44 / 57
第2章.幻想
42.王城
しおりを挟む
そ、そんな事真正面から言われると照れるなぁ。でもウチの子のお陰でもあるからね! そこ勘違いしないでよ!
それにしても…ベリアルがまさかそんなに凄い種族に進化したなんて…!
可愛い上に凄い種族なんて…流石ウチの子!!
「あ! その『無力』っていう人はどんなパートナーの子と一緒くたなんですか?」
このゲーム最強って言うぐらいだから竜とかかな?
「あぁ…『無力』のパートナーか…それは見た時のお楽しみにしといた方がいいと思うぞ…。」
「え! 何でですか!?」
「アイツのは皆んな目を見開くからな。」
男は楽しそうに笑って肩をすくめた。
「俺の名前は"ソースケ"、こいつが犬の"ゼブラ"だ。また会ったらよろしくな。『幻想姫』のスプリング。」
ソースケさんとゼブラはそう言って、ソシャールへ入っていた。
…犬なのにゼブラって…なんかゲーマーっぽいなぁ、名前の付け方が。
って、なんで私の名前知ってるの。もしかして私の名前拡散されてます?
「スプリングー!! いつまでそこにいるのよ!! 早く理由を探さないと!!」
サキさんが大声で叫びながら、此方に向かってくる…周りに何十人もの人を連れて…。
「何でそんなに強いの!?」
「その子はなんて名前なの!? 進化して何故そこまで姿が変わったの!?」
「その浮いてる光みたいなのは何!? それは生物なの!?」
「あ、あの! 少し自分をふ、踏んでくれませんか? ハァ…ハァ…。」
「あの空を飛んでいたのは何なの!? スキルなのよね!?」
色々な言葉が飛び交っている。
皆、私の強さやスキル、ベリアルについても調べたいみたいだ。…変なのも聞こえるけど…。
私は【影魔術】を蜘蛛の足の様に発動させて、サキさんを持ち上げる。
「「「「「あっ!!?」」」」」
ふっ。悪いな。私は人にチヤホヤされるのあまり好きじゃないんだよ。
私はソシャールに一目散に逃げた。
「スプリング、これからどうするの?」
「これからですかー…うーん。」
はっきり言えば何をすれば良いのか分からない…黒霧がソシャールを襲った理由…
私達が道で話していると、
「失礼します!」
「「え?」」
私達が振り向くとそこには兵士の格好をしている人がいた。
「貴方はスプリング様で間違いないでしょうか?」
「え、あ、はい。」
何この人…。兵士の格好をしてるって事は、そういう職業? いや、でもパートナーを連れていないって事はNPCか。
「この度は古の王都 ソシャールを助けていただきありがとうございます! お礼が言いたいと陛下がお呼びです。ぜひ王城まで来てもらいたく。」
兵士は膝を地に着け、言った。
「「え!? 王城!?」」
私達は声を大にして驚く。
〈「黒霧の逆襲」においての最大功績者が"スプリング"に選ばれました〉
〈王城に招待されました〉
…私が最大功績者ね…。これが頭に響いたって事は王城で何かあるとみたよ、私は! ここは迷わずに!
「分かりました! お伺いします!!」
「ありがとうございます!! 陛下も喜びます!! ではご案内します! ついて来てください!」
「いや、でかっ!」
(でかい!!)
(凄いです…!!)
