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四方山日記
テロルに愉快犯
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俺達は、西脇先輩に勧められ、椅子に座っていた。西脇先輩と橋田の他に新聞部の部員はいなかった。学校祭準備のため、方々に駆り出されているらしい。
学校祭の出し物では、部活の展示や模擬店だけでなく、クラス展示に加えて、体育祭の方でも、一年二年三年が合同となって群団と呼ばれる八つの組に分かれ、各群団が、マスコットと呼ばれる大きなハリボテ、ハリボテというには申し訳ないぐらい立派な作品、を製作することになっている。
そんなわけで生徒各位は何らかの実行委員についていることが多く、俺のように、役職のない人間の方が珍しい。
閑話休題。
俺達と同じように席に着いた西脇先輩は、手を組み、その上に顎をのせて、幾分か神妙な面持ちになった。
「で、山岳部諸君、どういうふうにアプローチする気だい?」
そういう、西脇先輩に対し、雄清が答えた。
「そうですね、まずお互いの持っている情報を共有しましょうか。事実確認です」
以下、俺たちが交わした会話を交えて、情報の整理だ。
佐藤と橋田は今日の朝、選挙管理委員室に入り、備品のチェックを行った。佐藤はそこで、処分されたはずの前期選挙の投票用紙を見つける。
「実物を持ってきてくれないか」
雄清にそういわれた佐藤は、選挙管理委員室へと向かった。佐藤が戻ってくる間、雄清が西脇先輩に、前期選挙で五十の票が無効票であったことを伝えた。
選挙管理委員室は新聞部部室とそれほど離れていないらしく、佐藤はすぐに戻ってきた。手に持つビニール袋のなかには、たくさんの紙切れが入っている。すべての投票用紙を持ってきたらしい。
俺は佐藤が持ってきた投票用紙を見て、少し驚きを覚えた。投票用紙の余りがあった、と言われていたから、てっきりそれは白票だと思っていたのだ。だが、見せられたのは白票ではなく、記入済みの投票用紙だった。
「ちゃんと記載してあるやつなんだな」
俺は五十枚ある用紙のひとつを手に取り、何気なくひっくり返しては見て、誰に聞くまでもなく言った。
「言ってなかったっけ? というか無効票が五十なら、すり替えられた方に何か書いてあったというのは自然じゃない?」
と佐藤が反応する。
それもそうか。
そして会長職のみがあの井上奏太会長閣下の一人出馬であったので、信任不信任投票だったのを思い出す。他の三つの役職はどれも二人が出馬している。
記載済みの投票用紙とすり替えられた無効票か。
なるほど、いよいよ怪しいな。雄清が伝え聞いた、無効票というものがいったいどういう類いのものだったのか、今となってはわからないが、誰かが意図的にすり替えたという線は濃厚だ。
だがしかしなあ……。
俺がこの事件がそもそも何を目的として引き起こされたのか甚だ不可解であった。いや、分かる。この事件に大した意味なんて存在するはずがないのだ。言うなれば、こんな意味のないことのために、犯人はどうして労力を費やしたのか、ということが気がかりだった。
ところが、他の奴らは、まるでこの事に何か重要な意義、犯人の強い意志を見いだそうとしているらしい。
「犯人はきっとライバルを落選させようとしたんだわ」
と佐藤。
「そうすると犯人は選挙で不利な情勢にあった人だろうね。選管の方で前期選挙の得票率は調べられるかい?」
と雄清。
「でも、それってターゲットが副会長以下、会長以外の三人の誰かだったということになるよね。会長がターゲットではなかったとは言い切れないんじゃないかな」
と橋田。
「そうするとやっかみということになるんでしょうか。井上会長の他に立候補者はいなかったと聞いておりますし、今期で五期目の当選となりますから。誰かが妬んでやったということになりますよね」
と綿貫。
なぜ明らかにおかしなことがあるのにこいつらは気がつかないのだろうか。西脇先輩も何も言わない。
……。
「どうしたの太郎、黙り込んじゃって」
雄清が俺の顔を覗き込んでくる。
いつものことじゃない、と佐藤は軽く流す。それはそうなんだが。
これは、俺が頭を使ってまで、取り組まなくてはならない問題なのだろうか。無意味なことに拘泥するのは俺の趣味ではない。
だが……綿貫はそれを許さないだろうな。部誌のことがなくともここまで来た以上逃がしてはくれまい。責任放棄は最も忌憚するものだから。
