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2巻

2-2

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「その一。校内における迷惑行為は禁止。意見の食い違いは教官に申し出た上で、決闘の形で――」
「いい感じですわ。上半身が盛り上がってきていますわよ!」
「ありがとうございます! 幸せです!」

 …………俺は何も見なかった。うん。

「行こうか」
「そっ、そうですね」

 不思議そうに筋肉集団の方を見ていたリリに声をかけ、移動を開始する。
 顔も体つきもイケメンの少年よ。お前はそれでいいのか? いいんだろうな。幸せそうな顔をしているし。
 そんなことを思いながら教室を出て、空いていた休憩スペースへ。
 六人掛けのテーブルに座るやいなや、フィオランは事前に与えられた片手サイズの長方形の端末に触れる。そして、何故か目を見開いた。

「ウソでしょ!? お金がこんなに!? みんな、飲み物はお姉さんに任せて!」
「は? ちょっ、え……?」

 フィオランが飛び跳ねるように席を立ち、止める間もなく休憩スペースの端にあった自動販売機へと駆けていく。端末を自動販売機にかざしたかと思えば、人数分のジュースをかかえて楽しそうに戻ってきた。
 俺の理解が追いつく暇もなく、テーブルにジュースの缶が並べられていく。

「お姉さんのおごり! 好きなのを選んでね!」

 フィオランが今行った行動も、機嫌のよさの要因も、何一つとして分からない。それはリリやマルリアやマイロくんも同じようで、みんなポカンとしていた。
 俺たちの表情を見て、フィオランが不思議そうに尋ねる。

「あれ? みんな、好きなのなかった?」
「あっ、いえ、えっと……フィオランさんって、この機械に詳しいんですか?」

 リリの言葉にフィオランは「んん?」と首を傾げ、納得したように頷いた。

「あー、そっか、みんな知らないのね。冒険者ギルドも一緒のを使ってるから」

 そう言いながら、もらった端末をひらひらと振るフィオラン。
 王国で生きていた俺や施設育ちのリリたちには馴染なじみのない代物だが、帝国では一般的に使われている機械らしい。

「お姉さんも詳しい仕組みは知らないんだけど、魔物から採れる魔力が詰まった石を使って、どうのこうのしてるみたいよ?」

 あー、うん。まぁ、構造を知らなくても使い方に支障はないからいいけどさ。

「それでね? 教官が言ってた通り、給料の受け取りがメインの使い方になるわね。冒険者ギルドか軍、あとは帝国の本部と提携してるお店や施設なら、お財布としても使えるわよ」
「財布として?」
「う~ん、そうね。試しに使ってみましょっか」

 フィオランの言葉に従って、自動販売機に行って端末を押し当てる。
 ――ポチ、ガラン、コトン。

「……ほんとに買えたな」
「でしょでしょ~! それじゃあ、画面に注目!」

 どれどれ……ついさっきまで30万エンという表示だったのが、29万エン+αになっていた。

「使った分が減ってるの。詳細を見たかったら、画面を押せば見られるわ!」

 画面を押してみると、299870エンに表示が変わったな。というか、これって……?

「この端末があれば30万エン分の買い物ができるってことか?」
「んー、正確には、ちょっと違うわね。『入学お祝い金』って項目で入金されたのが30万エンだから、お給料も振り込まれたらもっと使えるわよ?」
「……まじで?」
「うん。お姉さんは嘘をかない!」

 フィオランは眼鏡をクイっと押し上げ、右手を腰に当てて胸を張った。なんかもう、王国と色々違いすぎて、ちょっと意味が分からない。
 そう思っていると、何故かマルリアたちの方が、俺以上に驚いているようだった。

「ねぇ、私にも30万エン入ってるみたいに見えるんだけど?」
「あの、えっと、私にも入っているような……」
「ん~? それはそうよ? 二人とも試験に合格して入学したんだもん。お姉さんたちに入ってるなら、二人にも入ってるわよ」
「「「…………」」」

 フィオランの言葉に、マイロくんも含めた若者たちがポカンとしている。どうした? 今回ばかりは、フィオランの言っていることが正しいと思うんだが。

「あのあの。私たちは施設で育ったんです。これまで無償で育ててもらったのに、お給料までもらうなんて……」
「そういうことよ。それにまだ私たちは訓練生じゃない。どうしてお金がもらえるわけ?」

 あー……なるほどね。二人はそう思っていたのか。

「まぁでも、この国の言葉を借りるなら、給料が出たのは二人の実力が認められたから。どこで育っていたとしても、軍に入れば、その実力に見合った報酬を出す。そういうことじゃないか?」
「うんうん。お姉さんもそう思うわよ?」
「「…………」」

 俺も安月給だったからな。リリたちが戸惑う気持ちも分からなくはないが、もらえるものはありがたくもらっとけばいいんじゃないか?

