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第2章 人との交流
第19話 ほう、魔法ね。
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ジャルデの侵入を許可した瞬間。ジャルデの手が洞窟へと入る。
『おー! これで生き続けられる!! 感謝するぞ獣よ!!』
「獣じゃない。アノムだ」
『はっはっはっ! そうか、アノム!! 特別にお前には我の名前を呼ぶ事を許そう!!』
ジャルデは洞窟の中、空中で胸を張る。
名前呼ばないで、なんて呼ぶんだよ。と言う嫌味は心の中で押しとどめる。
「それよりも、あの少女の事を助けてやってくれ。早く楽にしてあげたい」
『ふむ、良かろう』
ジャルデはそう言い、スーッと少女の真上まで行くと、手をかざした。
「? 何をしてるんだ?」
『これはこの少女の魔力の流れを整えている』
「魔力の流れを整える?」
『魔導師の才能がある者は、魔力が自然と体の中に入り、出て行くのが正常な流れだ。そして魔導師は大きく2つの種類に分けられ、日常生活を送るのに損しない生活魔法を使う魔力を蓄える魔導士モドキ、戦闘に併用出来る程の魔力を蓄える魔導師がいる』
「…後者の魔導師がこの子って事か?」
『そう! あ、いや、その通りだ』
ジャルデは少し焦った様にして、威厳を持って言い直す。
『魔導師モドキなら何ら問題はないが、魔導師となると別だ。魔導師と魔導師モドキの蓄える魔力量は龍とスライムぐらい違うと言われ、成長した魔導師が魔力の流れを整える事で、やっと本人が上手く魔力の出口を作る事が出来る様になる』
「つまり、魔力を整える事で魔力の扱い方を覚えさせるって事か」
『端的に言えばそうだ』
ジャルデの手からは何も出ていない様に見える。
だが、少女の顔色からは楽になって来ている事が伺える。
「アノム…」
「ん? どうした?」
そんな時、ルイエが声を上げる。
「何か…体ムズムズする」
「……掻いてやるか?」
「うーん…」
ルイエはいつも通り変わらない。何かマイペースと言うか…。
俺は少し呆れながらもルイエの背中を掻いてやる。
『ふむ、そろそろ終わるぞ』
まだやり始めて、数分。ジャルデは少女に手をかざすのを止めて、俺の横へとやって来る。
「もう終わったのか?」
確かに少女の顔色は良くなった。しかし、まだ体温は高いし、目を覚さない。
『私を誰だと思っている、霊王ジャルデだぞ? こんな事容易いわ』
ジャルデはでかい胸を張って偉そうに言った。
まぁ、昔に霊王と恐れられた奴の言う事だ。それなりの信頼はある。
「なら良いが…」
「持ってきたよー!」
そんな時エンペルが外にある、雪を持って来る。
「よし、じゃあその子の額に乗せてやってくれ」
「りょーかーい!」
エンペルがササッと、器用に少女の額に雪を乗せる。
「…冷たい」
「ゆ、雪が垂れちゃってるよー」
配慮に欠けてたな。
「今袋を出す」
俺はボードを操作する。
*****
丈夫な薄い袋 3 DP
*****
よし、これで良いな。丈夫な物の方が良いだろう。
俺はボードを操作して、丈夫な袋を出す。
「これを使ってくれ」
「おーけー」
エンペルがその中に雪を入れる。
『…』
そんな俺達の事を、ジャルデが見つめている事に気づく。
「何だ?」
『その珍妙な術は何だ? 私に教えてみろ』
ジャルデが眉を顰めて、俺に迫る。
「魔法だよ」
『む! 今の時代ではこんな魔法があるのか!?』
ジャルデが目を見開き驚く。
コイツに本当の事を言っても面倒臭い事になりそうだから、魔法って事にさせて貰おう。
表では平静を保ちながら、接する。
そんな時。
「おー」
背後からルイエの間延びした声が聞こえて来る。
「どうした?」
振り向くと、そこには空中を見て、目を見開いているルイエの姿があった。