仕方ない。
俺は咳払いをして話し出す。
「……ひとつ聞きたいんだが、信任不信任投票で、仮に信任票が過半数に達しなかった場合どうなるんだ?」
「……一応生徒会の規定では、選挙やり直しになるけど」
執行委員である雄清は俺の問いに淀むことなく答えた。
「もうひとつ、これは俺の考えなんだが、もし仮に犯人が何か目的を持っていたとして、その標的が立候補者であったとするならば、それは生徒会長で間違いない」
俺は到底あり得ないと思いながら、仮説を話す。
「どうして」
多方向からの一斉射撃を食らった。
どうして、か。名門進学校、神宮も落ちるところまで落ちたらしいな。
「……佐藤の持ってきた投票用紙を見るに、これは無差別に引き抜かれたものだと分かる。どの候補者の枠を見ても、票がバラバラだ。つまり特定の票を選んで抜き出したわけではないようだ。五十票無差別に引き抜いたら、候補者双方の票を減らすことになる」
それは、無意味というものだ。
「ああそうか。その点会長は、信任不信任だから、投票用紙を適当に引き抜けば確実に信任票を減らせるわけだな」
そう。だが、……
「だが、それでもだ。それは犯人の真意ではない」
そこで言葉を切った俺に四人は先を促す。
「冷静に考えてくれ。うちの高校の全生徒数は何人だ?」
「千人強かな」
「それで俺はよく知らないんだが、井上会長の得票率というのはそれほど低くないんだろう」
「たしか九割って聞いてるよ」
「……つまりだぞ、過半数を割らせるためには、……圧倒的に足りないんだよ。五十票ごときじゃ」
少なくとも、半分近くは入れ換えないと選挙の結果は変わらない。そして、さすがにそんなことをすればいくらなんでもおかしいと気が付くはずだ。
「じゃあ、犯人はなんのためにそんなことを」
雄清は困惑した顔で言った。何となく予想はできたがさすがに断定しようがない。
「アナーキストなんじゃないか」
西脇先輩がいう。生徒会選挙ごときで無政府主義を発揮してもらっても反応に困るだけなんだが。
「つまりこれはテロルってことなんでしょうか」
雄清が調子を合わせる。また随分と大袈裟なことをいう。大体、犯人は暴力行為に及んでいないではないか。
俺の予想は、こんな感じだろうか。いくらこんな馬鹿げたことをする犯人でも、五十票で何かが変わる訳がないことぐらいさすがに気が付くだろう。つまり、犯人は憂さ晴らしに近いような感覚でことに及んだのだろう。
これはテロ行為ではなくて、単なるお騒がせ野郎の自慰行為に過ぎない。随分と幼稚でみみっちいが。
さすがに、女子の前でその台詞を吐くのは躊躇《ためら》われた。他に、もっと言いようがあるはずなんだが。こういう犯人のことをなんというのだろうか。喉元まででかかっているのに、度忘れして出てこない。
俺がもどかしい思いをしていると、佐藤がすんなり解決してくれた。
「テロルっていうより愉快犯でしょ」
そうそれだ。
珍しく、佐藤と俺の意見が一致した。
「まあ、綿貫が言ったように、会長を妬《ねた》んでいたというのはあるかもしれんがな。なんにせよ幼稚でしょうもないやつには相違ない」
「はっきり言うねえ」
西脇先輩は俺の目をじっと見ていった。
「ええ。大体、そいつには大それたことをする勇気なんてないんですよ。だから、誰の目にもつかないところで、こっそり票を入れ換えることしかできない。それも選挙に影響しないような数の票を。おそらくは生徒会役員選挙にも立候補もできないような小心者なんですよ。俺はちょっと、井上先輩と関係があるので、言えますが、あの人はよい人だと思います」
俺はそう直感したし、萌菜先輩が信奉するぐらいだ。
俺は続ける。
「強い光には暗い影ができるんです。井上会長が優秀すぎるから、妬む人もいるんだと思いますよ」
いい終えたところで、ふと西脇先輩を見ると、少し様子がおかしかった。額に脂汗をにじませ、顔色が悪い。
「先輩大丈夫ですか?」
橋田が西脇先輩に声をかける。
「昼に食べたものが傷んでたみたいだ。トイレにいってくる。悪いけど山岳部の皆さんには帰ってもらっといて」
そう西脇先輩は告げ部室をあとにした。
「まだ暑いからお弁当が傷んでたのかもね」
と雄清が何気なくいった。
長居するのも悪いので、俺たちは新聞部の部室をあとにした。
山岳部の部室に戻ってきて、俺は何かを忘れている気がした。
そもそも俺たちは何で新聞部にいたんだっけ?
