Koruseit world online〜魔力特化した私は体力10しかありません。なので幻術使ってどうにかしたいと思います〜

ゆうらしあ

文字の大きさ
上 下
3 / 57
第1章.始まり

1.パートナーとの出会い

しおりを挟む
 私は白い空間にいた。

「どこだろう? ここ?」
 私はとりあえず歩いてみる。30秒位歩いただろうか。そこには黒い卵のような物体が浮かんでいた。

「うわ、なんか汚そう。」
 だけど歩いた感じこれしかなかったし…。私はその黒い卵に触れてみた。すると


 パーーーンッ


 と卵が割れた。そこにいたのは、

「キヒヒッ!」
 と鳴き声を上げながら頭には触覚2本、背にはコウモリの様な翼が2対。背には三叉槍を背負っている悪魔の様な生物が生まれでた。

(よろしく!俺インプ!)

 わっ! すごい! 頭の中から声が聞こえて来るみたい! 

「私はスプリング。よろしくね、インプ!」

(インプ違う!名前ない。)
 インプは首を横に振る。

 なるほど…インプは種族って事か。
 すると空中に何かが浮かみ上がる。


 名前: 
 種族: インプ
 レベル: 1
 体力: 50
 SP:100

 ステータス:
 力: 5 防御: 0 敏捷: 5    魔力: 50 幸運: 0

 状態: 普通

 親交度:5

 スキル
 【魔力制御】Lv1 
 【闇魔術】Lv1
 【いたずら】Lv1

 加護
 魔の加護

 これがこの子のステータスって事?なんか異様に偏りすぎじゃない?これが普通なのかな?

 そう思っているとまた何か出てきた。

 そこには自分の職業が書いてあり、最初のステータスポイントが能力に振れるようだった。

 よかった、流石にこのまま出たら魔物とかに倒されちゃうよ。


 名前: スプリング
 種族: 人間(炎に認められし者)
 レベル: 1
 職業:幻術師
 体力: 10
 SP:100

 ステータス:
 力: 0 防御: 0 敏捷: 5    魔力: 90 幸運: 5

 状態: 普通

 スキル
 【魔力制御】Lv1 
 【影魔術】Lv1
 【鑑定】Lv1

 加護
 魔の加護


 …テヘペロ!体力10はやり過ぎちゃったかなぁ。いや、そこじゃないか!攻撃0、防御0って紙みたいなもんだなぁ。まぁ、なんとかなるでしょ。私が買ったゲームだから好きにやればいいのよ。私は頷きながら自分に暗示をかける。

 さーて、とりあえずはインプに名前を付けてあげよう!


(はやく! はやく!)


 んー、どうしようかなー? なるべく強そうな名前がいいよねー? インプは悪魔でしょ? 悪魔と言ったらサタンだけど…ありきたりねー。
 んー、悪魔悪魔…。あっ。

「ベリアルなんてどう?」
 私が言うと


(ベリアル! カッコいい名前! 俺ベリアル!)


「よかった気に入って貰えたみたいで!」
 人に喜んで貰えるってのは嬉しいものね!こんな気分久々!

私は自然と笑顔になる。


(スプリングいい顔! カワイイ!)


「ふふっ! ありがとう、ベリアル!」


 そんな会話をしていると、先程卵が割れたところから扉が現れた。


『一定以上の親交を深めました。Koruseit world onlineへの扉が開かれます。』
 そう聞こえた瞬間ギィーッと言う音が鳴り、扉が開いていく。


「ここをくぐれば良いのかな?」
 私はベリアルと一緒に扉をくぐった。


 目を開けると、そこは大きなステンドグラスがある教会の中だった。


「ようこそ。炎に認められし者よ。」
 そこには白髪のおじいちゃんが手を合わせ、私を迎えた。


「おじいちゃんは誰?ここはどこ?」
 私はすごい本当の人にしか見えない!と思いながらも、おじいちゃんに聞く。


「私の名はロザンと言います。しがない聖職者でございます。そしてここは始まりの街『アバール』にある教会でございます。」
 ロザンはそう言うと丁寧にお辞儀をしてきた。


「ロザンさん…始まりの街『アバール』。」
 私は情報を整理した。が、心の中では大興奮であった。
(やばい! VRやばい! こんな鮮明に見えていいの!? しかもこの人NPCって奴じゃないの? 受け答えがちゃんとし過ぎ!!)


「どうかなさいましたか?」


「いえ!なんでもないです!」
 元気に答える。私は背筋を正して言う。


「ふふっ。元気なお嬢さんだ。」
 ロザンは微笑み、しゃがんで私の頭を撫でてくる。


「え…。」
 私は改めて自分の体を見た。


「な、なんじゃこりゃー!!」
 私は縮んでいた。小さな手、足、プニプニとしたほっぺに、甲高い声!スベスベな肌は良いな…って違う違う!


(どうしたの?スプリング?)
 とベリアルが聞いてくる。


「ベリアルー。私の体が変わっちゃったー。」


(最初からスプリングはそうだったよ?)


