じいちゃんから譲られた土地に店を開いた。そしたら限界集落だった店の周りが都会になっていた。

ゆうらしあ

文字の大きさ
18 / 67
第2章 開店

第18話 異世界の扉開いたってよ

しおりを挟む
「……だれも、こない」
「まぁ……やっぱそう上手くは行かないよなー」
「一応周りで宣伝はしといたんだけどね。まだ初日だしこんなもんでしょ」


 開店したは良いものの、直ぐには誰も来店せずに暇だった俺達はカウンターで突っ伏していた。

 あぁ。誰も来ないと暇過ぎるな。
 スマホの端を見れば、そこには一本しか立っていない棒の形が見える。


「後で映画ダウンロードしとくか~」
「後々の事を考えれば電線も繋げないといけないわね」


 今はネット社会。電波があるのと無いのでは、雲泥の差がある。都会だとカフェでパソコンとかやってる人居るし、そういうのにも対応していかないといけない。


「そうだなー…でも、今直ぐにやらないといけない訳でもなさそうだよなー」


 そう言ってダラけ切っていると、比奈は淡々と言った。


「そうとも言えないんじゃない? "異世界の扉"の話もあるし」


 ………。


「……まさか、知らないの?」
「え、あ、知ってるぞ? 異世界の扉な? アレって面白いよなー」
「因みにPCゲームとかじゃないから。私が言ってるのは現実の話」


 何を言っているのだろうか、この良い年した成人女性が。


「今アメリカのワシントンで開いたらしくて必死に対応とかしてるみたいだけど……ニュース少しは見た方が良いよ?」


 俺が顔を顰めていると、比奈は俺へと丁寧に説明してくれる。

 いやー、工場を辞めた反動で好きだったB級映画ばかりスマホで観てるからニュースなんて観る暇ないのよ。

 でも、説明されたからってな?


「ちょっと、意味分からないわ」


 俺今年で29なのよ。急に異世界の扉が開いたって言われても意味の1つも分からない。着いていけないよ、おじさんだもの。


「いせかいのとびらってなーに?」
「簡単に言えば、此処とは別の世界の扉が開かれて、2つの世界が行き来出来る様になるって事。メマちゃんには難しかったかな?」
「むーっ! 分かるもん!!」


 メマ分かったのか、俺これでも理解が追いつかないんだけど。
 無い頭を高速回転させるも、これ以上は踏み込めないよ~、中学2年生までだから~っと誰かが訴えて来る。

 いや、自制してる俺なんだけども。


「はぁ。ほら、これが異世界の扉」


 未だに信じられないと思っている俺に、比奈はスマホを差し出した。

 そこには都会にある道路のど真ん中。ビルと同等の高さ、道路を遮断する程の大きさを持った扉と言うには大き過ぎる門があった。

 合成を疑う所だが……比奈の顔を見れば本気の顔をしている。イタズラにしても凝り過ぎてるしな。


「……それで? 結局これが電波と何の関係があるんだ?」


 最終的な疑問がこれだ。その扉が出来て何だと言うのか。アメリカの交通事情なんてどうでも良いんだが?


「実はこの扉からある生物が現れて来ているの」
「ある生物って?」
「"ゴブリン"」


 比奈の言葉に、俺は一瞬頭の中が真っ白になる。


「それって……女性の事を考えず、本能のままに行動をするクズ人間が現れるって事でOK?」
「NO。ファンタジー物語では定番の鼻が潰れていて緑色、人間の女性を利用して繁殖するクズ魔物」


 WOW。


「だから世界中で今、異世界の扉が開くんじゃないかって厳戒態勢が敷かれてるの。いつ何処で扉が開いた事が分かる様に、早めに電線を通しておかないと私達もマズイかもねって話」



 なるほどなぁ。近くに異世界の扉なんて開かれたらたまったもんじゃないし、早めに電線繋げとくかー。




(ん…………アレ?)


 そこで俺は何か忘れている様な、そんな違和感を感じ、顎に手を当てる。


 うん? 何か喉元まで来てんだけど………? いやー……何だっけな? 思い出せない……まぁ、思い出せないって事は大した事じゃ無いって事か。


 さ、カップでも拭こう。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

元・神獣の世話係 ~神獣さえいればいいと解雇されたけど、心優しいもふもふ神獣は私についてくるようです!~

草乃葉オウル ◆ 書籍発売中
ファンタジー
黒き狼の神獣ガルーと契約を交わし、魔人との戦争を勝利に導いた勇者が天寿をまっとうした。 勇者の養女セフィラは悲しみに暮れつつも、婚約者である王国の王子と幸せに生きていくことを誓う。 だが、王子にとってセフィラは勇者に取り入るための道具でしかなかった。 勇者亡き今、王子はセフィラとの婚約を破棄し、新たな神獣の契約者となって力による国民の支配を目論む。 しかし、ガルーと契約を交わしていたのは最初から勇者ではなくセフィラだったのだ! 真実を知って今さら媚びてくる王子に別れを告げ、セフィラはガルーの背に乗ってお城を飛び出す。 これは少女と世話焼き神獣の癒しとグルメに満ちた気ままな旅の物語!

