…恐れるのは正しいか?

レキ

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2巻

第4章・あたしの女神

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あたしには秘密があった。
偶然が運命を切り開いた、この温かい思い出は、一生の宝物になっていた。
出会った日、泣くあたしが母の遺品を手に持ちながら、近づいたのは彼女だった。
あたしの鼻は、その控えめで甘い香りを忘れることはないだろう。
小さな手であたしの髪を撫で、無条件の愛であたしの心を温めてくれた彼女は、間違いなく女神に最も近い存在でした。
「悲しまないで。一人じゃないよ」それは、ふわふわの猫耳を持つ少女の心地よさだった。
背後で、白い翼を持つ仲間が微笑んでた。あたしも彼女も少女を尊敬していたので、彼女を理解できる仲間になるだろう。
「お名前は?…」涙を流しても、あたしの好奇心は止まらなかった。
「私?ヌグです」
「ヌギちゃまか…」
「いいえ、ヌグです」あたしが聞き間違えたと思った。
「ありがとう、ヌギちゃま」
「わざとか!?ヌグだと言っているよ!」すぐに怒って、あたしを離した。
それでもあたしはしがみつき、いない時間でも、彼女にしがみつき続けるだろう。

彼女の家の前で、呼び鈴を押しながら踊り、口笛を吹きながら鏡で髪を梳かした。
赤い猫耳のついた短いジップアップのフード付きスウェット、短い日焼けしたジーンズ、猫柄の靴下、金のトレーナーを着ていた。
「だ・誰?」と、ドアの向こうからおどけて聞いてきた。
「ヌギちゃま♪あたしだよ♪開けて、遊ぼうよ♪」と嬉しそうに答えた。
「何回来るつもりだ!?」
「1日2回しか来ないじゃないか♪」口笛を言い訳にした。
「入れてあげて、友達を作った法がいいよ、ヌグ」と、フォッレトがアドバイスした。
「もっといい友達がいるだろう」と、冷たい口調で訴えた。
「ラミアちゃん、いらっしゃい。思う存分遊んでください」フォレットが微笑みながら、ドアを開けた。
視線が合うと、あたしの笑顔が大きくなり、ヌギはこれから起こることを悟り、震えて逃げ出した。
「ヌギちゃま、どこに行くの♪?遊ぼうよ♪」彼女を抱きかかえるように追いかけた。
「嫌、嫌、嫌、嫌!!誰か助けて!!」と叫びながら、2階まで這い上がってきた。
それがあたしたちの日課となり、慌ただしくも楽しい日々を過ごしていた。

暗くなり、ヌギが寝静まる時に、普段にフォレットだけと食堂でコーヒーを飲んだ。
その夜は雨が降っていた。水しぶきの響きが心地よかった。
「ラミアちゃん、ヌグと遊んでくれてありがとう」
「いや、おかげさまで。あなたがいなかったら、窓から侵入していたかも知れない♪」
「大したものは提供できないが、ラミアちゃんにぴったりだと思うので、試してみてはどうだろう?」微笑みながら、黄色と黒のチェックのワンピースを渡してくれた。
「本当に持っていていいの?」普段プレゼントをもらうことがないので、嬉しかった。
うなずき、あたしはすぐに立ち上がって服を脱ぎ、試してみた。
「あらら、ここで着替えて構わないの?」
「なんで?」母親と一緒に貧乏暮らしをしていたから、あたしにとっては普通だった。
「ムゴンは真逆だ。美しい体が持ってるね」下着姿のあたしを見て、褒めてくれた。
「本当♪?」緊張して口笛を吹いた。普段、誰も褒められなかったから。
「もちろんだ」あたしの後ろからやってきて。「手を貸してあげるから、腕を上げて」
「ありがとう♪」
まるで母親のような、優しさが溢れすぎていた。その場が気まずくなったのは、彼女が手を滑らせてあたしのブラジャーの下に左手を滑り込ませたときだ。
「想像以上に大きいだね」とつぶやくと、右手で私の尻をつかんだ。
「何を…?」ゾクゾクするほどエレガントに触られた。
「力を抜いて、服の寸法を測っているんだよ、へへ」いたずらっぽく笑った。
「こんな風に計るの?…」彼女の指があたしの陰部に突っ込まれるのを感じ、震えた。
瞬時にあたしの隅々まで触れ、敏感な体を感じた。過去に経験した嫌なこととは違い、彼女のやり方は心地よく、快感を覚えた。
「また休憩が必要だったら教えてね」と呟き、さらに:「今洗って、明日には返すね」あたしのパンティーを脱がせながらウインクした。
「ごめん…」水たまりを踏んだ足が、まるで雨漏りのせいのように冷たく感じた。
雨の音と、重荷を下ろした安堵感が一致した。
はっきりしたのは、悪意を持ってやっているのではないということだった。
下着をつけずに帰宅するのは不思議なもので、もう何もつけないようにしようかと思ったくらい。

