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116:体術訓練と問題児
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カマルと合流するため、私は騎士団の訓練場へ向かう。
今は、騎士団やシント魔法学校の生徒たちと一緒に、体力を付ける訓練をしているはずだ。
……カマルと体力訓練って、あまり結びつかないけれど。
箱入り王子様の彼に筋トレができるのか心配だ。
訓練場へ着くと、皆は大人と子供に別れて、指定されたメニューをこなしているようだった。
「ええと、カマルは……」
訓練場といっても、ヨーカー魔法学園のような綺麗な施設はなく、平らな地面の広がる屋外だ。辺境特有の静かな日差しを浴びながら、奥に生徒たちが集まっている。
「あ、いたいた」
今はカディンやシュクレと一緒に、体術の練習をしているみたいだ。
辺境へ来るまで体術を習ったこともなかっただろうに、カマルの動きは意外と様になっている。格好いい!
それにしても、魔法学校によって、授業や訓練の内容が全然違うんだな……
「カマル!」
声をかけると、訓練中の彼が振り返った。
相好を崩し、嬉しそうにこちらへ駆け寄ってきてくれる。
……走るの速くなってない? 訓練の力?
彼の体つきまで、たくましく変化している気がする。
「アメリー。もう、怪我は大丈夫なの?」
「うん。元気だし、ベッドから出ていいって許可が下りたよ」
「そっか、良かったぁ」
「ありがとう、カマル。そうだ、訓練のあと、団長の精霊のことで話を聞きたいんだけど」
「僕も同行するよ」
精霊のエミーリアに会うのは憂鬱だけれど、必ず確認しなきゃいけない。
彼女の言っていることの意味を知らなければ。
真剣に考えていると、後ろから何かが飛びついてきた。
「あはっ! アメリー先生だ! 回復したの?」
「ひーーーーっ!!」
勢いよく飛びついてきたのは、来年シント魔法学校に入学予定のフィナだ。
無詠唱魔法を教えていたこともあり、入学前の生徒たちは私を「先生」と呼ぶようになってしまった。彼もその一人。
今日は、入学前の子供たちも一緒に訓練していたみたい。
「毒で寝込んでいるって聞いて、心配だったんだ。本当は、お見舞いに行きたかったけれど、俺らは勝手に騎士団の医務室に入れないからね」
医務室は決して広くないし、重傷患者も一緒に過ごしている。
面会できるのは家族の他、騎士団またはシント魔法学校の学生のみで、必要最低限のメンバーだけと決められていた。
「元気そうだね、アメリー先生。向こうで話そうよー!」
フィナは、笑いながら肩を組んできた。
カマルが驚いたような顔をしているけれど……
そっか、この状態のフィナを見るのは初めてだったよね。
「駄目だよ、フィナ。訓練の途中でしょう?」
「そうだけどさ。毎日筋トレばっかでつまらないんだよー」
文句を言いながら、入学前の仲間のもとへ戻っていくフィナ。
そんな彼を、カマルがなんとも言えない表情で見送っていた。
今は、騎士団やシント魔法学校の生徒たちと一緒に、体力を付ける訓練をしているはずだ。
……カマルと体力訓練って、あまり結びつかないけれど。
箱入り王子様の彼に筋トレができるのか心配だ。
訓練場へ着くと、皆は大人と子供に別れて、指定されたメニューをこなしているようだった。
「ええと、カマルは……」
訓練場といっても、ヨーカー魔法学園のような綺麗な施設はなく、平らな地面の広がる屋外だ。辺境特有の静かな日差しを浴びながら、奥に生徒たちが集まっている。
「あ、いたいた」
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辺境へ来るまで体術を習ったこともなかっただろうに、カマルの動きは意外と様になっている。格好いい!
それにしても、魔法学校によって、授業や訓練の内容が全然違うんだな……
「カマル!」
声をかけると、訓練中の彼が振り返った。
相好を崩し、嬉しそうにこちらへ駆け寄ってきてくれる。
……走るの速くなってない? 訓練の力?
彼の体つきまで、たくましく変化している気がする。
「アメリー。もう、怪我は大丈夫なの?」
「うん。元気だし、ベッドから出ていいって許可が下りたよ」
「そっか、良かったぁ」
「ありがとう、カマル。そうだ、訓練のあと、団長の精霊のことで話を聞きたいんだけど」
「僕も同行するよ」
精霊のエミーリアに会うのは憂鬱だけれど、必ず確認しなきゃいけない。
彼女の言っていることの意味を知らなければ。
真剣に考えていると、後ろから何かが飛びついてきた。
「あはっ! アメリー先生だ! 回復したの?」
「ひーーーーっ!!」
勢いよく飛びついてきたのは、来年シント魔法学校に入学予定のフィナだ。
無詠唱魔法を教えていたこともあり、入学前の生徒たちは私を「先生」と呼ぶようになってしまった。彼もその一人。
今日は、入学前の子供たちも一緒に訓練していたみたい。
「毒で寝込んでいるって聞いて、心配だったんだ。本当は、お見舞いに行きたかったけれど、俺らは勝手に騎士団の医務室に入れないからね」
医務室は決して広くないし、重傷患者も一緒に過ごしている。
面会できるのは家族の他、騎士団またはシント魔法学校の学生のみで、必要最低限のメンバーだけと決められていた。
「元気そうだね、アメリー先生。向こうで話そうよー!」
フィナは、笑いながら肩を組んできた。
カマルが驚いたような顔をしているけれど……
そっか、この状態のフィナを見るのは初めてだったよね。
「駄目だよ、フィナ。訓練の途中でしょう?」
「そうだけどさ。毎日筋トレばっかでつまらないんだよー」
文句を言いながら、入学前の仲間のもとへ戻っていくフィナ。
そんな彼を、カマルがなんとも言えない表情で見送っていた。
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