入り口のところで立ち止まり、呆けたように考え事をして、佐藤に邪魔だと押し退けられたときに、俺は本来の目的を思い出した。
「おい、過去記事のバックナンバーは」
俺がそういうと、三人ともあっ、という顔をする。揃いも揃って俺たちは間抜けらしい。
「明日でいいんじゃない。もうすぐ下校時刻だ」
九月上旬でさすがに外はまだ明るいが、下校時刻を過ぎる前に校内から出ないと指導部が色々うるさい。
「仕方ないな」
その日は解散ということになり、各々帰り支度をして帰途に就いた。
学校祭の出し物では、部活の展示や模擬店だけでなく、クラス展示に加えて、体育祭の方でも、一年二年三年が合同となって群団と呼ばれる八つの組に分かれ、各群団が、マスコットと呼ばれる大きなハリボテ、ハリボテというには申し訳ないぐらい立派な作品、を製作することになっている。
そんなわけで生徒各位は何らかの実行委員についていることが多く、俺のように、役職のない人間の方が珍しい。
閑話休題。
俺達と同じように席に着いた西脇先輩は、手を組み、その上に顎をのせて、幾分か神妙な面持ちになった。
「で、山岳部諸君、どういうふうにアプローチする気だい?」
そういう、西脇先輩に対し、雄清が答えた。
「そうですね、まずお互いの持っている情報を共有しましょうか。事実確認です」
以下、俺たちが交わした会話を交えて、情報の整理だ。
佐藤と橋田は今日の朝、選挙管理委員室に入り、備品のチェックを行った。佐藤はそこで、処分されたはずの前期選挙の投票用紙を見つける。
「実物を持ってきてくれないか」
雄清にそういわれた佐藤は、選挙管理委員室へと向かった。佐藤が戻ってくる間、雄清が西脇先輩に、前期選挙で五十の票が無効票であったことを伝えた。
選挙管理委員室は新聞部部室とそれほど離れていないらしく、佐藤はすぐに戻ってきた。手に持つビニール袋のなかには、たくさんの紙切れが入っている。すべての投票用紙を持ってきたらしい。
俺は佐藤が持ってきた投票用紙を見て、少し驚きを覚えた。投票用紙の余りがあった、と言われていたから、てっきりそれは白票だと思っていたのだ。だが、見せられたのは白票ではなく、記入済みの投票用紙だった。
「ちゃんと記載してあるやつなんだな」
俺は五十枚ある用紙のひとつを手に取り、何気なくひっくり返しては見て、誰に聞くまでもなく言った。
「言ってなかったっけ? というか無効票が五十なら、すり替えられた方に何か書いてあったというのは自然じゃない?」
と佐藤が反応する。
それもそうか。
そして会長職のみがあの井上奏太会長閣下の一人出馬であったので、信任不信任投票だったのを思い出す。他の三つの役職はどれも二人が出馬している。
記載済みの投票用紙とすり替えられた無効票か。
なるほど、いよいよ怪しいな。雄清が伝え聞いた、無効票というものがいったいどういう類いのものだったのか、今となってはわからないが、誰かが意図的にすり替えたという線は濃厚だ。
だがしかしなあ……。
俺がこの事件がそもそも何を目的として引き起こされたのか甚だ不可解であった。いや、分かる。この事件に大した意味なんて存在するはずがないのだ。言うなれば、こんな意味のないことのために、犯人はどうして労力を費やしたのか、ということが気がかりだった。
ところが、他の奴らは、まるでこの事に何か重要な意義、犯人の強い意志を見いだそうとしているらしい。
「犯人はきっとライバルを落選させようとしたんだわ」
と佐藤。
「そうすると犯人は選挙で不利な情勢にあった人だろうね。選管の方で前期選挙の得票率は調べられるかい?」
と雄清。
「でも、それってターゲットが副会長以下、会長以外の三人の誰かだったということになるよね。会長がターゲットではなかったとは言い切れないんじゃないかな」
と橋田。
「そうするとやっかみということになるんでしょうか。井上会長の他に立候補者はいなかったと聞いておりますし、今期で五期目の当選となりますから。誰かが妬んでやったということになりますよね」
と綿貫。
なぜ明らかにおかしなことがあるのにこいつらは気がつかないのだろうか。西脇先輩も何も言わない。
……。
「どうしたの太郎、黙り込んじゃって」
雄清が俺の顔を覗き込んでくる。
いつものことじゃない、と佐藤は軽く流す。それはそうなんだが。
これは、俺が頭を使ってまで、取り組まなくてはならない問題なのだろうか。無意味なことに拘泥するのは俺の趣味ではない。
だが……綿貫はそれを許さないだろうな。部誌のことがなくともここまで来た以上逃がしてはくれまい。責任放棄は最も忌憚するものだから。
仕方ない。
俺は咳払いをして話し出す。
「……ひとつ聞きたいんだが、信任不信任投票で、仮に信任票が過半数に達しなかった場合どうなるんだ?」
