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第一章 うつろの気
一
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尾張は那古野城下、その町はずれまで来て、平手は人でごった返している河原を見つけた。
「や。アレは」
百人を超えようかという群衆が取り囲む、その中央にあるのは土俵である。
土手を下りてしまうと、人の壁に遮られてもう内側はまるきり見えない。
「こりゃあ無理だが」
「上からの方がまだ見えるわ」
一足遅れた野次馬連中がぼやきながら退散していくが、平手はそれに同調するわけにはいかない。齢五十を超えた老骨を思うとすこし億劫ではあったが、そこは流石に武士の気風、覚悟を決めて人の壁に飛び込むと、エイエイ巧みに押しのけてついに最前列までこぎつけた。
そのとき、ちょうど、平手の眼前に少年が一人ゴロンと勢いよく転がり込んできた。舞い上がる砂埃に思わずむせ返る。
「万千代の、勝ち」
勝敗が高らかに宣告され、沸き起こる喚声が平手の耳をつんざいた。土俵には、今の取組の勝者と思しき万千代なる少年が、手を振り上げて群衆の喝采に応えていた。投げ転がされて土を全身に張り付かせた少年の方は、決まりが悪そうにそそくさと脇へ捌けた。
どうやら力士はすべて子どもらしい。土俵のすぐ外側には、褌一丁の少年らが複数名、各人各様の態度で取組を見守っている。そのいずれもがからだの一部ないしほとんどを煤けさせたように汚していた。つまりは、これが敗者の証である。
「はて。あの黒助らの中に我が主もおわすか?」
平手が、目を細めて彼らを見分し始めたとき、
「道を開けよ」
未だ沸き続けていた歓声を切り裂くかのように、さらなる大音声が轟いた。平手を含めた誰もがその声の方を思わず向く。すると、声がした辺りの人壁が、平手があれほど必死に押しのけた頑強な群衆らが、やけに素直にするすると捌けていく。あっという間に、即席の花道が出来上がった。
そこを通って現れた少年の容貌は、良くも悪くも大いに人目を惹くものだった。髪を、茶筅髷と呼ばれる束ね方で箒のようにツンツンに巻き立てている。湯帷子という簡素な入浴着を羽織っているようだが、袖の部分がない。どうやら切り落として半袖にしているらしい。そのうえ、柿か何かをモチャモチャと頬張っているようだ。だらしない挙動を数えれば枚挙に暇がないが、そうかと思うと、髪紐は鮮やかな萌黄色、腰に拵えた太刀は、朱塗りの派手な代物と来ており、これらはずっとハイカラである。総じて、アベコベなのである。
初めてこの少年を見る者は、その姿にまず当惑させられるのが常だったが、この那古野城下においては、老若男女を問わず、例外なく、それが誰だか知っている。織田弾正忠家惣領・織田信秀が嫡男・織田三郎信長である。
天文十六年(一五四七年)・十四歳の信長は、「大うつけ(大馬鹿者)」で評判の、知らぬ者のいない、札付きの若殿様だった。
信長は、食べていた柿の種を土俵の上に目掛けてペッと勢いよく飛ばした。種はやまなりの弧を描いて、万千代のちょうどおなかに命中した。人を喰ったような信長の態度に、観衆の熱狂は最高潮に達した。「若!」と叫ぶ平手のしわがれ声などもはや誰にも聞こえていやしない。信長は、太刀を近侍の少年に預け、湯帷子を脱いで近くの木に投げつけると、跳躍して土俵に飛び乗った。
両者が対等に向かい合うと、どうやら体格では信長に分がある様子だ。万千代は背丈がそうなく、四肢も細い。顔つきを見るに、歳も信長よりいくらか下の雰囲気があり、風が吹けば飛ばされてしまいそうな少年だが、しかし、ここまで勝ち抜いてきた実績がある。先刻、万千代に敗退させられた少年らが信長に荒々しい声援を飛ばしている。それを受けた信長は、両手を広げて「来い」と怪鳥のように喚いた。仇討ちの闘志が両の眼にギラついている。
