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真紀親衛隊元帥

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「マキちゃぁああぁん!」
「あ、高坂こうさかくん、きたきた。」
「大学辞めたって本当かぁああぁいやぁ!」
「流石に情報が早いわね…。」
「どぉしてッ!自分も辞める!」
「落ち着いて…。」
真妃親衛隊元帥 高坂暁人こうさかあきと。小学三年の頃、都会から引っ越してきたスーパーマン。マキに一目惚れして速攻で振られて以来、親衛隊を設立した。頭が良くてスポーツ万能。黙ってればモテるのにもったいないイケメンだ。マキにたかるハエは、元帥の手によって消されるらしい。柔道三段、剣道三段、最近はテコンドーとブラジリアン柔術を習いだしたらしい。マキと同じ大学、同じ学科に通っている。
そう、彼女には熱狂的なファンクラブがある。
「今しがた参謀の沙月さつきから情報が入ったのだ…何か困ったことがあったのなら、言ってくれれば…。」
「あぁ、サッちゃんねぇ。」
ズズっと行儀悪くカルピスソーダを飲み干したマキは、店員に目配せしちょいちょいと手招いた。
頭を抱えた高坂こうさかはメニューも見ず注文を伝える。
「ホットコーヒーとカルピスソーダ」
お金のない私たちは結婚式を自分たちで準備しようと話し合い、高坂こうさかくんにも手伝ってもらおうと呼び出したのだ。
「私たちもう20歳よね」
「そうだな、ピンとこないな」
「いつまでやんのよ、ソレ」
「マキが結婚するまでかな」
「ほほぅ」
どう話を切り出そうか悩んでいたが、急に本題へとベクトルが向いた。
「それで、話しって?もしかして!ついに僕と付き合っーー…」
「結婚式、あげようと思ってさ。」
短くキレの良い変な声を上げたあと、高坂こうさかの目は見開かれ、その周りだけ時が止まったように硬直した。
「……!」
「真妃親衛隊解散だねぇ」
マキは悪戯に微笑みながら、空になったグラスをストローでかき回しカラカラと音を奏でる。
角席のお洒落な小窓に映し出された景色に、リクの姿が映った。
「俺と!?」
「はッ!?何でそーなる!あいつとだよ!」
ストローで指した先には、間抜けづらして横断歩道を渡る男がいた。
「10分遅刻。」
うって変わってムスッとした表情で窓の外を睨むマキ。
高坂こうさかの口は開け放たれたまま、肩は小刻みに震えだした。
「カルピスソーダとホットコーヒーでございます。」
「……。」
「お姉さん、コーラ追加で。」
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