「……一応生徒会の規定では、選挙やり直しになるけど」
執行委員である雄清は俺の問いに淀むことなく答えた。
「もうひとつ、これは俺の考えなんだが、もし仮に犯人が何か目的を持っていたとして、その標的が立候補者であったとするならば、それは生徒会長で間違いない」
俺は到底あり得ないと思いながら、仮説を話す。
「どうして」
多方向からの一斉射撃を食らった。
どうして、か。名門進学校、神宮も落ちるところまで落ちたらしいな。
「……佐藤の持ってきた投票用紙を見るに、これは無差別に引き抜かれたものだと分かる。どの候補者の枠を見ても、票がバラバラだ。つまり特定の票を選んで抜き出したわけではないようだ。五十票無差別に引き抜いたら、候補者双方の票を減らすことになる」
それは、無意味というものだ。
「ああそうか。その点会長は、信任不信任だから、投票用紙を適当に引き抜けば確実に信任票を減らせるわけだな」
そう。だが、……
「だが、それでもだ。それは犯人の真意ではない」
そこで言葉を切った俺に四人は先を促す。
「冷静に考えてくれ。うちの高校の全生徒数は何人だ?」
「千人強かな」
「それで俺はよく知らないんだが、井上会長の得票率というのはそれほど低くないんだろう」
「たしか九割って聞いてるよ」
「……つまりだぞ、過半数を割らせるためには、……圧倒的に足りないんだよ。五十票ごときじゃ」
少なくとも、半分近くは入れ換えないと選挙の結果は変わらない。そして、さすがにそんなことをすればいくらなんでもおかしいと気が付くはずだ。
「じゃあ、犯人はなんのためにそんなことを」
雄清は困惑した顔で言った。何となく予想はできたがさすがに断定しようがない。
「アナーキストなんじゃないか」
西脇先輩がいう。生徒会選挙ごときで無政府主義を発揮してもらっても反応に困るだけなんだが。
「つまりこれはテロルってことなんでしょうか」
雄清が調子を合わせる。また随分と大袈裟なことをいう。大体、犯人は暴力行為に及んでいないではないか。
俺の予想は、こんな感じだろうか。いくらこんな馬鹿げたことをする犯人でも、五十票で何かが変わる訳がないことぐらいさすがに気が付くだろう。つまり、犯人は憂さ晴らしに近いような感覚でことに及んだのだろう。
これはテロ行為ではなくて、単なるお騒がせ野郎の自慰行為に過ぎない。随分と幼稚でみみっちいが。
さすがに、女子の前でその台詞を吐くのは躊躇《ためら》われた。他に、もっと言いようがあるはずなんだが。こういう犯人のことをなんというのだろうか。喉元まででかかっているのに、度忘れして出てこない。
俺がもどかしい思いをしていると、佐藤がすんなり解決してくれた。
「テロルっていうより愉快犯でしょ」
そうそれだ。
珍しく、佐藤と俺の意見が一致した。
「まあ、綿貫が言ったように、会長を妬《ねた》んでいたというのはあるかもしれんがな。なんにせよ幼稚でしょうもないやつには相違ない」
「はっきり言うねえ」
西脇先輩は俺の目をじっと見ていった。
「ええ。大体、そいつには大それたことをする勇気なんてないんですよ。だから、誰の目にもつかないところで、こっそり票を入れ換えることしかできない。それも選挙に影響しないような数の票を。おそらくは生徒会役員選挙にも立候補もできないような小心者なんですよ。俺はちょっと、井上先輩と関係があるので、言えますが、あの人はよい人だと思います」
俺はそう直感したし、萌菜先輩が信奉するぐらいだ。
俺は続ける。
「強い光には暗い影ができるんです。井上会長が優秀すぎるから、妬む人もいるんだと思いますよ」
いい終えたところで、ふと西脇先輩を見ると、少し様子がおかしかった。額に脂汗をにじませ、顔色が悪い。
「先輩大丈夫ですか?」
橋田が西脇先輩に声をかける。
「昼に食べたものが傷んでたみたいだ。トイレにいってくる。悪いけど山岳部の皆さんには帰ってもらっといて」
そう西脇先輩は告げ部室をあとにした。
「まだ暑いからお弁当が傷んでたのかもね」
と雄清が何気なくいった。
長居するのも悪いので、俺たちは新聞部の部室をあとにした。
山岳部の部室に戻ってきて、俺は何かを忘れている気がした。
そもそも俺たちは何で新聞部にいたんだっけ?
入り口のところで立ち止まり、呆けたように考え事をして、佐藤に邪魔だと押し退けられたときに、俺は本来の目的を思い出した。
「おい、過去記事のバックナンバーは」
俺がそういうと、三人ともあっ、という顔をする。揃いも揃って俺たちは間抜けらしい。
「明日でいいんじゃない。もうすぐ下校時刻だ」
九月上旬でさすがに外はまだ明るいが、下校時刻を過ぎる前に校内から出ないと指導部が色々うるさい。
「仕方ないな」
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