一瞬の静けさのなかに闘気が満ちる。機先を制したのは信長だった。万千代に張り手を一発見舞う。相手が怯むや否や、今度は、うんと低い姿勢から突進を仕掛けた。しかし、この二撃目がヒラリと躱されてしまった。それだけではない。万千代はすぐに信長の側面に回り込み、信長の右足をがっしりと掴んだ。ちょこざいな動きに思わず手が出そうになるのを堪え必死に相手を振りほどこうとする信長だが、どういうわけだかピクリともしない。このチビのどこにこんな力が秘められているのか? などと、一瞬、勝負の外に気が逸れた。まずい、と思ったときにはもう遅い。万千代は、まるで竿にかかった魚を釣り上げるかのように、一挙に信長の足をすくった。信長は、グルンと勢いよく回転し、先の少年同様にゴロゴロと無様に土俵を転がっていった。主君の敗北に、思わず「アッ!」と叫んだ平手、もはやただの観衆の一人である。
万千代への賞賛の喚声が飛び交う中、投げ飛ばされた信長は、突如、カエルのように跳び起きた。そして、「オノレ」と一言天に叫びんでから、目元をぐいと拭った。それが土か涙かわからないが、年下の、自分より小柄な万千代に敗北した屈辱が、身に染みているに違いない。
信長は、近侍の少年のところへ行き、預けていた太刀を受け取ると再び土俵に戻った。万千代へ向かってずんずん歩いて行く。
「おやめください、若!」
平手は、信長が万千代を切り殺すつもりだと思って慌てて駆け寄ったが、しかし、その太刀がこの場で鞘から抜かれることはなかった。
信長は太刀を突き出し、
「とっておけ」
突然のことに万千代は大いに戸惑った様子。
「勝ったヤツが変な顔をするな。受け取らねば、ほんとうに叩き斬ってしまうぞ」
ニヤつきながら半ば強引に、相手の胸に太刀を押し付けた。
万千代は受け取った太刀をまざまざと見た。高価なものだろうが、それよりも、別のあることに気がついた。信長を取り巻く黒助らの誰もが、類似の朱塗りの太刀ないし脇差などを身に着けているのだ。つまりは、この朱色の武具は信長一党の証を意味するものだった。
万千代は跪いて平伏したが信長はそれ以上取り合わなかった。
「サア。今日はお終いだ。いつまでも見てるんじゃねえや」
観衆の方に向き直り、まだわずかばり残っていた屈辱を叫んで散らした。
ちょうど観衆から一歩踏み出たところに、よく見知ったしかめ面があることに、信長はようやく気付いた。
「政秀か」
「そうです」
半ば放心の平手は、はじめそう答えるのが精いっぱい。
「相撲というのを見様見真似でやってみたのだ。キサマはくるのが遅いな。もういま終わったところさ」
「いいえ。まったくちょうど良いところでした。若にはこれから城へ戻っていただく火急の用がございます」
「何だね」
「美濃の斎藤勢と合戦です」
「きたか」
信長の口角がぐいと一段上がる。新しいオモチャを見つけた子どもの、爛々とした表情である。
「美濃にある味方の大柿城に、斎藤利政の軍勢が攻めかかりました。殿はすでに出陣なさいました。若もすぐに那古野城へお戻りください」
信長は湯帷子をサッと着ると、木陰に休ませていた自慢の駿馬に跳び乗った。
「美濃勢と戦だ! 城へ戻るぞ」
仲間たちに向けてそう叫び、誰をも待たず颯爽と駆け去った。
信長一党はすぐにその後を追ってドタバタ駆けだした。彼らは、信長自身が町村を駆けまわってかき集めた不良仲間たちだ。弾正忠家の配下にある武家や農家の、とりわけ家督継承の期待が薄い次男以下の少年たちが大半だが、暇と元気だけを持て余しており、「信長配下」というお墨付きで好き勝手に遊ぶことしか、ほとんど頭にない。その分、大将への信頼だけは厚いらしく、相撲だろうが、戦争だろうが、信長が行くなら自分もついていくという、すこしばかりネジの外れた愚連隊なのだった。
平手はこの信長一党を嫌った。ひと月ほど前、信長は三河へ出兵して初陣を飾ったが、その時すら、これらの不良仲間と共に敵方の村々を駆けまわったのである。戦いぶりは大胆で、「初陣にしては肝が据わっている」と多くの家老連中が褒めそやしたが、平手に言わせれば緊張感のないチンピラの群れに過ぎなかった。
「戦は遊びではありません。もう少し真剣になさいませ」
