小さな黄色の花を咲かせる頃には

ひまわりまま

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第九章

あの日の道を

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風華は今どうしていますか?
元気にしていますか?
少しは優しくなった?それともあの頃のようにとがったまんまかな。
 
 昨日久しぶりに実家に帰ることになって、小学生の頃のあの通学路を一人で歩いてきました。
大人になった私には子供の頃のように小学校までの距離を遠いとは感じなかった。
覚えてる?通学路の途中に柵の中に牛が飼われていた場所のこと。
いつだったか柵が壊れて牛が逃げ出したことがあったっけ。
 あと、風華が「水をはった田んぼが海みたいだ」といっていたあの田んぼは埋め立てられていて家が立っていたよ。
何年も離れているうちに風華とみんなで歩いたあの通学路の風景は少しずつ変わっていました。
懐かしい気持ちと驚きの気持ちでゆっくり景色を眺めながら歩いていたら、風華があの日見上げていた木の下にたどり着きました。
「この木も私達と同じように歳を重ねてきたんだな。」そう思いながらあの頃よりも細くなった枝たちを見あげた。
枯れ葉が全部無くなった木をいつまでもいつまでも見上げていたあなたの姿を思い出します。
幼かった私はあの頃のあなたが何に心を痛めていたのか、どんな思いでこの木を見上げていたのか、いえ、あなたの話に耳を傾けることができなかった。
その思いが今でも私の心から離れません。

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