Koruseit world online〜魔力特化した私は体力10しかありません。なので幻術使ってどうにかしたいと思います〜

ゆうらしあ

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第2章.幻想

48.決着

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「「「後はお前だけだ…。」」」
黒いソーマはそう言うとソーマに近づいていく。


(う、うわぁ~っ!!)
するとソーマは黒いソーマの前から逃げる。


「「「なんだ? 」」」
黒いソーマは笑いながらそう言うと、近くにあった家の瓦礫へ行く。


「「「お前の素早さじゃ僕から逃げられないよ?」」」
僕は瓦礫の裏を覗く。

そこには、


シクシクシク


「「「昔の僕?」」」
瓦礫の裏側には生きていた頃の僕の姿が。

「「「何が起きているんだ?」」」
あいつは何処に行った…?
黒いソーマが辺りを見渡す。

「ソーマ。そこで何をしてるの?」
そして僕はある声に反応して、後ろを振り向く。そこには、


「「「お母さん。」」」
そこには泣いているソーマに、微笑みながら歩み寄ってきている母の姿があった。


「あら? 泣いているの? 何かあった?」
母はソーマの隣へと座ると、ソーマの頭を撫でる。


「お父さんに…怒られた。」

僕はこの時、お父さんに遊んでもらおうとして話しかけた。懐かしいな。

「お父さんは今、大事な儀式の途中なの。邪魔しちゃダメよ。」

そうだ。そう言われた。

「儀式って?」

「とても大変な儀式よ。代々やってきた事をやってる封印…いや、なんでもないわ。お父さんもピリピリしちゃってるのよ。」

今思えばそれが今の僕だった訳か。
これから何か言われた気がするけど…何だったか。

「ソーマ。」

「何?」

「もし私達に何かあっても…不貞腐れちゃダメよ? 」

「何かって?」
この時からお母さんは察していたのか? いつかは殺されるかもしれないと…。

「私達がいなくなってしまったらって事。」

「え! いやだよ~!!」

「そこでいじけてる暇があったら、好きな人に会って、好きなように生活する。そこからは1度きりのソーマの人生なんだから楽しまないと損じゃない?」
お母さんが笑う。


そうか、こんな事もあったのか…。
あの頃の僕にとって、お父さんとお母さんが全てだった。あの頃に戻りたいなぁ。


「まだ戻れるよ。」

「「「本当に?」」」

「うん。これからの人生どうやって過ごすのかはソーマ次第だよ。」

「「「僕、次第…。」」」

…。


「「「戻りたい…!」」」


パリーン!!


僕の周りの景色が、鏡が割れた様に崩れ落ちていく。


「黒いソーマ、ここにいるソーマ。私にとってはどっちも同じソーマだよ。」


「「「同じ?」」」
黒いソーマが首を傾げる。


「そう。憎いと思っているソーマも、私といて楽しんでいるソーマも。」

スプリングは黒いソーマに歩み寄る。

「「「僕は…」」」
黒いソーマは下を見る。


「顔を上げて。」

黒いソーマは顔を上げる。



「顔を上げないと見えない景色もあるんだよ?」
私は黒いソーマへと手を差し伸べる。


「「「顔を…上げる。」」」
黒いソーマが私の手に触れた瞬間、一瞬強い光に包まれる。


〈ソーマが条件を満たしました〉
〈進化を開始します〉

ソーマは青い炎に包まれる。


『ふむ。まさか私のが先にやられるとはな。やるな、小さき者よ。』

それは私の頭の中で響く。



『神の尖兵の1体 "黒霧のソーマ"が撃破されました』
『最大功績者 スプリングには称号『神の敵』を贈与します。』
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