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(48)プライドありの競技場2

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次の練習は200m+200mを7セット。
+間は200mを歩き、1つの組10人で走るが、最初の練習同様、要が余ってしまうため11人で走る組が1つある。

この練習での一緒に走る組のメンバーは10分間自分たちで決めていいと伝えられたため、僕は要の元へ行こうとしたが、

「太陽、同じ組になろう笑」
背後から来た航太先輩に声をかけられた。

航太先輩は右京先輩と同じ学校の選手で、今年僕がマネージャーとして参加した夏合宿で競争を挑まれ、結果的には僕が勝つことができた。

でもその実力はとても高い。

「分かりました!」
僕は声をかけてくれた嬉しさもあったためこの練習は航太先輩と競争しようと心に決めた。

最終的に僕の組は10人で知っている選手は航太先輩のみだった。

そして23組中の僕の組は23組目で最後の組だった。


1セット目。

僕よりも前の組で走っていた涼介、颯、豪、健太、太晟、要、右京先輩はそれぞれの組で当たり前のように先頭で走っていた。

そして僕の組の番、僕は航太先輩の隣でスタート位置に着きスタートした。

スタートと同時に僕は先頭に出る。

そして背後から1人の足音、航太先輩だ。

その足音は背後から自分の後ろ斜めから聞こえるようになり、残り120mの地点では隣から聞こえていた。

僕は焦らず力みすぎないこと、地面との接地を意識して走り続けた。

結果は同時にゴール。

その後も4セット目が終わるまで僕と航太先輩は同時にゴールしていた。

僕たちの組の順番が来るまでは航太先輩からアドバイスを受けたりなどしながら他の組の応援をしていた。

これまでのセットと
変化を見せたのは5セット目だった。

それは僕の組ではなく、要のいる組だった。

これまでのセットで要はスタートから先頭に出て、その位置のままゴールしていた。

しかし5セット目、スタートで要よりも何人かが前に出た。

そのスタートはこれから200mを走ると言うよりかは30mや40mを走るかのように初速から全身を使い力強く地面を蹴っている。

それはまだ高校生でない要に対してのプライド…

先輩としていつまでも簡単に先頭を取らせないという気持ちが走りを見て伝わってくる。


それでも要は先頭に出てゴールした。



僕の組の5セット目。


僕は今までのセットよりもスタートから足の回転を上げて先頭に出る。


そのまま力まず地面との接地の力を借りて前傾姿勢で前に進む。

結果、航太先輩と10mほどの差をつけてゴールした。

「おい、太陽…何か掴んだな?」
航太先輩が言った。

「自分でも分からないですけど、そんな気がします。」
僕はそう返した。

「この瞬間にも成長してるのか…笑」
そう航太先輩は言って

「頑張っていきましょうーー!!!」
少し僕に腹が立ったのか大きな声で競技場内を盛り上げた。


そして6セット目まで終わり、




7セット目、最後のセットに入った。
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