「しっぽでお小遣い稼ぎをしないか?多くの人が興味を持つだろう」
「危険だよ…フォレットなら怖くないの?」
「でも、少量であれば安全ですよね?」
その部分が怖くて、自分の人生を壊してしまったから、事故を起こすのを避けていた。
「少量?」
「ええ、あたくしと試してみる?へへ」
「ぇ…」彼女の大胆さにドキドキした。ぎこちなく口笛を吹きながら、視線を交錯させないように目線を振り子にした。「ここで?二階でヌグが寝ているのに?」と言い訳をした。
返事を聞いて、フォレットは微笑んだ:
「それはわくわくと思わないか?へへ」自然で挑発的な声は、褒めるものだった。
初めて、自分の体とは別に、自分のしっぽがヌギのように緊張していることに気がついた。
自分を解放していたあたしとは違う、彼女の大人っぽさ、自由さに気づかされた。

窓の向こうで夜風が吹いていた。
いつものように、ヌギはすでに自室で休んでいた。
あたしが考案したカードゲームの最中で、それぞれ自分のカップを持っていた。
「ヌグと一緒に暮らしたいですか?」とフォレットは尋ねた。
「どこにサインすればいいんだ!?」あたしは興奮気味に言った。「でも、彼女はしたくないだろうね♪」
≪なんでそんな質問を?≫ムゴンは、フォッレトに含まれていないことに驚いていた。
彼女は頻繁にため息をつき、テーブルに手を置いたまま人差し指でテーブルを引っ掻くなど、奇妙な行動をとっていた:
「しばらく出て行くから、彼女のためにも距離を置いてくれないか?…」
それを聞いたあたしの心は飛び、再び本能的に立ち上がったあたしは、椅子を床に投げ捨てた。
「彼女を一人にするって!?」手のひらをテーブルに叩きつけた。「ヌグが嫌いなの!?」
悔しそうに、フォッレトは飲み込み、決意して目を閉じたり開いたりした。
ムゴンはまだ何を書いていいのかわからず、呆然としていた。
「子供を産むつもり」
拳を握り締めると、ムゴンは左手を私の手に重ねた。
≪ヌグの為にってどういう意味で?≫
「ラミア、ヌグに会った日のことを覚えてる?彼女はムゴンのそういう部分を受け継いでいて、きっとあたくしたちからも」
「彼女のことが嫌いなのか聞いているんだ!!」
「あたくしも狂おしいほど好きです! 一人暮らしも、ヌグと一緒に暮らしてきた!だからこそ、強くなってほしい、自立してほしい!という思いがあるんだ!」
「もっと強くなるべきのはお前だろう!悲しくないわけがないだろう!」
「いや、すでに強いよ!あたくしも頑張っているから!」さらに、立ち上がってテーブルを叩いた。
「ふりをするのはやめろ!!一人でいることがどんなに辛いか、よくわかるよ!それに慣れるのは可笑しいよ!一度失うと、後悔が残る!」
ムゴンが答えを見せてくれたとき、裏切られたような気がして逃げ出しました。
どうしてそんなに冷静でいられるのか、理解できなかった。

「ヌギちゃま♪遊びに来たぞ♪」入り口から叫んだ。
一日一回、玄関のベルを鳴らしに通ったが、返事がなかった。
あたしの家に疲れ果てて帰ってきました。間違えているのはあたしなのかと思うようになった…
チオウリに感謝している。落ち込んでいたヌグを引っ張り出したのは彼女だが、あたしなら何をしたのだろう。
あたしってまったく役に立たなかったんだ。

家では、コリーが消えたいって知って、フォレットのときを思い出した。
追いかけた、どうしたらいいかわからない、息苦しかった。ヌギがまた同じ目に遭ったらどうなるんだろうって。
「気持ちはよくわかる!あたしたちも…弱い神だよ!今でも皆まだ悩みむよ!あたしたちだって死ね権利がないよ!…過去は変わらないけど、愛する人を幸せにするために努力している!!だから…死ぬのは諦めろ!」
「やりたくても、死ねないだろう。そんな心配は無用だ。確かに、君を女神になってもらいたかったね」
またつまずいたのか?…間違っていたのでしょうか?…幸せを願うのは、わがままだったのでしょうか…
寝るときに、母の遺品を大切にするたびに涙があふれてきた。
一番弱いのはあたしだった、寂しいと思い、それを隠そうとした。
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