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Ⅰ:士官学校篇
戦技習得の儀
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「そして、その入学式で当時学年首席だった俺と出会ったわけだな。アルス、もうすぐ集会所につくぞ」
イーセル王国軍士官学校
第三集会所
昔の話を終えた俺とフェザンが席についたころには、集会所のほとんどがうまっていた。
数分後、一人の教官が集会所へ入ってきた。そして、
「これより、戦技習得の儀を始める」
と言い、学校の一大行事が始まった。
戦技とは、数個の技によって成る能力のことで、それによって所属する部隊が決まる。
「ではまず、グラム-バルビュート」
そう呼ばれてグラムが前にでると、そこには魔石を埋め込んだ箱のようなものが置いてあった。
グラムがその魔石に力を込めると、箱が開き中から一枚の紙が出てきた。
それを見て教官が、
「では読み上げる。
『名前:グラム-バルビュート
種族:鎧兵
適性属性:真紅の炎
適性武器:メイス
戦技:黒炎帝
技Ⅰ:クリムゾンエンペラー
技Ⅱ:煙術波』
以上だ。」
グラムの次に前に出たのは、二本の刀を装備した、おそらくゴースト系の種族の少女。
「『名前:ヒエナ-ムラクモ-フェルグス
種族:落武者
適性属性:蒼い光
適性武器:双剣
戦技:天誅
技Ⅰ:断頭台
技Ⅱ:磔縛』」
そのヒエナと呼ばれた少女の儀式が終わると集会所がざわつき始めた。
「ムラクモってヒノカグ帝国からの亡命者の……」
「しかもかなりの名家らしい」
周りの人の話を聞くと、どうやら彼女はヒノカグ帝国から亡命してきた者の子供だという。
「次、フェザン-デ-ヘリファルテ」
そう言われてフェザンが魔石に力を込める。
「『名前:フェザン-デ-ヘリファルテ
種族:有翼人
適性属性:碧色の風
適性武器:大弓
戦技:空賊
技Ⅰ:シャイニングスコール
技Ⅱ:反撃の狼煙』」
その後も他の生徒たちが次々と習得していった。そして、
「アルスカイト-ヴィべーリオ」
ついに俺の番がやってきた。
言われた通りに魔石に魔力を込める。
「読み上げる。
『名前:アルスカイト-ヴィべーリオ
種族:人間
適性属性:白い炎
適性武器:長剣』」
ここまでは普通だ。もうすぐで俺の戦技がわかる。そう思っていたら
「『戦技…戦技:蛇神
技Ⅰ:蛇突
技Ⅱ:継承』」
なんだ、すごくあわてているけどなにかあったのか。
「ヴィべーリオ、ちょっとこっちきてくれ」
そう教官に言われて廊下へ出る。
「ヴィべーリオ、今の戦技についてなんだが…とてもなんというか…その、珍しい戦技でな」
なんだ、すごく動揺しているが。
「戦技というものはな、ほかの者とかぶることもよくある。しかし、お前の戦技はほとんど例がないんだ。そこで聞きたいのだが、なにか心当たりはあるか」
「とくにありません。白い炎と長剣は父から教わったものですし、蛇神という言葉も初めて聞きました」
「そうかわかった。のちのち調べると思うけど、今は席に戻りなさい」
その後は何事も無く戦技習得の儀が終わった。
「これで行事を終わるが、各自自分の戦技について調べておくといい」
そう教官が言うと、生徒たちは次々と戦技関係の本を借りに図書室へ向かった。
その日の夜
寮の自分の部屋へ戻った俺とフェザンは、さっそく借りてきた本を広げ、調べ始めた。
「『戦技、空賊とは空から敵に嫌がらせをする事に特化した戦技である。技の反撃の狼煙とは、味方が不利になるほど火力が上がる技で、そのため撤退戦のときに真価を発揮する…。』と、こんな感じかな。アルス、そっちはどうだい」
「どうも俺の戦技は資料が少ないらしい。とりあえず分かったのは『蛇突は魔力を纏った武器で攻撃を受け流し、体の柔軟性を利用して敵を貫く技、継承は、他の者の戦技を取り込み、自分の戦技を強化する技、奪うわけではないため相手の同意が必要。』というくらいだよ」
