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(35)来る気配

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文化祭2日目。

今日も僕は学校に到着したら冷蔵庫へ行き、材料をグラウンドにある屋台へ持っていく。

ところが、午前中分の材料が無くなっていたので何も持たないままクラスの屋台へ行くと、材料はもう運ばれていて、既に何人分かの焼きそばとお好み焼きが作られ、プラスチックの容器に入れられ、輪ゴムで割り箸と一緒に止められていた。

「太陽、おはよう~」
クラスメイトの男子が声をかけてくる。

「おはよう、今日は早いね、」
僕が困惑した様子で言う。

「今日は昨日よりも大勢の人が来るかもしれないから準備を早めにした。」
クラスメイトの男子がそう返す。

今日の午前中クラスの屋台の当番であるクラスメイト達が連絡など取り合って決めたのだろう。

確かに文化祭最終日である2日目に来る人の方が多いかもしれない、

「太陽、おはよう。」
涼介が声をかけてきた。

「涼介、疲れはとれたか?」
僕はそう返し、

「おかげさまでな笑」
笑顔で涼介は言った。

「涼介、昨日はお疲れ様ー!」
クラスメイトみんなが涼介に言う。

「ありがとう笑」
涼介は少し照れながら言った。

すると陸上競技部の全員が一斉にグラウンドに出てきた。

そしてメジャーで100mを測り、ラインを引いた。

そして出し物の看板を立て、100mを一緒に走りましょう!ジョギングでも構いません。割引券をプレゼントします。

と、そこには書かれていた。

「涼介あれ、どういうことだ。」
僕が聞くと、

「あー笑、走るのが得意じゃない人でも参加しやすいようにしたんだ。割引券も沢山用意してある。」
涼介がそう答えた。

「そうなのか、確かにそれならわざわざ本気で走る必要も無いから陸上競技部としても身体的に優しいな。」
僕はそう返した。

そして2日目の文化祭がスタートした。

クラスメイトの予想通り昨日に比べて文化祭に訪れる人は多くいて、颯、豪、健太も来ていた。

昨日の挑戦者との競走の後、颯、豪、健太は帰ったため、あまり会話はできずにいた。


「太陽~焼きそば食べたい笑」
颯が言う。

「俺はお好み焼きだなー笑」
健太が言う。

「お前ら笑、じゃあ俺も笑」
豪が言う。

「いいよ、屋台に来い!笑」
僕はそう返した。

そして今焼きそばとお好み焼きを作る係のクラスメイトに事情を話し、僕は焼きそばとお好み焼きを作った。

「上手いなー笑」

「マネージャーは料理も美味いのか笑」
颯と健太が言う。

「太陽~美味しいよ笑」
豪も続けて言った。

すると「マネージャーの友達!、ピザはどうだー?」

「おーいじゃがバターもあるぞー笑」

まるで昨日の僕みたいに、颯、豪、健太が声をかけられ、言われるがままに買って食べた。


さーって……

今日も文化祭頑張りますか笑。


僕がそんなことを考えている頃……


文化祭へ向かう右京先輩は、「目的地で待ち合わせな、」とメールを打った。

そのメールの宛名は……



                   要(かなめ)


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