28 / 67
第2章 開店
第28話 ウチにも遂にネットが繋がった
しおりを挟む
「今日は出なかったので、限定的な提供になるとは思いますが……」
「グスッ! ズズッ!! い、いえ!! ほ、本当にありがとうございますっ!!」
翌日、俺は勇樹さんにフルーツ牛乳を提供した。今日の朝、比奈が乳搾りをしたが残念ながらフルーツ牛乳は出て来なかった。比奈のあの絶望した様な顔が頭から離れない程に残念である。
ーーまぁ、普通の牛乳が出なくなるのはそれはそれで問題があるが。
「そ、そんなにですか……」
俺の手を取って、号泣する勇樹さんはこのまま土下座しそうな勢いである。
「最近牛乳を飲み始めてから体調が良いんです!! よく眠れて食も進んでいるんです!! それで仕事の業績もうなぎ上りなんですよ!!」
そんなに良い事になってるのか。まさかウチの牛乳を飲んだだけでねぇ。
「じゃあ仕事前は何があっても飲みに来ないといけないですね」
俺が冗談めかして話すと。
「はい、一生お世話になります。この御恩は一生を懸けてお返しさせて頂きます」
重い。重過ぎる。
「そんなに畏まらなくても良いんですけど……」
「いえ! こんな商品を提供してくれる哲平さんには少しでもお返ししたいのです!! じゃないと私の気が収まりません!!!」
「いやいやいや! 来てくれるだけでもーー」
凄い剣幕である。そこまでウチの店を気に入ってくれてるのはありがたいけど、ここまで来ると、この牛乳には催眠作用があるのではないかと不安になって来る。
「では、電気工事が出来る腕の良い方の紹介をお願いします」
そんな中、比奈が話に入って来る。
電気工事?
「電気工事なんて何をするんだ?」
「前からネット環境を整えたいと言っていたじゃないですか」
おー、そう言えば! それならお願いするのも良いかも。別に無茶なお願いでもないだろう。
「あー……で、電気関係の腕の良い方ですね。探しておきます」
す、凄く嫌そうだ。やはり比奈から頼まれるのが嫌なのか?
「勇樹さんって、比奈にどんな弱味を握られてるんですか?」
俺は小声で勇樹さんに聞くと、勇樹さんは体をビクッとさせた。
「さ、西園寺さんにはお世話になってますから……」
ゆ、勇樹さん、汗が凄いんですけど……。
____________
「ありがとうございましたー」
数日後、勇樹さんに言われて来たと言う電気屋の人が工事を終わらせ、店ではネット環境が整った。
これでB級映画が見放題になった。これで暇な時でも一生映画が観れる訳だ。「今日の業務はここまでー、帰って良いぞー」って言われるぐらい最高である。
「おとーちゃん、なにしてるのー?」
「うん? あー……店に出す料理を研究していてな?」
決してサボっているのではない。海外のオシャレなカフェが時々出て来るから、それを見て料理の研究をだなーー…。
「そうなの!? じゃあメマもKIROのためになにかやりたい!!」
「メマは美味しい世界一の枝豆を作ってくれ。頼んだぞ」
「!! わかった!!」
メマは力強く両拳を握ると、店の外へと出て行った。
断じてテキトーに流しているのではない。いやー、素直で可愛いなメマは。
「こら、何をメマちゃんに吹き込んでいるんですか」
「メマニハセカイイチニナッテモラウ」
「何ですかそれ」
む。
呆れた風に比奈は大きく溜息を吐いた。
「まずはウチの店に集客してから言ってください」
そ、それを言われたら何にも言えません。はい。すみません。
俺は映画を観るのをやめて、集客する為に何か情報はないかとネットを開いた。
それと同時に出て来る『異世界の扉』のトピックス。
未だにアメリカ以外には扉は見つかっていないらしい。
て事はーー。
「この世界でステータスボードがあるのはアメリカの軍人と俺達だけだろ? これって何か不思議な効果があったりするのかな?」
突然沸いた疑問に俺が独り言の様に呟くと、比奈は数瞬黙った後に口を開いた。
「ある、と私は思っています。まず、哲平さんにだけあるskill、titleの欄。これは何か特別な事があると踏んでいます。その中でも"神力"『神の地に住まいし者』って言うのは恐らく……」
「恐らく……?」
「……哲平さんって、あの『岩塩』。日常的に食べてますよね?」
「うん? まぁ、旨み調味的に使ってるからな。ほぼ毎日食べてる」
「ですよね」
「ですよねって?」
「……」
ダンマリ決め込んじゃったよ、この子。
「今の俺達には関係ない事だけど、いずれは大事になって来るのかなぁって、そう思いました」
俺がそう締め括る様に言うと、また比奈は口を開いた。
「そう……ですね。因みに哲平さん」
「うん?」
「私に『岩塩』幾つか譲って貰ってもいいですか?」
「良いぞ? 幾らでもこの土地から出て来るからな!」
旨み調味って言ったのが、比奈の何かの触覚に引っかかったか。これで『岩塩』仲間が俺、メマと続き3人目である。
「あ、そうだ。比奈、ウチの店のホームページとかネットでーー」
今日も魔物なんて出ない、平和な1日だ。
「グスッ! ズズッ!! い、いえ!! ほ、本当にありがとうございますっ!!」
