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第2章.幻想
45.黒霧
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「暗い…。」
私達は街に入った。
今はまだ日中。しかし街の中は黒い霧に包まれ、何も見えない状態だった。
(スプリング! あれ出して!)
「あれ? あー! ごめん!! 今出すよ!」
私は【光魔術】を使用して強い光の玉を作った。これを太陽代わりに街を調べようと、私は光の玉を空高く飛ばした。
するとあまりの黒い霧の濃さに、それは太陽の代わりなどにはならなかった。
「前2メートルぐらしか見えない…。」
私は光の玉を前方に戻し、周りを警戒しながら前進する。
それにしても…建物が1つもない。あの時から此処では何があったんだろう。ソーマが居なくなって…。
私がそんな事を思っていると、ある所に着く。
「此処は…。」
そこは教会だった。しかし普通の教会ではない。
ボロボロの教会が再現されているのであろう、黒いモヤで出来た教会…。
「ベリアル、ソーマ行くよ。」
(うん!)
(はい!)
私達は黒いモヤで出来ている教会に入った。ボロボロで歪な教会。これがもし罠だったとしても私は入っただろう。
何故なら黒霧を…
私達は奥へと進んだ。
教会の奥には黒いモヤがいた。
黒いモヤは祭壇の上に存在しており、黒いモヤの中心には『混沌の宝玉』が浮いていた。
「待った?」
私が笑って話しかけると黒いモヤ…いや、黒霧はゆっくりと此方を見た気がした。
「「「ゔぉぉぉ。」」」
黒霧が声を挙げると、教会は吹き飛ぶ。
…ッ!! すごいなっ!!
凄い風圧で私達は地に膝をつく。
結構余裕ないかも!!
「「「ゔぉぉぉ!!」」」
黒霧は私に向かって突進をしてくる。
まずいっ!!
私は急いで【影魔術】を横の地面に刺し、私の身体をそこから移動させる。
今、ちゃんと私の方に向かって来た…?
『月影の衣』は発動してる。なんで?
「ベリアル!」
(うん!!)
ベリアルは背中から三叉槍を2本取り出し、黒霧に突っ込む。
(う、うわぁ!!)
するとベリアルは黒霧の中に取り込まれる。
「ベリアル!?」
ベリアルが黒霧の中に取り込まれた!! ベリアルは何処に…。
(大丈夫! 移動しただけ!!)
ベリアルは私の背後にいた。
転移? てことは物理攻撃をすると危なそうだね。魔法主体の攻撃になる! じゃあ!!
「ソーマ! 【誘引】から【火魔術】!!」
(はい!!)
ソーマは黒霧の真上に行き、【誘引】を発動させる。すると黒霧がモゾモゾと動く。
ソーマの周りの黒い霧が集まる。
何…? あれは?
私がそんな事を思って空中の霧を見ていると、
それはソーマを捕まえ、締め上げる。
「ソーマ!!」
(うぐぐっ!!)
大変! すぐに助けないと!!
私は【影魔術】を発動させ、ソーマの黒いモヤを取る。
(あ、ありがとうございます。)
ソーマはダメージを受けた様で、息が切れている。
もしかしてこの霧…。
全部黒霧の1部なの!?
…そう考えれば納得もいく。
私の方向にちゃんと向かって突進して来たのは、私の体に沿って霧が纏わり付いていたから。
ソーマが捕まったのは、周りに黒霧の1部があったから。
今私達は、黒霧の手の中だと言う事だね。
「ふぅーーー…。」
私は大きく息を吐いた。
【浮遊】!
私は空高く飛び上がる。
そして【光魔術】を発動させた。
が、私は忘れていた。
そうか!! この暗さじゃ!!
黒霧が私の周りの霧を動かして、私を捕まえようとしてくる。
そう。私の【光魔術】が地面まで光を照らす事はなく、影も途中までしか伸びなかったのだ。その為、【影操】を発動させる事を断念。その私が戸惑っている間に黒霧は準備を終わらせて、捕まえようとしている。
やばい!!
私は目を強く瞑った。
しかし何秒経っても痛みは訪れない。
(スプリング、大丈夫だよ! 目を開けて!!)
私が目を開けて、目の前にいたのはベリアルだった。
ベリアル?
なんでベリアルの顔がこんなに近く…?
って私! ベリアルにお姫様抱っこされてる!?
私はベリアルにお姫様抱っこをされながら、黒霧からの攻撃を避けていたのだ。
ヒュン! ヒュン!
近くから風切り音が聞こえてくる。
しかし、今の私はそれどころでは無かった。
ベ、ベリアルが私をお姫様抱っこ…。
わ、悪くないかも。ベリアルの顔って進化してから、可愛い系からほんのちょっとだけどカッコいい系になってるんだよね。
私がベリアルの顔を見ながら、ボーッとしてると、
うわっ!!
突然視界が反転する。
ヒュヒュン!! ヒュン!!
黒霧の攻撃が激しくなって来てる!!
どうにかしないと…。
私がそう思っていると、攻撃は突然止む。
あれ? なんで?