まあ最低限のことは分かったけど、これからも研究しなくては。
イーセル王国軍士官学校
第三集会所
昔の話を終えた俺とフェザンが席についたころには、集会所のほとんどがうまっていた。
数分後、一人の教官が集会所へ入ってきた。そして、
「これより、戦技習得の儀を始める」
と言い、学校の一大行事が始まった。
戦技とは、数個の技によって成る能力のことで、それによって所属する部隊が決まる。
「ではまず、グラム-バルビュート」
そう呼ばれてグラムが前にでると、そこには魔石を埋め込んだ箱のようなものが置いてあった。
グラムがその魔石に力を込めると、箱が開き中から一枚の紙が出てきた。
それを見て教官が、
「では読み上げる。
『名前:グラム-バルビュート
種族:鎧兵
適性属性:真紅の炎
適性武器:メイス
戦技:黒炎帝
技Ⅰ:クリムゾンエンペラー
技Ⅱ:煙術波』
以上だ。」
グラムの次に前に出たのは、二本の刀を装備した、おそらくゴースト系の種族の少女。
「『名前:ヒエナ-ムラクモ-フェルグス
種族:落武者
適性属性:蒼い光
適性武器:双剣
戦技:天誅
技Ⅰ:断頭台
技Ⅱ:磔縛』」
そのヒエナと呼ばれた少女の儀式が終わると集会所がざわつき始めた。
「ムラクモってヒノカグ帝国からの亡命者の……」
「しかもかなりの名家らしい」
周りの人の話を聞くと、どうやら彼女はヒノカグ帝国から亡命してきた者の子供だという。
「次、フェザン-デ-ヘリファルテ」
そう言われてフェザンが魔石に力を込める。
「『名前:フェザン-デ-ヘリファルテ
種族:有翼人
適性属性:碧色の風
適性武器:大弓
戦技:空賊
技Ⅰ:シャイニングスコール
技Ⅱ:反撃の狼煙』」
その後も他の生徒たちが次々と習得していった。そして、
「アルスカイト-ヴィべーリオ」
ついに俺の番がやってきた。
言われた通りに魔石に魔力を込める。
「読み上げる。
『名前:アルスカイト-ヴィべーリオ
種族:人間
適性属性:白い炎
適性武器:長剣』」
ここまでは普通だ。もうすぐで俺の戦技がわかる。そう思っていたら
「『戦技…戦技:蛇神
技Ⅰ:蛇突
技Ⅱ:継承』」
なんだ、すごくあわてているけどなにかあったのか。
「ヴィべーリオ、ちょっとこっちきてくれ」
そう教官に言われて廊下へ出る。
「ヴィべーリオ、今の戦技についてなんだが…とてもなんというか…その、珍しい戦技でな」
なんだ、すごく動揺しているが。
「戦技というものはな、ほかの者とかぶることもよくある。しかし、お前の戦技はほとんど例がないんだ。そこで聞きたいのだが、なにか心当たりはあるか」
「とくにありません。白い炎と長剣は父から教わったものですし、蛇神という言葉も初めて聞きました」
「そうかわかった。のちのち調べると思うけど、今は席に戻りなさい」
その後は何事も無く戦技習得の儀が終わった。
「これで行事を終わるが、各自自分の戦技について調べておくといい」
そう教官が言うと、生徒たちは次々と戦技関係の本を借りに図書室へ向かった。
その日の夜
寮の自分の部屋へ戻った俺とフェザンは、さっそく借りてきた本を広げ、調べ始めた。
「『戦技、空賊とは空から敵に嫌がらせをする事に特化した戦技である。技の反撃の狼煙とは、味方が不利になるほど火力が上がる技で、そのため撤退戦のときに真価を発揮する…。』と、こんな感じかな。アルス、そっちはどうだい」
「どうも俺の戦技は資料が少ないらしい。とりあえず分かったのは『蛇突は魔力を纏った武器で攻撃を受け流し、体の柔軟性を利用して敵を貫く技、継承は、他の者の戦技を取り込み、自分の戦技を強化する技、奪うわけではないため相手の同意が必要。』というくらいだよ」
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