「卒業した先輩が、ご飯とか持ってきてくれる理由がやっと分かったわね」

 マルリアの言葉に、リリが頷く。

「そうですね。私たちも残っているみんなに何かしたいけれど……お金じゃ先生も受け取ってくれませんよね?」
「でしょうね。服は街の人たちが持ってきてくれるし。結局は、日持ちする食べ物が無難なのね」
「結局、先輩方と同じですけど」
「まぁいいじゃない。奇抜なものを持っていっても、誰も得なんてしないわよ」
「そうですね」

 どうやら、二人の中で折り合いも付いたらしい。でもって、使い方を学ぶために買ったジュースの缶を二個並べて、端末の操作方法をフィオラン先生に教えてもらう。

「ここをタッチすれば、軍の情報が見られるの。冒険者ギルドでも、ランクによって見られる情報が違ったから、軍も同じか、それ以上に厳しいんじゃないかしら?」
「えーっと? どういうことですか?」

 いまいち分からず、首を傾げるリリ。

「開示される情報は人それぞれだから、他の人の端末は見ない。たとえば私たちとアルトくんじゃ、送信された情報の内容に差があるってことが十分ありえるの。最悪、情報流出で打ち首もあるわ」
「なるほどです」

 みんなは訓練生だけど、俺だけ准尉だからな。軍としては仕方のない話だ。

「基本的に端末は自分の指でしか操作できなくて、住民票と同じように本人確認にも使えるわ。まずはそこに指を置いて。それで、今度はそっちに……」

 そうして、フィオランに言われるままに端末を操作し、『軍部からのお知らせ』と書かれたページを読み進めていく。
 お知らせの内容を要約すると、『明日から授業です。基本は三日おきに一日の休みがあり、出たくない授業には、出なくても罰則はありません』、そんな感じだった。
 で、三ヶ月に一度行われる試験に合格すると次のステップに進めて、給料も上がるらしい。実力が認められれば、本物の任務を依頼されることもあるのだとか。

「ふ~ん。ここで授業の予定が見られるのね」
「すごい機械ですね。特定の人に向けて、通話や文字のやり取りができるみたいです!」
「うんうん。その辺りも冒険者ギルドとおんなじね」

 すぐに操作を覚えたらしく、マルリアたちはワイワイと端末を触っていた。

「操作授業の予定? 文字のやり取り? ……どこにそんなものが?」
「あーもー! ちょっと貸しなさい! って、人のを触るのはダメだったわね。そこよ、そこ。って、そっちじゃないわよ!」
「アルト様、こちらですね。その右側です」
「……ご迷惑をおかけします」

 マルリアとリリに教えてもらう。こういうのって、やっぱり若い方が理解も早いんだろうか? 俺も若いつもりなんだけど、こうも明確な差を見せつけられると心に深い傷が……ん?

「アルト専用、特別授業?」

 画面の端にそんな文字を見つけた。
 リリたちにもそれぞれの端末で探してもらったが、その表示があるのは俺のやつだけらしい。

「アルト様の端末と私のものとで部下登録をすれば、何か変わるかもしれませんが、やってみますか?」
「ん~、そうね~。してみてもいいかも」

 リリとフィオランたちがそう言っているが……部下登録? そんな機能、どこにあったんだ? というか、どうやって見つけたんだ? ……彼女たちが若者だからか?
 二人は部下登録とやらをすることにしたらしく、何も言わないマルリアの方を見つめる。

「何よ、二人して私を見て! 私も登録するに決まってるじゃない! 今更仲間外れなんておかしいでしょ! ほら、画面のその部分を押しなさいよ!」

 ほおを赤く染めたマルリアに言われるまま操作して、それぞれの端末に近付ける。

「これで大丈夫ね」
「はい! 私たちもアルト様専用の授業が受けられるみたいです!」
「ん~っと、マイロくんは?」
「僕も従者枠で参加できますね」

 どうやら、全員の手続きが終わったらしい。
 それにしても、『今更仲間外れ』か。

「なぁ、マルリア。薄々気付いてるとは思うけど、俺が隠してる力を知りたいと思うか?」
「え? 何よ、突然」
「いや、ちょっと思うことがあってさ」

 リリにフィオラン、マイロくん。この三人には、それぞれの理由で鑑定とアドバイスのようなことをした。だが、マルリアだけには、詳しい鑑定をしていない。
 リリたちに『自重してください』と言われた影響も多少はあるが、それ以上の懸念があるからだ。

