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名付け親は誰だ5
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「それでどうして急に地元の大野藩ばかり調べるの」
「まあ、ある事実が分かったからだ。それに当家が拘る以上は居候の身としはほっとけないだろう。ところで美紗和さんは典子さんの子供の名前って知ってたー?」
典子さんの子供の名前はおじいさんが、あの子がハイハイから立って歩けるようになったらみんなを驚かそうとサプライズで用意していた。丁度その時期辺りで祖父は亡くなって、名前の告知はうやむやになってしまった。
「そうなのか、じゃあ典子さん以外ではおじいさんと美津枝さんぐらいは知ってるだろうなあ」
「それ以外の人は知らなかったって言うの、じゃあ坂部さんはその話を誰から聞いたの」
「ウン大場さんから」
「なるほどあの人は古狸だから、おじいちゃんのやってることは、大概は知っているでしょうね」
「それで美紗和さんは、此の家の長男は歴代の藩主の名前を付けていたのは分かるよね」
「最初は何なのーと、古くさい名前だけどそれがお父さんだけでなく他の人も似たような名前だから変なのって思ったけれど、流石に中学になると嗚呼そう言う事かと思った。でもあたしの兄弟は違うからもうやめたのかと思ったけれど」
「残念でした。それがまた復活してるんですよ」
「エッまさか誰? 最近生まれた男の子は典子さんのあの子だけれど、あの子はいつも離れに居て馴染みがなくて僕ちゃんで通しているからその子がまさかのそれなの」
坂部にすれば食事会で、初めて美津枝さんの隣の幼児用椅子に畏まって座る男の子を見た。その時は小さすぎる子供にしては姿勢が良いなあと感心した。だが四代目に当たる利貞として、既に躾されていたのだとすれば、遊び盛りの子供なのに可哀想過ぎた。丁度向かいに居る千里さんの子供は、女の子にしてはやたら周りを見回して活発そうに見えたからだ。
「まあ、ある事実が分かったからだ。それに当家が拘る以上は居候の身としはほっとけないだろう。ところで美紗和さんは典子さんの子供の名前って知ってたー?」
典子さんの子供の名前はおじいさんが、あの子がハイハイから立って歩けるようになったらみんなを驚かそうとサプライズで用意していた。丁度その時期辺りで祖父は亡くなって、名前の告知はうやむやになってしまった。
「そうなのか、じゃあ典子さん以外ではおじいさんと美津枝さんぐらいは知ってるだろうなあ」
「それ以外の人は知らなかったって言うの、じゃあ坂部さんはその話を誰から聞いたの」
「ウン大場さんから」
「なるほどあの人は古狸だから、おじいちゃんのやってることは、大概は知っているでしょうね」
「それで美紗和さんは、此の家の長男は歴代の藩主の名前を付けていたのは分かるよね」
「最初は何なのーと、古くさい名前だけどそれがお父さんだけでなく他の人も似たような名前だから変なのって思ったけれど、流石に中学になると嗚呼そう言う事かと思った。でもあたしの兄弟は違うからもうやめたのかと思ったけれど」
「残念でした。それがまた復活してるんですよ」
「エッまさか誰? 最近生まれた男の子は典子さんのあの子だけれど、あの子はいつも離れに居て馴染みがなくて僕ちゃんで通しているからその子がまさかのそれなの」
坂部にすれば食事会で、初めて美津枝さんの隣の幼児用椅子に畏まって座る男の子を見た。その時は小さすぎる子供にしては姿勢が良いなあと感心した。だが四代目に当たる利貞として、既に躾されていたのだとすれば、遊び盛りの子供なのに可哀想過ぎた。丁度向かいに居る千里さんの子供は、女の子にしてはやたら周りを見回して活発そうに見えたからだ。
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