翌日、俺は勇樹さんにフルーツ牛乳を提供した。今日の朝、比奈が乳搾りをしたが残念ながらフルーツ牛乳は出て来なかった。比奈のあの絶望した様な顔が頭から離れない程に残念である。
ーーまぁ、普通の牛乳が出なくなるのはそれはそれで問題があるが。
「そ、そんなにですか……」
俺の手を取って、号泣する勇樹さんはこのまま土下座しそうな勢いである。
「最近牛乳を飲み始めてから体調が良いんです!! よく眠れて食も進んでいるんです!! それで仕事の業績もうなぎ上りなんですよ!!」
そんなに良い事になってるのか。まさかウチの牛乳を飲んだだけでねぇ。
「じゃあ仕事前は何があっても飲みに来ないといけないですね」
俺が冗談めかして話すと。
「はい、一生お世話になります。この御恩は一生を懸けてお返しさせて頂きます」
重い。重過ぎる。
「そんなに畏まらなくても良いんですけど……」
「いえ! こんな商品を提供してくれる哲平さんには少しでもお返ししたいのです!! じゃないと私の気が収まりません!!!」
「いやいやいや! 来てくれるだけでもーー」
凄い剣幕である。そこまでウチの店を気に入ってくれてるのはありがたいけど、ここまで来ると、この牛乳には催眠作用があるのではないかと不安になって来る。
「では、電気工事が出来る腕の良い方の紹介をお願いします」
そんな中、比奈が話に入って来る。
電気工事?
「電気工事なんて何をするんだ?」
「前からネット環境を整えたいと言っていたじゃないですか」
おー、そう言えば! それならお願いするのも良いかも。別に無茶なお願いでもないだろう。
「あー……で、電気関係の腕の良い方ですね。探しておきます」
す、凄く嫌そうだ。やはり比奈から頼まれるのが嫌なのか?
「勇樹さんって、比奈にどんな弱味を握られてるんですか?」
俺は小声で勇樹さんに聞くと、勇樹さんは体をビクッとさせた。
「さ、西園寺さんにはお世話になってますから……」
ゆ、勇樹さん、汗が凄いんですけど……。
____________
「ありがとうございましたー」
数日後、勇樹さんに言われて来たと言う電気屋の人が工事を終わらせ、店ではネット環境が整った。
これでB級映画が見放題になった。これで暇な時でも一生映画が観れる訳だ。「今日の業務はここまでー、帰って良いぞー」って言われるぐらい最高である。
「おとーちゃん、なにしてるのー?」
「うん? あー……店に出す料理を研究していてな?」
決してサボっているのではない。海外のオシャレなカフェが時々出て来るから、それを見て料理の研究をだなーー…。
「そうなの!? じゃあメマもKIROのためになにかやりたい!!」
「メマは美味しい世界一の枝豆を作ってくれ。頼んだぞ」
「!! わかった!!」
メマは力強く両拳を握ると、店の外へと出て行った。
断じてテキトーに流しているのではない。いやー、素直で可愛いなメマは。
「こら、何をメマちゃんに吹き込んでいるんですか」
「メマニハセカイイチニナッテモラウ」
「何ですかそれ」
む。
呆れた風に比奈は大きく溜息を吐いた。
「まずはウチの店に集客してから言ってください」
そ、それを言われたら何にも言えません。はい。すみません。
俺は映画を観るのをやめて、集客する為に何か情報はないかとネットを開いた。
それと同時に出て来る『異世界の扉』のトピックス。
未だにアメリカ以外には扉は見つかっていないらしい。
て事はーー。
「この世界でステータスボードがあるのはアメリカの軍人と俺達だけだろ? これって何か不思議な効果があったりするのかな?」
突然沸いた疑問に俺が独り言の様に呟くと、比奈は数瞬黙った後に口を開いた。
「ある、と私は思っています。まず、哲平さんにだけあるskill、titleの欄。これは何か特別な事があると踏んでいます。その中でも"神力"『神の地に住まいし者』って言うのは恐らく……」
「恐らく……?」
「……哲平さんって、あの『岩塩』。日常的に食べてますよね?」
「うん? まぁ、旨み調味的に使ってるからな。ほぼ毎日食べてる」
「ですよね」
「ですよねって?」
「……」
ダンマリ決め込んじゃったよ、この子。
「今の俺達には関係ない事だけど、いずれは大事になって来るのかなぁって、そう思いました」
俺がそう締め括る様に言うと、また比奈は口を開いた。
「そう……ですね。因みに哲平さん」
「うん?」
「私に『岩塩』幾つか譲って貰ってもいいですか?」
「良いぞ? 幾らでもこの土地から出て来るからな!」
旨み調味って言ったのが、比奈の何かの触覚に引っかかったか。これで『岩塩』仲間が俺、メマと続き3人目である。
「あ、そうだ。比奈、ウチの店のホームページとかネットでーー」
今日も魔物なんて出ない、平和な1日だ。
24
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
お気に入り・感想、宜しくお願いします。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる