓う。
だが、王子にとってセフィラは勇者に取り入るための道具でしかなかった。
勇者亡き今、王子はセフィラとの婚約を破棄し、新たな神獣の契約者となって力による国民の支配を目論む。
しかし、ガルーと契約を交わしていたのは最初から勇者ではなくセフィラだったのだ!
真実を知って今さら媚びてくる王子に別れを告げ、セフィラはガルーの背に乗ってお城を飛び出す。
これは少女と世話焼き神獣の癒しとグルメに満ちた気ままな旅の物語!
辻ヒーラー、謎のもふもふを拾う。社畜俺、ダンジョンから出てきたソレに懐かれたので配信をはじめます。
月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
ブラック企業で働く社畜の辻風ハヤテは、ある日超人気ダンジョン配信者のひかるんがイレギュラーモンスターに襲われているところに遭遇する。
ひかるんに辻ヒールをして助けたハヤテは、偶然にもひかるんの配信に顔が映り込んでしまう。
ひかるんを助けた英雄であるハヤテは、辻ヒールのおじさんとして有名になってしまう。
ダンジョンから帰宅したハヤテは、後ろから謎のもふもふがついてきていることに気づく。
なんと、謎のもふもふの正体はダンジョンから出てきたモンスターだった。
もふもふは怪我をしていて、ハヤテに助けを求めてきた。
もふもふの怪我を治すと、懐いてきたので飼うことに。
モンスターをペットにしている動画を配信するハヤテ。
なんとペット動画に自分の顔が映り込んでしまう。
顔バレしたことで、世間に辻ヒールのおじさんだとバレてしまい……。
辻ヒールのおじさんがペット動画を出しているということで、またたくまに動画はバズっていくのだった。
他のサイトにも掲載
なろう日間1位
カクヨムブクマ7000
引退賢者はのんびり開拓生活をおくりたい
鈴木竜一
ファンタジー
旧題:引退賢者はのんびり開拓生活をおくりたい ~不正がはびこる大国の賢者を辞めて離島へと移住したら、なぜか優秀な元教え子たちが集まってきました~
【書籍化決定!】
本作の書籍化がアルファポリスにて正式決定いたしました!
第1巻は10月下旬発売!
よろしくお願いします!
賢者オーリンは大陸でもっと栄えているギアディス王国の魔剣学園で教鞭をとり、これまで多くの優秀な学生を育てあげて王国の繁栄を陰から支えてきた。しかし、先代に代わって新たに就任したローズ学園長は、「次期騎士団長に相応しい優秀な私の息子を贔屓しろ」と不正を強要してきた挙句、オーリン以外の教師は息子を高く評価しており、同じようにできないなら学園を去れと告げられる。どうやら、他の教員は王家とのつながりが深いローズ学園長に逆らえず、我がままで自分勝手なうえ、あらゆる能力が最低クラスである彼女の息子に最高評価を与えていたらしい。抗議するオーリンだが、一切聞き入れてもらえず、ついに「そこまでおっしゃられるのなら、私は一線から身を引きましょう」と引退宣言をし、大国ギアディスをあとにした。
その後、オーリンは以前世話になったエストラーダという小国へ向かうが、そこへ彼を慕う教え子の少女パトリシアが追いかけてくる。かつてオーリンに命を助けられ、彼を生涯の師と仰ぐ彼女を人生最後の教え子にしようと決め、かねてより依頼をされていた離島開拓の仕事を引き受けると、パトリシアとともにそこへ移り住み、現地の人々と交流をしたり、畑を耕したり、家畜の世話をしたり、修行をしたり、時に離島の調査をしたりとのんびりした生活を始めた。
一方、立派に成長し、あらゆるジャンルで国内の重要な役職に就いていた《黄金世代》と呼ばれるオーリンの元教え子たちは、恩師であるオーリンが学園から不当解雇された可能性があると知り、激怒。さらに、他にも複数の不正が発覚し、さらに国王は近隣諸国へ侵略戦争を仕掛けると宣言。そんな危ういギアディス王国に見切りをつけた元教え子たちは、オーリンの後を追って続々と国外へ脱出していく。
こうして、小国の離島でのんびりとした開拓生活を希望するオーリンのもとに、王国きっての優秀な人材が集まりつつあった……
親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました
空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが日常に溶け込んだ世界――。
平凡な会社員の風間は、身に覚えのない情報流出の責任を押しつけられ、会社をクビにされてしまう。さらに、親友だと思っていた男に婚約者を奪われ、婚約も破棄。すべてが嫌になった風間は自暴自棄のまま山へ向かい、そこで人々に見捨てられた“放置ダンジョン”を見つける。
どこか自分と重なるものを感じた風間は、そのダンジョンに住み着くことを決意。ところが奥には、愛らしいモンスターたちがひっそり暮らしていた――。思いがけず彼らに懐かれた風間は、さまざまなモンスターと共にダンジョンでのスローライフを満喫していくことになる。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
幼子家精霊ノアの献身〜転生者と過ごした記憶を頼りに、家スキルで快適生活を送りたい〜
犬社護
ファンタジー
むか〜しむかし、とある山頂付近に、冤罪により断罪で断種された元王子様と、同じく断罪で国外追放された元公爵令嬢が住んでいました。2人は異世界[日本]の記憶を持っていながらも、味方からの裏切りに遭ったことで人間不信となってしまい、およそ50年間自給自足生活を続けてきましたが、ある日元王子様は寿命を迎えることとなりました。彼を深く愛していた元公爵令嬢は《自分も彼と共に天へ》と真摯に祈ったことで、神様はその願いを叶えるため、2人の住んでいた家に命を吹き込み、家精霊ノアとして誕生させました。ノアは、2人の願いを叶え丁重に葬りましたが、同時に孤独となってしまいます。家精霊の性質上、1人で生き抜くことは厳しい。そこで、ノアは下山することを決意します。
これは転生者たちと過ごした記憶と知識を糧に、家スキルを巧みに操りながら人々に善行を施し、仲間たちと共に世界に大きな変革をもたす精霊の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる