赤頭巾ちゃん

mare

文字の大きさ
7 / 28

7 おばあちゃんの隠し部屋2

しおりを挟む
私はここで死ぬのかな……?
ぼんやりそんなことを考えた。
首を絞められ苦しいが、夢心地のせいか遠い世界のようでそんなに恐怖はない。

最後にオオカミさんに会いたかったな。
優しい笑顔を思い出す。


「それ以上は、死んでしまいます。」
不意に聞き覚えのある声が聞こえる。

そう言われハッとなり男は、掴んでいた手を離す。

「グッ!ゲホッ!ゲホッ!!!」

止まっていた空気が一気に入り込んだせいでむせ込む。

「ゲホッ……」

「あぁ、すまない。赤頭巾…お前が裏切ったのかと思ったんだが…。そんな事はありえない。ずっとずっと見守っていたのだから…」

見守っ?
今は、そんな言葉は、どうでもいい。
その前に止めに入った声…あれは、オオカミさん?

声があった方にどうにか目を向ける。
寝台の横に膝まづいている人がいた。
また、この人も全身を布で覆われていて男か女かどちらか分からない。

でも、さっきの声は…布で声がくぐもっていたけど……オオカミさん。だよね?

「いつの間にいたのだ。まぁ、殺さずに済んだから良かったが。ほら、下がれ!」

「申し訳ありません。オババ様から先に果実酒を飲んでから事をいたして頂くようにと…。」

男は、分かった分かったと軽く返事をし、受け取った果実酒を一息に飲み干し杯を渡すと邪魔だと追い払う。

軽く頭を下げ立ち上がりそのまま後ろへスっと下がっていく。

待って!ねぇ!オオカミさんよね?
お願い!置いていかないで!!

その人に必死で手を伸ばしているが、実際は目を向けているだけ。
顎を捕まれ男の方に目線が戻る。
ゆっくりゆっくりと男の顔が落ちてくる。

一一一!!!!!


ドサッ…

男は、赤頭巾の上落ちたまま動かない。

「ちっ、やっと寝たわね」
ため息混じりの苛立った女の人の声が聞こえた。

なに?

「早くとがしてよ。コイツ!」

他に誰かいるのか、命令通り上にのしかかっていた男がどかされ、ゆっくりと抱き起こされた。
布を被った姿の人が2人

「……遅くなってごめんね。赤頭巾」

抱き起こしてくれている人が布を取って顔を見せた。

オオカミさん!

声は出ないが嬉しさがこみあげてくる。

「まだ、薬が効いているからこれ飲んで」
「んっ…」

オオカミさんの口から運ばれた液体を飲むと次第に意識が遠のいて行った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

処理中です...