「もし知れば、自分の知りたくない事実を突きつけられたり、望まない結果が出たりするかもしれない」

 リリたちのようにいい結果が出ればいいが、悪いこともある。
 本人に知らせず鑑定し、結果が悪い場合は伝えない。それができればいいのだが、俺には行動を共にする仲間に隠し通せるだけの演技力はないからな。
 これが赤の他人なら気になんてしないが、マルリアの場合は、すでに身内のような立場だ。
 決めるのは本人。それがいいと思う。

「今よりも強くなる方法が分かる可能性はある。だが、それには人よりも努力しないとダメだと分かることもある」
「……」

 マルリアは真剣な目を俺の方へと向け、次にリリとフィオランの方に視線を向ける。

「それって、二人を強くした力ってことよね? そんなの聞くに決まってるじゃない。人よりも努力しなきゃいけないのなら、努力するだけよ」

 マルリアはその黒髪を左手でなびかせ、力強く笑った。

「というか、そんなおどしで私が逃げるとでも思ったわけ?」
「いや。念のための確認だよ」
「ふーん。それならいいんだけど、私をバカにしたわけじゃないのよね?」

 彼女は開き直っているわけでも、失敗の可能性に目を向けていないわけでもない。

「知りたくない事実っていうのがどんなのかは分からないけど。情報なんて多い方がいいに決まってるじゃない」
「……まぁな」

 本気でそう思っているひとみだ。
 俺も鑑定士として歳を重ねてるから、情報の重要性は分かっているつもりだ。
 だが、世の中には、知らない方が幸せ、なんてこともある。
 それを伝えようと口を開きかけたが、マルリアの寂しそうな目を見て言葉が途切れた。

「それにあれよ……知らないまま全てが終わっている。それが、何よりも不幸なのよ」

 マルリアがマイロくんに視線を向ける。
 マイロくんは口をぎゅっと結び、自分の手元を見下ろしていた。

「悪い結果でも努力すればいいだけなら、それは十分幸せじゃない。私はもう、子供じゃないわ」
「……」

 表情に影を落とす姉弟に対して、俺は何も言葉をつむげなかった。
 二人に。それだけは分かるのだが、今は何を聞いても、深い部分は話してくれないように見える。
 だが、俺の力――鑑定に関しては、予想よりもはるかに強い意思を聞けた。
 俺としても、マルリアの鑑定結果には興味があったし、早速……
 そう思ったのだが、マイロくんが言うには、俺専用の特別授業の開始時間が過ぎているのだとか。

「それって、マズいよな?」
「はい。できるだけ急いだ方がいいと思います」
「だよな」

 全員の意思を確認する間もなく、大慌てで出席の登録をして、指定されていた教室に向かう。
 初日早々に、しかも俺専用の授業に遅刻なんてどう考えてもまずいだろう。もしかすると、気が付かなかったことにした方が良かったのか? という思いすら湧いてくる。
 ともかく、このまま全速力で向かうしかない。
 そう思いながら、指定されていた教室に飛び込んだ。

「はぁ、はぁ、はぁ……すいません、遅く――」
「うむ、来たようじゃな」

 教室の中には、コーヒーを飲む爺さんが一人。

「ルルベール教官?」
「うむ。待っておったぞ」

 ルルベール教官はクッキーを口に入れて、コーヒーを飲んでいた。
 予想以上に優雅じゃないか? 教官っぽさ、ゼロというか……

「す、すみません、ルルベール教官。遅くなりまして――」
「いや、構わぬよ。儂の予想より早いくらいじゃ。どのみち、おぬしらが来た時間が開始の時刻じゃからな」

 爺さんは楽しげに笑い、周囲に目を向ける。
 五十人ほどが入れそうな教室にいるのは、俺たちとルルベール教官だけだ。俺専用とは書いてあったが、本当に俺たちだけしか生徒はいないらしい。
 確かにこの状態なら、俺らが来なきゃ授業を始められないよな。
 コーヒーカップの中を覗き見ると、残りは二割程度。自己紹介を早々に切り上げて、ここでコーヒーを飲んでいた。そんな分量に見える。

「では、授業の説明を始めるぞ。そうじゃな、まずはそのまま聞いておれ」
「席に座らなくてもいいんですか?」
「うむ。どうせ、すぐに移動――いや、そうじゃな。説明も移動中に済ませる。こっちじゃ」

 教官が俺たちに背を向ける。そのまま教室を出ていこうとする大きな背中を慌てて追いかけた。

「いや、あの、行き先はどちらに?」
「到着すれば分かるじゃろ」

 さっきの自己紹介といい、今といい、せっかちすぎじゃねぇか? まぁ、いいんだけどさ。

「それで、特別授業というのは?」
「それなんじゃがな。ルドルフの奴が、おぬしには一度、本物の鑑定士の姿を見せておいた方がいいと言うておってのぉ」
「……」

 いや、本物って。それはあれですか? 俺が偽物ってことですか?