私は黒霧がいる方向を見る。
そこにはソーマが黒霧と戦っている光景が。
…私達よりも、ソーマか。
私はベリアルに言って、地上へ下ろしてもらった。
私達は街に入った。
今はまだ日中。しかし街の中は黒い霧に包まれ、何も見えない状態だった。
(スプリング! あれ出して!)
「あれ? あー! ごめん!! 今出すよ!」
私は【光魔術】を使用して強い光の玉を作った。これを太陽代わりに街を調べようと、私は光の玉を空高く飛ばした。
するとあまりの黒い霧の濃さに、それは太陽の代わりなどにはならなかった。
「前2メートルぐらしか見えない…。」
私は光の玉を前方に戻し、周りを警戒しながら前進する。
それにしても…建物が1つもない。あの時から此処では何があったんだろう。ソーマが居なくなって…。
私がそんな事を思っていると、ある所に着く。
「此処は…。」
そこは教会だった。しかし普通の教会ではない。
ボロボロの教会が再現されているのであろう、黒いモヤで出来た教会…。
「ベリアル、ソーマ行くよ。」
(うん!)
(はい!)
私達は黒いモヤで出来ている教会に入った。ボロボロで歪な教会。これがもし罠だったとしても私は入っただろう。
何故なら黒霧を…
私達は奥へと進んだ。
教会の奥には黒いモヤがいた。
黒いモヤは祭壇の上に存在しており、黒いモヤの中心には『混沌の宝玉』が浮いていた。
「待った?」
私が笑って話しかけると黒いモヤ…いや、黒霧はゆっくりと此方を見た気がした。
「「「ゔぉぉぉ。」」」
黒霧が声を挙げると、教会は吹き飛ぶ。
…ッ!! すごいなっ!!
凄い風圧で私達は地に膝をつく。
結構余裕ないかも!!
「「「ゔぉぉぉ!!」」」
黒霧は私に向かって突進をしてくる。
まずいっ!!
私は急いで【影魔術】を横の地面に刺し、私の身体をそこから移動させる。
今、ちゃんと私の方に向かって来た…?
『月影の衣』は発動してる。なんで?
「ベリアル!」
(うん!!)
ベリアルは背中から三叉槍を2本取り出し、黒霧に突っ込む。
(う、うわぁ!!)
するとベリアルは黒霧の中に取り込まれる。
「ベリアル!?」
ベリアルが黒霧の中に取り込まれた!! ベリアルは何処に…。
(大丈夫! 移動しただけ!!)
ベリアルは私の背後にいた。
転移? てことは物理攻撃をすると危なそうだね。魔法主体の攻撃になる! じゃあ!!
「ソーマ! 【誘引】から【火魔術】!!」
(はい!!)
ソーマは黒霧の真上に行き、【誘引】を発動させる。すると黒霧がモゾモゾと動く。
ソーマの周りの黒い霧が集まる。
何…? あれは?
私がそんな事を思って空中の霧を見ていると、
それはソーマを捕まえ、締め上げる。
「ソーマ!!」
(うぐぐっ!!)
大変! すぐに助けないと!!
私は【影魔術】を発動させ、ソーマの黒いモヤを取る。
(あ、ありがとうございます。)
ソーマはダメージを受けた様で、息が切れている。
もしかしてこの霧…。
全部黒霧の1部なの!?
…そう考えれば納得もいく。
私の方向にちゃんと向かって突進して来たのは、私の体に沿って霧が纏わり付いていたから。
ソーマが捕まったのは、周りに黒霧の1部があったから。
今私達は、黒霧の手の中だと言う事だね。
「ふぅーーー…。」
私は大きく息を吐いた。
【浮遊】!
私は空高く飛び上がる。
そして【光魔術】を発動させた。
が、私は忘れていた。
そうか!! この暗さじゃ!!
黒霧が私の周りの霧を動かして、私を捕まえようとしてくる。
そう。私の【光魔術】が地面まで光を照らす事はなく、影も途中までしか伸びなかったのだ。その為、【影操】を発動させる事を断念。その私が戸惑っている間に黒霧は準備を終わらせて、捕まえようとしている。
やばい!!
私は目を強く瞑った。
しかし何秒経っても痛みは訪れない。
(スプリング、大丈夫だよ! 目を開けて!!)
私が目を開けて、目の前にいたのはベリアルだった。
ベリアル?
なんでベリアルの顔がこんなに近く…?
って私! ベリアルにお姫様抱っこされてる!?
私はベリアルにお姫様抱っこをされながら、黒霧からの攻撃を避けていたのだ。
ヒュン! ヒュン!
近くから風切り音が聞こえてくる。
しかし、今の私はそれどころでは無かった。
ベ、ベリアルが私をお姫様抱っこ…。
わ、悪くないかも。ベリアルの顔って進化してから、可愛い系からほんのちょっとだけどカッコいい系になってるんだよね。
私がベリアルの顔を見ながら、ボーッとしてると、
うわっ!!
突然視界が反転する。
ヒュヒュン!! ヒュン!!
黒霧の攻撃が激しくなって来てる!!
どうにかしないと…。
私がそう思っていると、攻撃は突然止む。
あれ? なんで?
私は黒霧がいる方向を見る。
そこにはソーマが黒霧と戦っている光景が。
…私達よりも、ソーマか。
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