そう平手が諭したとき、信長は悪びれる様子もなく簡単にこう返した。
「遊びさ、死ぬまでの。オレは遊びにはいつも真剣さ」
「や。アレは」
百人を超えようかという群衆が取り囲む、その中央にあるのは土俵である。
土手を下りてしまうと、人の壁に遮られてもう内側はまるきり見えない。
「こりゃあ無理だが」
「上からの方がまだ見えるわ」
一足遅れた野次馬連中がぼやきながら退散していくが、平手はそれに同調するわけにはいかない。齢五十を超えた老骨を思うとすこし億劫ではあったが、そこは流石に武士の気風、覚悟を決めて人の壁に飛び込むと、エイエイ巧みに押しのけてついに最前列までこぎつけた。
そのとき、ちょうど、平手の眼前に少年が一人ゴロンと勢いよく転がり込んできた。舞い上がる砂埃に思わずむせ返る。
「万千代の、勝ち」
勝敗が高らかに宣告され、沸き起こる喚声が平手の耳をつんざいた。土俵には、今の取組の勝者と思しき万千代なる少年が、手を振り上げて群衆の喝采に応えていた。投げ転がされて土を全身に張り付かせた少年の方は、決まりが悪そうにそそくさと脇へ捌けた。
どうやら力士はすべて子どもらしい。土俵のすぐ外側には、褌一丁の少年らが複数名、各人各様の態度で取組を見守っている。そのいずれもがからだの一部ないしほとんどを煤けさせたように汚していた。つまりは、これが敗者の証である。
「はて。あの黒助らの中に我が主もおわすか?」
平手が、目を細めて彼らを見分し始めたとき、
「道を開けよ」
未だ沸き続けていた歓声を切り裂くかのように、さらなる大音声が轟いた。平手を含めた誰もがその声の方を思わず向く。すると、声がした辺りの人壁が、平手があれほど必死に押しのけた頑強な群衆らが、やけに素直にするすると捌けていく。あっという間に、即席の花道が出来上がった。
そこを通って現れた少年の容貌は、良くも悪くも大いに人目を惹くものだった。髪を、茶筅髷と呼ばれる束ね方で箒のようにツンツンに巻き立てている。湯帷子という簡素な入浴着を羽織っているようだが、袖の部分がない。どうやら切り落として半袖にしているらしい。そのうえ、柿か何かをモチャモチャと頬張っているようだ。だらしない挙動を数えれば枚挙に暇がないが、そうかと思うと、髪紐は鮮やかな萌黄色、腰に拵えた太刀は、朱塗りの派手な代物と来ており、これらはずっとハイカラである。総じて、アベコベなのである。
初めてこの少年を見る者は、その姿にまず当惑させられるのが常だったが、この那古野城下においては、老若男女を問わず、例外なく、それが誰だか知っている。織田弾正忠家惣領・織田信秀が嫡男・織田三郎信長である。
天文十六年(一五四七年)・十四歳の信長は、「大うつけ(大馬鹿者)」で評判の、知らぬ者のいない、札付きの若殿様だった。
信長は、食べていた柿の種を土俵の上に目掛けてペッと勢いよく飛ばした。種はやまなりの弧を描いて、万千代のちょうどおなかに命中した。人を喰ったような信長の態度に、観衆の熱狂は最高潮に達した。「若!」と叫ぶ平手のしわがれ声などもはや誰にも聞こえていやしない。信長は、太刀を近侍の少年に預け、湯帷子を脱いで近くの木に投げつけると、跳躍して土俵に飛び乗った。
両者が対等に向かい合うと、どうやら体格では信長に分がある様子だ。万千代は背丈がそうなく、四肢も細い。顔つきを見るに、歳も信長よりいくらか下の雰囲気があり、風が吹けば飛ばされてしまいそうな少年だが、しかし、ここまで勝ち抜いてきた実績がある。先刻、万千代に敗退させられた少年らが信長に荒々しい声援を飛ばしている。それを受けた信長は、両手を広げて「来い」と怪鳥のように喚いた。仇討ちの闘志が両の眼にギラついている。
