Koruseit world online〜魔力特化した私は体力10しかありません。なので幻術使ってどうにかしたいと思います〜

ゆうらしあ

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第1章.始まり

1.パートナーとの出会い

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 私は白い空間にいた。

「どこだろう? ここ?」
 私はとりあえず歩いてみる。30秒位歩いただろうか。そこには黒い卵のような物体が浮かんでいた。

「うわ、なんか汚そう。」
 だけど歩いた感じこれしかなかったし…。私はその黒い卵に触れてみた。すると


 パーーーンッ


 と卵が割れた。そこにいたのは、

「キヒヒッ!」
 と鳴き声を上げながら頭には触覚2本、背にはコウモリの様な翼が2対。背には三叉槍を背負っている悪魔の様な生物が生まれでた。

(よろしく!俺インプ!)

 わっ! すごい! 頭の中から声が聞こえて来るみたい! 

「私はスプリング。よろしくね、インプ!」

(インプ違う!名前ない。)
 インプは首を横に振る。

 なるほど…インプは種族って事か。
 すると空中に何かが浮かみ上がる。


 名前: 
 種族: インプ
 レベル: 1
 体力: 50
 SP:100

 ステータス:
 力: 5 防御: 0 敏捷: 5    魔力: 50 幸運: 0

 状態: 普通

 親交度:5

 スキル
 【魔力制御】Lv1 
 【闇魔術】Lv1
 【いたずら】Lv1

 加護
 魔の加護

 これがこの子のステータスって事?なんか異様に偏りすぎじゃない?これが普通なのかな?

 そう思っているとまた何か出てきた。

 そこには自分の職業が書いてあり、最初のステータスポイントが能力に振れるようだった。

 よかった、流石にこのまま出たら魔物とかに倒されちゃうよ。


 名前: スプリング
 種族: 人間(炎に認められし者)
 レベル: 1
 職業:幻術師
 体力: 10
 SP:100

 ステータス:
 力: 0 防御: 0 敏捷: 5    魔力: 90 幸運: 5

 状態: 普通

 スキル
 【魔力制御】Lv1 
 【影魔術】Lv1
 【鑑定】Lv1

 加護
 魔の加護


 …テヘペロ!体力10はやり過ぎちゃったかなぁ。いや、そこじゃないか!攻撃0、防御0って紙みたいなもんだなぁ。まぁ、なんとかなるでしょ。私が買ったゲームだから好きにやればいいのよ。私は頷きながら自分に暗示をかける。

 さーて、とりあえずはインプに名前を付けてあげよう!


(はやく! はやく!)


 んー、どうしようかなー? なるべく強そうな名前がいいよねー? インプは悪魔でしょ? 悪魔と言ったらサタンだけど…ありきたりねー。
 んー、悪魔悪魔…。あっ。

「ベリアルなんてどう?」
 私が言うと


(ベリアル! カッコいい名前! 俺ベリアル!)


「よかった気に入って貰えたみたいで!」
 人に喜んで貰えるってのは嬉しいものね!こんな気分久々!

私は自然と笑顔になる。


(スプリングいい顔! カワイイ!)


「ふふっ! ありがとう、ベリアル!」


 そんな会話をしていると、先程卵が割れたところから扉が現れた。


『一定以上の親交を深めました。Koruseit world onlineへの扉が開かれます。』
 そう聞こえた瞬間ギィーッと言う音が鳴り、扉が開いていく。


「ここをくぐれば良いのかな?」
 私はベリアルと一緒に扉をくぐった。


 目を開けると、そこは大きなステンドグラスがある教会の中だった。


「ようこそ。炎に認められし者よ。」
 そこには白髪のおじいちゃんが手を合わせ、私を迎えた。


「おじいちゃんは誰?ここはどこ?」
 私はすごい本当の人にしか見えない!と思いながらも、おじいちゃんに聞く。


「私の名はロザンと言います。しがない聖職者でございます。そしてここは始まりの街『アバール』にある教会でございます。」
 ロザンはそう言うと丁寧にお辞儀をしてきた。


「ロザンさん…始まりの街『アバール』。」
 私は情報を整理した。が、心の中では大興奮であった。
(やばい! VRやばい! こんな鮮明に見えていいの!? しかもこの人NPCって奴じゃないの? 受け答えがちゃんとし過ぎ!!)


「どうかなさいましたか?」


「いえ!なんでもないです!」
 元気に答える。私は背筋を正して言う。


「ふふっ。元気なお嬢さんだ。」
 ロザンは微笑み、しゃがんで私の頭を撫でてくる。


「え…。」
 私は改めて自分の体を見た。


「な、なんじゃこりゃー!!」
 私は縮んでいた。小さな手、足、プニプニとしたほっぺに、甲高い声!スベスベな肌は良いな…って違う違う!


(どうしたの?スプリング?)
 とベリアルが聞いてくる。


「ベリアルー。私の体が変わっちゃったー。」


(最初からスプリングはそうだったよ?)


「え?」
 でも会った時はまだ…もしかしてベリアルには最初からこの姿に見えてたって事?私が考えていると、


「これはこれは。驚きました…!貴方のパートナーはインプだったのですね!」
 ロザンが言う。


「へ?あ、はい。」


「なるほど…悪魔がパートナーとは…初めて見ますね。」


「え、そうなんですか?じゃあ他の人達はどのうようなパートナーなんですか?」


「1番多いパートナーで言うと、動物が多いですね。珍しい方だと魚という方も何名かいらっしゃいました。」


「へー、魚なんてどうやって戦うんだろ?」


「そこも、このゲームの面白い所ですよ?」
 と笑いながらロザンは言う。


「あれ?というか、ロザンさんNPCじゃないの?」
 この世界の事をゲームって言っちゃってるし。


「おや、バレてしまいましたか?ふふっ。最初のログイン時のみですけどね。そうして謎解きをして行くのも、このゲームでは大事になってきますよ。」
 ロザンさんは口角を上げる。


「なるほど、いいじゃん!それ!」
 私はその話を聞いて、教会から出ようとする。


「この教会から出た瞬間、私はNPCになるので今話した内容は覚えてませんからね。気をつけてください。」


 そうなんだ。じゃあ今のうちに何か聞いておこうかな?
「じゃあ、1つだけ質問していい?」


「限定的になら。」


「このゲームは私に癒しと刺激をくれるかな?」
 私がロザンに向かって言うとロザンは驚き、少し時間を置き、言った。


「…このゲームは、貴方に癒しと刺激を与えると私が保証いたします。」
 ロザンはこれまでにない程にニッコリ笑い言った。


「そうなんだ! ならいいや! ありがとう!!」
 私はそう言って、ベリアルと一緒に教会から出た。


「…面白い方達だ。こんな質問されたのなんて初めてですよ。」
 ロザンはそう言い残し、そこから消えた。
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