辻ヒーラー、謎のもふもふを拾う。社畜俺、ダンジョンから出てきたソレに懐かれたので配信をはじめます。

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
 ブラック企業で働く社畜の辻風ハヤテは、ある日超人気ダンジョン配信者のひかるんがイレギュラーモンスターに襲われているところに遭遇する。  ひかるんに辻ヒールをして助けたハヤテは、偶然にもひかるんの配信に顔が映り込んでしまう。  ひかるんを助けた英雄であるハヤテは、辻ヒールのおじさんとして有名になってしまう。  ダンジョンから帰宅したハヤテは、後ろから謎のもふもふがついてきていることに気づく。  なんと、謎のもふもふの正体はダンジョンから出てきたモンスターだった。  もふもふは怪我をしていて、ハヤテに助けを求めてきた。  もふもふの怪我を治すと、懐いてきたので飼うことに。  モンスターをペットにしている動画を配信するハヤテ。  なんとペット動画に自分の顔が映り込んでしまう。  顔バレしたことで、世間に辻ヒールのおじさんだとバレてしまい……。  辻ヒールのおじさんがペット動画を出しているということで、またたくまに動画はバズっていくのだった。 他のサイトにも掲載 なろう日間1位 カクヨムブクマ7000  

引退賢者はのんびり開拓生活をおくりたい

鈴木竜一
ファンタジー
旧題:引退賢者はのんびり開拓生活をおくりたい ~不正がはびこる大国の賢者を辞めて離島へと移住したら、なぜか優秀な元教え子たちが集まってきました~ 【書籍化決定!】 本作の書籍化がアルファポリスにて正式決定いたしました! 第1巻は10月下旬発売! よろしくお願いします!  賢者オーリンは大陸でもっと栄えているギアディス王国の魔剣学園で教鞭をとり、これまで多くの優秀な学生を育てあげて王国の繁栄を陰から支えてきた。しかし、先代に代わって新たに就任したローズ学園長は、「次期騎士団長に相応しい優秀な私の息子を贔屓しろ」と不正を強要してきた挙句、オーリン以外の教師は息子を高く評価しており、同じようにできないなら学園を去れと告げられる。どうやら、他の教員は王家とのつながりが深いローズ学園長に逆らえず、我がままで自分勝手なうえ、あらゆる能力が最低クラスである彼女の息子に最高評価を与えていたらしい。抗議するオーリンだが、一切聞き入れてもらえず、ついに「そこまでおっしゃられるのなら、私は一線から身を引きましょう」と引退宣言をし、大国ギアディスをあとにした。  その後、オーリンは以前世話になったエストラーダという小国へ向かうが、そこへ彼を慕う教え子の少女パトリシアが追いかけてくる。かつてオーリンに命を助けられ、彼を生涯の師と仰ぐ彼女を人生最後の教え子にしようと決め、かねてより依頼をされていた離島開拓の仕事を引き受けると、パトリシアとともにそこへ移り住み、現地の人々と交流をしたり、畑を耕したり、家畜の世話をしたり、修行をしたり、時に離島の調査をしたりとのんびりした生活を始めた。  一方、立派に成長し、あらゆるジャンルで国内の重要な役職に就いていた《黄金世代》と呼ばれるオーリンの元教え子たちは、恩師であるオーリンが学園から不当解雇された可能性があると知り、激怒。さらに、他にも複数の不正が発覚し、さらに国王は近隣諸国へ侵略戦争を仕掛けると宣言。そんな危ういギアディス王国に見切りをつけた元教え子たちは、オーリンの後を追って続々と国外へ脱出していく。  こうして、小国の離島でのんびりとした開拓生活を希望するオーリンのもとに、王国きっての優秀な人材が集まりつつあった……

親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました

空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが日常に溶け込んだ世界――。 平凡な会社員の風間は、身に覚えのない情報流出の責任を押しつけられ、会社をクビにされてしまう。さらに、親友だと思っていた男に婚約者を奪われ、婚約も破棄。すべてが嫌になった風間は自暴自棄のまま山へ向かい、そこで人々に見捨てられた“放置ダンジョン”を見つける。 どこか自分と重なるものを感じた風間は、そのダンジョンに住み着くことを決意。ところが奥には、愛らしいモンスターたちがひっそり暮らしていた――。思いがけず彼らに懐かれた風間は、さまざまなモンスターと共にダンジョンでのスローライフを満喫していくことになる。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

処理中です...