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9 今度こそ起きました?*
しおりを挟む暗闇に無数の仮面が浮かびあがりニタニタと笑いながら近づき囲まれあちこちから笑い声がし耳を塞ぎたくなる
やだ!来ないで!!!!!
いや!!!!!オオカミさん助けて!!!!!
動けない。だんだんと錘が着いたようにように体が重くなる
もう、やだ。オオカミさん…
「…ぃ…ぶ…」
だれ?
「大丈夫だから」
その声にホッとすると。優しい温もりが体を包み込まれると、少しづつ周りが明るくなり仮面も笑い声も消え去っていった。
……なんだろ?
頭、撫でられてる?
その気持ち良さに口元が緩む。
頬を撫でられ心地よくてスリスリと頬擦りすると、手は一瞬ビクッとなったが逃げずにじっとしてくれていてた。
この温もりすごく、ホッとする
「…くすぐったいよ」
やっぱり、オオカミさん
さらに擦り付けてみる。
触れたら胸の中がほわっと暖かくなる。
このままずっといたいな
「うん。僕もだよ」
ホントに?嬉しいな…
ふわりと唇に柔らかい感触が落ちて、直ぐに離れる。
あ、また、唇に落ちてきた。
…きもちいい。
だんだんと唇に触れる間隔が狭まっていく。もっとして欲しくて、触れた瞬間に唇で挟んでみた。
ピクッと動いたと思うと優しく唇を割って入り込んでくる。
んっ ふぁっ
ゆめ……夢?
あまりにリアル過ぎる感触に……
一-!!!
パチッと目を開くと目の前には、オオカミさん。鼻と鼻がくっついていて
近い……どアップ
「おはよ。赤頭巾。よく寝れた?……体は辛くない?」
「……だいじょうぶ」
起き抜けのアタマがついてこない上に唇がまだ微かに触れるか触れないかの距離に心臓が飛び出そうになり、さらに脈もどんどん早くなる。
それなのに、強く抱きしめられ引き寄せられた。
「赤頭巾、ごめんね。恐い思いさせて。もっと早くに助けてあげたかったんだど…」
申し訳なさそうに謝る。
忘れていた感覚が思い出されゾワッと身震いした。
それに気づいたのかまた苦しそうな顔で謝る。
「ごめんね」
「違う!オオカミさんは何も!!だって助けてくれたじゃない!!!謝ることなんてない!」
「ありがとう。オオカミさん」
言いながら、上を見上げ悲しみに曇るオオカミさんの頬に手を添えそっと口付けた。
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