「え?」
 でも会った時はまだ…もしかしてベリアルには最初からこの姿に見えてたって事?私が考えていると、


「これはこれは。驚きました…!貴方のパートナーはインプだったのですね!」
 ロザンが言う。


「へ?あ、はい。」


「なるほど…悪魔がパートナーとは…初めて見ますね。」


「え、そうなんですか?じゃあ他の人達はどのうようなパートナーなんですか?」


「1番多いパートナーで言うと、動物が多いですね。珍しい方だと魚という方も何名かいらっしゃいました。」


「へー、魚なんてどうやって戦うんだろ?」


「そこも、このゲームの面白い所ですよ?」
 と笑いながらロザンは言う。


「あれ?というか、ロザンさんNPCじゃないの?」
 この世界の事をゲームって言っちゃってるし。


「おや、バレてしまいましたか?ふふっ。最初のログイン時のみですけどね。そうして謎解きをして行くのも、このゲームでは大事になってきますよ。」
 ロザンさんは口角を上げる。


「なるほど、いいじゃん!それ!」
 私はその話を聞いて、教会から出ようとする。


「この教会から出た瞬間、私はNPCになるので今話した内容は覚えてませんからね。気をつけてください。」


 そうなんだ。じゃあ今のうちに何か聞いておこうかな?
「じゃあ、1つだけ質問していい?」


「限定的になら。」


「このゲームは私に癒しと刺激をくれるかな?」
 私がロザンに向かって言うとロザンは驚き、少し時間を置き、言った。


「…このゲームは、貴方に癒しと刺激を与えると私が保証いたします。」
 ロザンはこれまでにない程にニッコリ笑い言った。


「そうなんだ! ならいいや! ありがとう!!」
 私はそう言って、ベリアルと一緒に教会から出た。


「…面白い方達だ。こんな質問されたのなんて初めてですよ。」
 ロザンはそう言い残し、そこから消えた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

魔石と神器の物語 ~アイテムショップの美人姉妹は、史上最強の助っ人です!~

エール
ファンタジー
 古代遺跡群攻略都市「イフカ」を訪れた新進気鋭の若き冒険者(ハンター)、ライナス。  彼が立ち寄った「魔法堂 白銀の翼」は、一風変わったアイテムを扱う魔道具専門店だった。  経営者は若い美人姉妹。  妹は自ら作成したアイテムを冒険の実践にて試用する、才能溢れる魔道具製作者。  そして姉の正体は、特定冒険者と契約を交わし、召喚獣として戦う闇の狂戦士だった。  最高純度の「超魔石」と「充魔石」を体内に埋め込まれた不死属性の彼女は、呪われし武具を纏い、補充用の魔石を求めて戦場に向かう。いつの日か、「人間」に戻ることを夢見て――。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

強制フラグは、いりません! ~今いる世界が、誰かの二次小説の中だなんて思うかよ! JKと禁断の恋愛するなら、自力でやらせてもらうからっ!~

ハル*
ファンタジー
高校教師の俺。 いつもと同じように過ごしていたはずなのに、ある日を境にちょっとずつ何かが変わっていく。 テスト準備期間のある放課後。行き慣れた部室に向かった俺の目の前に、ぐっすり眠っているマネージャーのあの娘。 そのシチュエーションの最中、頭ん中で変な音と共に、俺の日常を変えていく声が聞こえた。 『強制フラグを、立てますか?』 その言葉自体を知らないわけじゃない。 だがしかし、そのフラグって、何に対してなんだ? 聞いたことがない声。聞こえてくる場所も、ハッキリしない。 混乱する俺に、さっきの声が繰り返された。 しかも、ちょっとだけ違うセリフで。 『強制フラグを立てますよ? いいですね?』 その変化は、目の前の彼女の名前を呼んだ瞬間に訪れた。 「今日って、そんなに疲れるようなことあったか?」 今まで感じたことがない違和感に、さっさと目の前のことを終わらせようとした俺。 結論づけた瞬間、俺の体が勝手に動いた。 『強制フラグを立てました』 その声と、ほぼ同時に。 高校教師の俺が、自分の気持ちに反する行動を勝手に決めつけられながら、 女子高生と禁断の恋愛? しかも、勝手に決めつけているのが、どこぞの誰かが書いている某アプリの二次小説の作者って……。 いやいや。俺、そんなセリフ言わないし! 甘い言葉だなんて、吐いたことないのに、勝手に言わせないでくれって! 俺のイメージが崩れる一方なんだけど! ……でも、この娘、いい子なんだよな。 っていうか、この娘を嫌うようなやつなんて、いるのか? 「ごめんなさい。……センセイは、先生なのに。好きに…なっちゃ、だめなのに」 このセリフは、彼女の本心か? それともこれも俺と彼女の恋愛フラグが立たせられているせい? 誰かの二次小説の中で振り回される高校教師と女子高生の恋愛物語が、今、はじまる。

アレク・プランタン

かえるまる
ファンタジー
長く辛い闘病が終わった と‥‥転生となった 剣と魔法が織りなす世界へ チートも特典も何もないまま ただ前世の記憶だけを頼りに 俺は精一杯やってみる 毎日更新中!

むしゃくしゃしてやった、後悔はしていないがやばいとは思っている

F.conoe
ファンタジー
婚約者をないがしろにしていい気になってる王子の国とかまじ終わってるよねー

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草

ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)  10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。  親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。  同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……── ※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました! ※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

処理中です...