一瞬の静けさのなかに闘気が満ちる。機先を制したのは信長だった。万千代に張り手を一発見舞う。相手が怯むや否や、今度は、うんと低い姿勢から突進を仕掛けた。しかし、この二撃目がヒラリと躱されてしまった。それだけではない。万千代はすぐに信長の側面に回り込み、信長の右足をがっしりと掴んだ。ちょこざいな動きに思わず手が出そうになるのを堪え必死に相手を振りほどこうとする信長だが、どういうわけだかピクリともしない。このチビのどこにこんな力が秘められているのか? などと、一瞬、勝負の外に気が逸れた。まずい、と思ったときにはもう遅い。万千代は、まるで竿にかかった魚を釣り上げるかのように、一挙に信長の足をすくった。信長は、グルンと勢いよく回転し、先の少年同様にゴロゴロと無様に土俵を転がっていった。主君の敗北に、思わず「アッ!」と叫んだ平手、もはやただの観衆の一人である。
万千代への賞賛の喚声が飛び交う中、投げ飛ばされた信長は、突如、カエルのように跳び起きた。そして、「オノレ」と一言天に叫びんでから、目元をぐいと拭った。それが土か涙かわからないが、年下の、自分より小柄な万千代に敗北した屈辱が、身に染みているに違いない。
信長は、近侍の少年のところへ行き、預けていた太刀を受け取ると再び土俵に戻った。万千代へ向かってずんずん歩いて行く。
「おやめください、若!」
平手は、信長が万千代を切り殺すつもりだと思って慌てて駆け寄ったが、しかし、その太刀がこの場で鞘から抜かれることはなかった。
信長は太刀を突き出し、
「とっておけ」
突然のことに万千代は大いに戸惑った様子。
「勝ったヤツが変な顔をするな。受け取らねば、ほんとうに叩き斬ってしまうぞ」
ニヤつきながら半ば強引に、相手の胸に太刀を押し付けた。
万千代は受け取った太刀をまざまざと見た。高価なものだろうが、それよりも、別のあることに気がついた。信長を取り巻く黒助らの誰もが、類似の朱塗りの太刀ないし脇差などを身に着けているのだ。つまりは、この朱色の武具は信長一党の証を意味するものだった。
万千代は跪いて平伏したが信長はそれ以上取り合わなかった。
「サア。今日はお終いだ。いつまでも見てるんじゃねえや」
観衆の方に向き直り、まだわずかばり残っていた屈辱を叫んで散らした。
ちょうど観衆から一歩踏み出たところに、よく見知ったしかめ面があることに、信長はようやく気付いた。
「政秀か」
「そうです」
半ば放心の平手は、はじめそう答えるのが精いっぱい。
「相撲というのを見様見真似でやってみたのだ。キサマはくるのが遅いな。もういま終わったところさ」
「いいえ。まったくちょうど良いところでした。若にはこれから城へ戻っていただく火急の用がございます」
「何だね」
「美濃の斎藤勢と合戦です」
「きたか」
信長の口角がぐいと一段上がる。新しいオモチャを見つけた子どもの、爛々とした表情である。
「美濃にある味方の大柿城に、斎藤利政の軍勢が攻めかかりました。殿はすでに出陣なさいました。若もすぐに那古野城へお戻りください」
信長は湯帷子をサッと着ると、木陰に休ませていた自慢の駿馬に跳び乗った。
「美濃勢と戦だ! 城へ戻るぞ」
仲間たちに向けてそう叫び、誰をも待たず颯爽と駆け去った。
信長一党はすぐにその後を追ってドタバタ駆けだした。彼らは、信長自身が町村を駆けまわってかき集めた不良仲間たちだ。弾正忠家の配下にある武家や農家の、とりわけ家督継承の期待が薄い次男以下の少年たちが大半だが、暇と元気だけを持て余しており、「信長配下」というお墨付きで好き勝手に遊ぶことしか、ほとんど頭にない。その分、大将への信頼だけは厚いらしく、相撲だろうが、戦争だろうが、信長が行くなら自分もついていくという、すこしばかりネジの外れた愚連隊なのだった。
平手はこの信長一党を嫌った。ひと月ほど前、信長は三河へ出兵して初陣を飾ったが、その時すら、これらの不良仲間と共に敵方の村々を駆けまわったのである。戦いぶりは大胆で、「初陣にしては肝が据わっている」と多くの家老連中が褒めそやしたが、平手に言わせれば緊張感のないチンピラの群れに過ぎなかった。
「戦は遊びではありません。もう少し真剣になさいませ」
そう平手が諭したとき、信長は悪びれる様子もなく簡単にこう返した。
「遊びさ、死ぬまでの。オレは遊びにはいつも真剣さ」
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