「一応、俺も鑑定士のつもりなんですが」
「うむ。まずはその認識を改めるところからじゃな。おぬしは鑑定士を超えた何か。そう思うのがええじゃろ」
「……」

 なるほど……いや、褒められているのは分かるんだけど、なんかこう、素直に喜べない。前の職場に対するもやもや? むなしさ? そういうものが心にある。どうにも、自分の中で折り合いがな。

「そうじゃのぉ。せっかくの機会じゃ、おぬしの鑑定に相応ふさわしい名前でも考えてみるか?」

 爺さんは、くははは、と笑って俺の背中をバシバシ叩く。態度こそ冗談のようだが、目は本気だった。
 リリたちにも『存在そのものが軍事機密です!』だとか『無自覚が一番恐ろしいです!』だとか、色々言われてきたもんな。甘んじて受け入れるしかないか……

「アルト様! 私は、〝全てを見極めし者〟がいいと思います!」
「ん~、お姉さん的には〝天啓〟なんていいと思うわよ? 神様の声を聞くような感じでしょ?」

 頼りになる仲間たちも、新しい名前を決める気でいるように見えるし。
 というか、〝天啓〟って……そういうものではないと思うんだけど、どうなんだろう? 天から与えられた啓示。もしかしたら俺の鑑定って、他人から見たらそんな感じなのか?
 ……ダメだな。自分のことなのに、俺が一番分かってない気がする。

「あんたの力って、マイロを見た能力よね? だったら、〝神の透視ゴッド・ビジョン〟とかいいんじゃない?」
「……」

 いや、うん、マルリアさん。かっこいいとは思うよ? けどさ。なんかこう、恥ずかしくない?

『我が瞳に宿りしは、全てを見通す神の力! 今こそ秘められし力を解放せよ、ゴッド・ビジョン!』

 こういうセリフを言うには、若さが足りていない気がするよな。俺の年齢でやると、黒歴史どころか友人を減らす事態になりかねない……まぁ、友人なんて、いないがな。

「僕なりの見解ですが、アルトさんの力は、よく見る、よく見える、って感じだったので、〝みるみる君〟でどうですか!?」
「……」

 なるほど。マイロくんも独特な感性の持ち主でしたか……いや、みるみる君も悪くないと思うよ? けど、あれだ。なんかこう。やっぱりそう名乗るには年齢がな。それにさ……

「呼び名は〝鑑定〟のままでいいと思うんだ。普通の〝鑑定〟のふりをして隠すつもりだから、〝鑑定〟のままが無難。違うか?」

 誰かに聞かれて『何それ!?』なんて騒ぎになっても困るしな。
 というか考えれば考えるほど〝鑑定〟以外にない気がしてきたので、強めにお願いする。

「〝鑑定〟のままでお願いします。伏してお願いします!」

 帝国軍は、三日おきに一日休みをもらえる最高の職場だ。それが下手に変わった名前を付けて能力が周りにバレでもしたらどうなるか。

『〝ゴッド・ビジョン〟待ち、最後尾はこちらで~す! 三時間待ちとなっておりますー!』
『先生! うちの子に〝天啓〟を! うちの子に〝天啓〟を授けてやってください!』

 ……といった感じで、平日も休日も関係なく詰めかけられてしまうかも。そんな人生は、絶対に嫌だからな!

「なんじゃ、つまらん男じゃのぉ」
「……ええ。つまらない男です。その評価でいいですよ」

 というか、この爺さん。最初から分かっていただろ?
 一般の鑑定士と俺の違いを埋めるための特別授業なのに、みぞを深くしてどうすんだ、って話だ。

「さてと、馬鹿話もここまでじゃな。ここじゃ」

 そう言って教官が見上げる先。大きなドアの中央に『第一鑑定室』の文字が見えていた。

訓練校うちに配属された者の中でも、特に鑑定士が集まる場所じゃから、そのつもりでの」

 ルルベール教官が大きなドアを開いて中に入っていく。
 広い背中の向こうに見えたのは、大きな毛皮や石、薬草などが入った箱の山と、横並びの机。

「Sの36、終わりました」
「Sの38も終了です!」
「了解。次はBから持っていけ」
「「分かりました」」

 二十人くらいがここで働いているらしく、揃いの服を着た人々が、せわしなく動き回っている。
『鑑定待ち』と書かれた台車から箱を持っていき、自分の机で鑑定をして、『鑑定済み』の台車に移動させる。どうやら、そんな流れらしい。

「全員が一流の鑑定士ばかりじゃ。ここでは主に、生徒が持ち込んだ収穫物を鑑定しとる」
「なるほど」

 鑑定結果として書き記しているのは、ランクと値段だけか……


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