私に釣られる様に2人も驚きの声を挙げる。なんと言っても王城! 結構大きいんだろうなーと思っていたら…想像以上の大きさだった。…私の実家軽く1000個とか入りそう…。
「では行きましょう。」
兵士が門を通り、私達もそれについて行く。
「では此処でお待ち下さい。」
兵士はそう言うと部屋から出て行く。
「凄い…。」
私は呟く。そこは普通の部屋とは比べ物にならない程に広く、高そうな物ばかり置いてあった。
うわっ、この花瓶とか割ったら弁償とか言われるんじゃない…? ベリアルとソーマは…ふぅ、案外大人しくしている。呆気に取られているね。遊んでたりしたら物壊してたかも…。
私がそんな事を考えていると、
「あ、あのさ、私も来なくても良かったんじゃない?」
サキさんがカチコチになりながら、声を挙げる。
「いやいや、そんな事無いですよ。サキさんはあの戦闘で大活躍だったですよ! 私の名前をあんな大声で言いふらしていたじゃないですか!!」
私は笑顔で言う。
「あ、あれ? もしかしてスプリング怒ってる?」
「怒ってませんよー?」
「で、でもずっと笑顔だし…いや目は笑ってないけど…。」
「一緒に王様と会いましょうね?」
「い、嫌だ!! 王様と会って不敬だ! とか言われて、身ぐるみ全部没収とかなったらどうするの!?」
サキさんは捲し立てる様にそう言うと、近くのソファに座る。
「ふふっ…ま、まぁいいわ。今のうちにこのソファの感触を確かめておかないと…」
…やり過ぎちゃったかもしれない…もうサキさんソファの上で体育座りしてるよ、どんだけ落ち込んでるの。
コンコンッ
「失礼します。お待たせしました。謁見の準備が整いましたのでついて来てください。」
それにしても…ベリアルがまさかそんなに凄い種族に進化したなんて…!
可愛い上に凄い種族なんて…流石ウチの子!!
「あ! その『無力』っていう人はどんなパートナーの子と一緒くたなんですか?」
このゲーム最強って言うぐらいだから竜とかかな?
「あぁ…『無力』のパートナーか…それは見た時のお楽しみにしといた方がいいと思うぞ…。」
「え! 何でですか!?」
「アイツのは皆んな目を見開くからな。」
男は楽しそうに笑って肩をすくめた。
「俺の名前は"ソースケ"、こいつが犬の"ゼブラ"だ。また会ったらよろしくな。『幻想姫』のスプリング。」
ソースケさんとゼブラはそう言って、ソシャールへ入っていた。
…犬なのにゼブラって…なんかゲーマーっぽいなぁ、名前の付け方が。
って、なんで私の名前知ってるの。もしかして私の名前拡散されてます?
「スプリングー!! いつまでそこにいるのよ!! 早く理由を探さないと!!」
サキさんが大声で叫びながら、此方に向かってくる…周りに何十人もの人を連れて…。
「何でそんなに強いの!?」
「その子はなんて名前なの!? 進化して何故そこまで姿が変わったの!?」
「その浮いてる光みたいなのは何!? それは生物なの!?」
「あ、あの! 少し自分をふ、踏んでくれませんか? ハァ…ハァ…。」
「あの空を飛んでいたのは何なの!? スキルなのよね!?」
色々な言葉が飛び交っている。
皆、私の強さやスキル、ベリアルについても調べたいみたいだ。…変なのも聞こえるけど…。
私は【影魔術】を蜘蛛の足の様に発動させて、サキさんを持ち上げる。
「「「「「あっ!!?」」」」」
ふっ。悪いな。私は人にチヤホヤされるのあまり好きじゃないんだよ。
私はソシャールに一目散に逃げた。
「スプリング、これからどうするの?」
「これからですかー…うーん。」
はっきり言えば何をすれば良いのか分からない…黒霧がソシャールを襲った理由…
私達が道で話していると、
「失礼します!」
「「え?」」
私達が振り向くとそこには兵士の格好をしている人がいた。
「貴方はスプリング様で間違いないでしょうか?」
「え、あ、はい。」
何この人…。兵士の格好をしてるって事は、そういう職業? いや、でもパートナーを連れていないって事はNPCか。
「この度は古の王都 ソシャールを助けていただきありがとうございます! お礼が言いたいと陛下がお呼びです。ぜひ王城まで来てもらいたく。」
兵士は膝を地に着け、言った。
「「え!? 王城!?」」
私達は声を大にして驚く。
〈「黒霧の逆襲」においての最大功績者が"スプリング"に選ばれました〉
〈王城に招待されました〉
…私が最大功績者ね…。これが頭に響いたって事は王城で何かあるとみたよ、私は! ここは迷わずに!