『ん? アイツもか?』
「は? 何がだ?」
『アイツも魔導師だ』
「…は?」
『おー! これで生き続けられる!! 感謝するぞ獣よ!!』
「獣じゃない。アノムだ」
『はっはっはっ! そうか、アノム!! 特別にお前には我の名前を呼ぶ事を許そう!!』
ジャルデは洞窟の中、空中で胸を張る。
名前呼ばないで、なんて呼ぶんだよ。と言う嫌味は心の中で押しとどめる。
「それよりも、あの少女の事を助けてやってくれ。早く楽にしてあげたい」
『ふむ、良かろう』
ジャルデはそう言い、スーッと少女の真上まで行くと、手をかざした。
「? 何をしてるんだ?」
『これはこの少女の魔力の流れを整えている』
「魔力の流れを整える?」
『魔導師の才能がある者は、魔力が自然と体の中に入り、出て行くのが正常な流れだ。そして魔導師は大きく2つの種類に分けられ、日常生活を送るのに損しない生活魔法を使う魔力を蓄える魔導士モドキ、戦闘に併用出来る程の魔力を蓄える魔導師がいる』
「…後者の魔導師がこの子って事か?」
『そう! あ、いや、その通りだ』
ジャルデは少し焦った様にして、威厳を持って言い直す。
『魔導師モドキなら何ら問題はないが、魔導師となると別だ。魔導師と魔導師モドキの蓄える魔力量は龍とスライムぐらい違うと言われ、成長した魔導師が魔力の流れを整える事で、やっと本人が上手く魔力の出口を作る事が出来る様になる』
「つまり、魔力を整える事で魔力の扱い方を覚えさせるって事か」
『端的に言えばそうだ』
ジャルデの手からは何も出ていない様に見える。
だが、少女の顔色からは楽になって来ている事が伺える。
「アノム…」
「ん? どうした?」
そんな時、ルイエが声を上げる。
「何か…体ムズムズする」
「……掻いてやるか?」
「うーん…」
ルイエはいつも通り変わらない。何かマイペースと言うか…。
俺は少し呆れながらもルイエの背中を掻いてやる。
『ふむ、そろそろ終わるぞ』
まだやり始めて、数分。ジャルデは少女に手をかざすのを止めて、俺の横へとやって来る。
「もう終わったのか?」
確かに少女の顔色は良くなった。しかし、まだ体温は高いし、目を覚さない。
『私を誰だと思っている、霊王ジャルデだぞ? こんな事容易いわ』
ジャルデはでかい胸を張って偉そうに言った。
まぁ、昔に霊王と恐れられた奴の言う事だ。それなりの信頼はある。
「なら良いが…」
「持ってきたよー!」
そんな時エンペルが外にある、雪を持って来る。
「よし、じゃあその子の額に乗せてやってくれ」
「りょーかーい!」
エンペルがササッと、器用に少女の額に雪を乗せる。
「…冷たい」
「ゆ、雪が垂れちゃってるよー」
配慮に欠けてたな。
「今袋を出す」
俺はボードを操作する。
*****
丈夫な薄い袋 3 DP
*****
よし、これで良いな。丈夫な物の方が良いだろう。
俺はボードを操作して、丈夫な袋を出す。
「これを使ってくれ」
「おーけー」
エンペルがその中に雪を入れる。
『…』
そんな俺達の事を、ジャルデが見つめている事に気づく。
「何だ?」
『その珍妙な術は何だ? 私に教えてみろ』
ジャルデが眉を顰めて、俺に迫る。
「魔法だよ」
『む! 今の時代ではこんな魔法があるのか!?』
ジャルデが目を見開き驚く。
コイツに本当の事を言っても面倒臭い事になりそうだから、魔法って事にさせて貰おう。
表では平静を保ちながら、接する。
そんな時。
「おー」
背後からルイエの間延びした声が聞こえて来る。
「どうした?」
振り向くと、そこには空中を見て、目を見開いているルイエの姿があった。
『ん? アイツもか?』
「は? 何がだ?」
『アイツも魔導師だ』
「…は?」
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