Koruseit world online〜魔力特化した私は体力10しかありません。なので幻術使ってどうにかしたいと思います〜

ゆうらしあ

文字の大きさ
上 下
54 / 57
第3章.道

52.目標

しおりを挟む
「た、助けれた…」
 私は地面に倒れる。仰向けで倒れた私の視界には青々とした綺麗な空が広がっていた。

 そして私の隣ではソーマが青い炎に包まれ、卵の様な形で轟々と燃え盛っている。

 黒いソーマがいない…もしかしてソーマと?
 私は青い炎に包まれている物を見つめる。

 すると青い炎が先程よりもさらに燃え上がり、消えていく。

 ボゥッ!

(スプリングさん! ただいまです!!)
 そこに現れたのは、私よりも少し小さな子供。ソーマがなんと、人型になって出てきたのだ!

「ソーマ!? おかえり!!」
 私はソーマに飛びつく。
 が、私はソーマを通り過ぎ地面に顔を激突される。

 体力:8/10

 神の尖兵にも体力を1しか削られなかったのに…。

 いや、それよりも!!

「ソーマ!! 凄いね!! 進化しちゃったの!?」
(そうみたいです!!)
 喜んで笑顔で空を飛び跳ねているソーマに向かって私は、【鑑定】を発動させる。



 名前: ソーマ
 種族: 幽霊
 レベル: 1
 体力: 80
 SP: 150

 ステータス:
 力: 0 防御: 0 敏捷: 110    魔力: 165 幸運: 0

 状態: 普通

 親交度:90

 スキル
 【浮遊】Lv5 up
 【火魔術】Lv3 up
 【誘引】Lv5 up
 【飛翔】Lv1 new
 【引力】Lv1 new



 ふぁっ!? なんか色々増えてるわ!!
 ベリアルと同じ時みたいにステータスも増えてる! 多分、ステータスを振ってあるところが50増えてるのかな?
 私は予想する。

 そしてあることに気づく。

「そうだ! ベリアル!?」
 私は黒いソーマに落とされたベリアルの下へ行く。

(うっ…スプリング)
 ベリアルは私達が近づくとゆっくりと体を起こす。
 怪我はとても酷く、自分では動くこともままならないようだった。

 私はベリアルのステータスを確認する。



 体力:12/150



「体力が…」
 ベリアルの体力はほとんど削られていた。
 黒いソーマによる攻撃がどれだけ強力だったのか、良く分かる。

 進化したベリアルが一撃でこうなる相手があと5体もいるの?
 私の背中にゲームの中にも関わらず、嫌な汗が流れた。
 今回は偶々相手がソーマで、シャドゥールに助けてもらったお陰で乗り越える事ができた。言わば私達の運が良かっただけ。

 これで神の尖兵と戦うとなると、ベリアルやソーマが死んじゃう…。

「…よし! 決めた!」
(どうしたんですか?)
 ソーマは首を傾げる。

「まだ私たちの実力じゃ神の尖兵には勝てない! だから私達は情報を集めながら実力をつけよう! 倒すのは他の人に任せよう」

 う…重い…。
 私はベリアルを頑張っておんぶする。

(スプリング大丈夫?)
「だ、大丈夫」
 ベリアルは私をかばってこうなったんだ。
 これぐらい…。

 そうして私が"フォッグの街"から出ようとしていると、

「先輩!何してるんですか?」
 前からサキさんが走ってくる。

 ていうか先輩って言ってるじゃん。ま、それだけ驚いてるってことかなー。
 私がそんなことを言ってると、サキさんは私の胸倉を掴む。

「…説明してくれますよね?」
 …顔は笑ってるけど、目が笑ってない。

 私はサキさんのあまりの勢いに、身体を震わせて事情を話した。



「そういう訳なんで、これから私達は力をつける為に色々探索してみたいと思ってます」
「なるほどね…分かった。じゃあとりあえずソシャールに帰るの?」
「はい、そのつもりです。サキさんはどうするんですか?」
「うーん…1度ここに残る、かな。初めてきた所だし、ここにもしかしたら神の尖兵の情報もあるかも」

 確かに。なら私もここに残ったほうがいい?
 いや…ここはサキさんに任せて他の場所を探した方が効率がいいか。

「分かりました。では此処はサキさんに任せたいと思います!」

 私はサキさんに手を振って別れる。

「よし。じゃあソシャールに戻ろうか」
(うん!)
(はい!)
 私は愛しのパートナー達と談笑しながら、ソシャールへ向かった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

とある会社の秘密の研修

廣瀬純一
SF
男女の性別を入れ替えて研修を行う会社の話

セリオン共和国再興記 もしくは宇宙刑事が召喚されてしまったので・・・

今卓&
ファンタジー
地球での任務が終わった銀河連合所属の刑事二人は帰途の途中原因不明のワームホールに巻き込まれる、彼が気が付くと可住惑星上に居た。 その頃会議中の皇帝の元へ伯爵から使者が送られる、彼等は捕らえられ教会の地下へと送られた。 皇帝は日課の教会へ向かう途中でタイスと名乗る少女を”宮”へ招待するという、タイスは不安ながらも両親と周囲の反応から招待を断る事はできず”宮”へ向かう事となる。 刑事は離別したパートナーの捜索と惑星の調査の為、巡視艇から下船する事とした、そこで彼は4人の知性体を救出し獣人二人とエルフを連れてエルフの住む土地へ彼等を届ける旅にでる事となる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【BIO DEFENSE】 ~終わった世界に作られる都市~

こばん
SF
世界は唐突に終わりを告げる。それはある日突然現れて、平和な日常を過ごす人々に襲い掛かった。それは醜悪な様相に異臭を放ちながら、かつての日常に我が物顔で居座った。 人から人に感染し、感染した人はまだ感染していない人に襲い掛かり、恐るべき加速度で被害は広がって行く。 それに対抗する術は、今は無い。 平和な日常があっという間に非日常の世界に変わり、残った人々は集い、四国でいくつかの都市を形成して反攻の糸口と感染のルーツを探る。 しかしそれに対してか感染者も進化して困難な状況に拍車をかけてくる。 さらにそんな状態のなかでも、権益を求め人の足元をすくうため画策する者、理性をなくし欲望のままに動く者、この状況を利用すらして己の利益のみを求めて動く者らが牙をむき出しにしていきパニックは混迷を極める。 普通の高校生であったカナタもパニックに巻き込まれ、都市の一つに避難した。その都市の守備隊に仲間達と共に入り、第十一番隊として活動していく。様々な人と出会い、別れを繰り返しながら、感染者や都市外の略奪者などと戦い、都市同士の思惑に巻き込まれたりしながら日々を過ごしていた。 そして、やがて一つの真実に辿り着く。 それは大きな選択を迫られるものだった。 bio defence ※物語に出て来るすべての人名及び地名などの固有名詞はすべてフィクションです。作者の頭の中だけに存在するものであり、特定の人物や場所に対して何らかの意味合いを持たせたものではありません。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?

おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました! 皆様ありがとうございます。 「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」 眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。 「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」 ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。 ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視 上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

聖女の、その後

六つ花えいこ
ファンタジー
私は五年前、この世界に“召喚”された。

処理中です...