「分かりました! お伺いします!!」
「ありがとうございます!! 陛下も喜びます!! ではご案内します! ついて来てください!」
「いや、でかっ!」
(でかい!!)
(凄いです…!!)
私に釣られる様に2人も驚きの声を挙げる。なんと言っても王城! 結構大きいんだろうなーと思っていたら…想像以上の大きさだった。…私の実家軽く1000個とか入りそう…。
「では行きましょう。」
兵士が門を通り、私達もそれについて行く。
「では此処でお待ち下さい。」
兵士はそう言うと部屋から出て行く。
「凄い…。」
私は呟く。そこは普通の部屋とは比べ物にならない程に広く、高そうな物ばかり置いてあった。
うわっ、この花瓶とか割ったら弁償とか言われるんじゃない…? ベリアルとソーマは…ふぅ、案外大人しくしている。呆気に取られているね。遊んでたりしたら物壊してたかも…。
私がそんな事を考えていると、
「あ、あのさ、私も来なくても良かったんじゃない?」
サキさんがカチコチになりながら、声を挙げる。
「いやいや、そんな事無いですよ。サキさんはあの戦闘で大活躍だったですよ! 私の名前をあんな大声で言いふらしていたじゃないですか!!」
私は笑顔で言う。
「あ、あれ? もしかしてスプリング怒ってる?」
「怒ってませんよー?」
「で、でもずっと笑顔だし…いや目は笑ってないけど…。」
「一緒に王様と会いましょうね?」
「い、嫌だ!! 王様と会って不敬だ! とか言われて、身ぐるみ全部没収とかなったらどうするの!?」
サキさんは捲し立てる様にそう言うと、近くのソファに座る。
「ふふっ…ま、まぁいいわ。今のうちにこのソファの感触を確かめておかないと…」
…やり過ぎちゃったかもしれない…もうサキさんソファの上で体育座りしてるよ、どんだけ落ち込んでるの。
コンコンッ
「失礼します。お待たせしました。謁見の準備が整いましたのでついて来てください。」
0
お気に入りに追加
137
あなたにおすすめの小説

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
【BIO DEFENSE】 ~終わった世界に作られる都市~
こばん
SF
世界は唐突に終わりを告げる。それはある日突然現れて、平和な日常を過ごす人々に襲い掛かった。それは醜悪な様相に異臭を放ちながら、かつての日常に我が物顔で居座った。
人から人に感染し、感染した人はまだ感染していない人に襲い掛かり、恐るべき加速度で被害は広がって行く。
それに対抗する術は、今は無い。
平和な日常があっという間に非日常の世界に変わり、残った人々は集い、四国でいくつかの都市を形成して反攻の糸口と感染のルーツを探る。
しかしそれに対してか感染者も進化して困難な状況に拍車をかけてくる。
さらにそんな状態のなかでも、権益を求め人の足元をすくうため画策する者、理性をなくし欲望のままに動く者、この状況を利用すらして己の利益のみを求めて動く者らが牙をむき出しにしていきパニックは混迷を極める。
普通の高校生であったカナタもパニックに巻き込まれ、都市の一つに避難した。その都市の守備隊に仲間達と共に入り、第十一番隊として活動していく。様々な人と出会い、別れを繰り返しながら、感染者や都市外の略奪者などと戦い、都市同士の思惑に巻き込まれたりしながら日々を過ごしていた。
そして、やがて一つの真実に辿り着く。
それは大きな選択を迫られるものだった。
bio defence
※物語に出て来るすべての人名及び地名などの固有名詞はすべてフィクションです。作者の頭の中だけに存在するものであり、特定の人物や場所に対して何らかの意味合いを持たせたものではありません。

もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる