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第五章
緑のカーテン
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まだ春遠い年明けの冬の寒い日。
あの日は一日中雨降りだった。
毎朝七時四十分、お決まりの時間に班の集まる場所でみんなが揃うのを待っていた。
傘をさしてあくびをしながら、みずたまりをよけながら一人、また一人と集まってきたけれど、どんなに待っても風華が来ない。
体の弱い私と違って学校を休むことがほとんどない風華だから、どうしたのだろうかとみんな心配しながら思い思いに話しだした。
「風華の家に行こう」
みんなの意見が一致した。
風華の家はこの集合場所から五分ほどで行ける距離なので急いで歩いた。
急いで歩いたせいかみんな息を切らしていたが心配が先に走る。
「風華ちゃん!」
玄関の前でみんなで呼んだ。
待ってみても声は聞こえず、家は静まりかえっていた。
「風華ちゃん!!」
ありったけの声で呼んだけれど風華の姿は無く、閉め忘れたのだろうか、窓がほんの少し開いたままで、見覚えのある緑のカーテンが悲しく揺れていた。
「もうここには風華はいない」
肌でそう感じた。
その夜、大人たちの話に耳を向けていると風華達は昨晩の夜、一家でこの町を出ていったそうだ。
あんなに嫌いだった風華がいなくなった!
喜びとは相反するこの場所で私の心は立ち尽くしていた。
あの日は一日中雨降りだった。
毎朝七時四十分、お決まりの時間に班の集まる場所でみんなが揃うのを待っていた。
傘をさしてあくびをしながら、みずたまりをよけながら一人、また一人と集まってきたけれど、どんなに待っても風華が来ない。
体の弱い私と違って学校を休むことがほとんどない風華だから、どうしたのだろうかとみんな心配しながら思い思いに話しだした。
「風華の家に行こう」
みんなの意見が一致した。
風華の家はこの集合場所から五分ほどで行ける距離なので急いで歩いた。
急いで歩いたせいかみんな息を切らしていたが心配が先に走る。
「風華ちゃん!」
玄関の前でみんなで呼んだ。
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「風華ちゃん!!」
ありったけの声で呼んだけれど風華の姿は無く、閉め忘れたのだろうか、窓がほんの少し開いたままで、見覚えのある緑のカーテンが悲しく揺れていた。
「もうここには風華はいない」
肌でそう感じた。
その夜、大人たちの話に耳を向けていると風華達は昨晩の夜、一家でこの町を出ていったそうだ。
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