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 ジュリとソフィア、そしてハウン姉に手伝ってもらい、囲炉裏で焼肉を作る。
 勿論、火種は炭だ。

 やっぱり、炭の良さはBBQだよね、ってことで、ラビッドベアーの肉を塩のみで焼いていく。

 本当なら、コショウ、無理を承知で言うならば焼肉のたれが欲しいところだったが、たれは言うまでも無く、コショウも高級品のため、実にシンプルな味付けである。

 ついさっき裁いたばかりの新鮮な肉のため、美味しいに決まっているのだが、そんなことはおくびにも出さずにハウン姉の部下へと説明する。

「このように、炭を用いると火が安定するから調理しやすい。それに煙が出ないから目の前で調理しても問題が無いわけだ。
 使用法次第ではあるが、高火力で安定させることも出来るため、魔法使いが居なくても製鉄が可能になると考えている」
「!! 製鉄ですか。それはすごい。
 魔法使いを頼らなくて良いなら、鉄の値段が大幅に下げることが出来そうですね」
「どうだろう。ハウン姉と僕に協力してもらえないだろうか?」
「勿論です。こんなすごい商品を扱えるのなら、いずれは商会を超える規模になるのも夢ではないですからね。ぜひとも協力させてください」
「そうか、ありがとう。しかし、商会を超えるか……。どのくらいの勝算を見積もっている?」
「そうですね。……見た目はお世辞にも良いとは言えませんが、物が物だけにギルド単位での商売が出来るでしょう。
 それに、相手は食品ギルドと武器ギルド。どちらも大手であり、片方だけでも採用されれば、その額は計り知れない物になると考えます」

 僕の感覚では、各町ごとの商人を相手に商売をしようと考えていたのだが、どうやら、初めから大口での交渉を始めたほうが良いとの評価らしい。
 商品としては最高峰の評価だろう。

「最終的にはギルドに、とは考えていたが、生産量が足りない。作り手が3人しか居ないからな。
 小さな所から始めた方が良くないか?」
「生産量については、ギルドにお金を出して貰いましょう。出資をしてくれた方のギルドには、安く提供することをそれと無くほのめかせば、金は出てくると思います」
「なるほどな」

 一通り話しを聞いたところで、ハウン姉へと視線を向ける。

「ハウン姉も同様な考えか?」
「そうですね。……付け加えるとするならば、私の能力不足も含めてギルドの方が良いかと思います」
「ハウン姉の能力?」
「はい。お恥かしい限りですが、現在の私の力では十分な塩を継続して購入することは難しい状態です。そのため、早めの資金確保は村にとっても必要なことかと思います」
「……そうだな。わかった。それじゃぁ、ギルドと交渉する方向でいこう。やり方はハウン姉に任せるよ」
「了解しました」

 この日を境に、村全体が大きく変わることになった。
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