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(31)始まる祭り
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それから何日か経ち、夏休みが終わって秋に向かう今の時期はこの学校では文化祭というものがある。
と言ってもそれは他の学校も同じで、今までは部活に入部している生徒が放課後学校に残るが、文化祭が近づくにつれて部活に入部していない生徒も放課後学校に残り、文化祭のための準備を進める。
僕のクラスは焼きそばとお好み焼きの屋台を校庭に出すらしい。
だから僕含め、その他のクラスメイトは校庭でその屋台の外観を作っている。
もちろん涼介や太晟は今まで通り部活の練習をしていて、僕が文化祭の準備をしているこの位置からよく見える。
文化祭までは残り3日。
僕はクラスメイトとダンボールを画用紙を使って屋台の看板を作っている。
「太陽くん!太陽くんは陸上競技部に入らないの?」
そう聞いてきたのはクラスメイトの女子だ。
僕はこの間の体育でできるだけ目立たないことに成功したが、涼介や太晟と同等に走ったことはタイムとしても表れているため前よりも僕に興味を示す人が多くなった。
「入らないよ。」
僕は平然にそう答えた。
「そっかーあんなに速かったのに笑」
そう少し笑いながら返してきたが、僕はそれ以上何も言わなかった。
そしてほんの何分で看板が出来上がった。
大きく「焼きそば。お好み焼き。」
と書いて焼きそばの文字の下には「ソース。塩。」と書き、お好み焼きの文字の下には「鰹節(カツオ)。明太子。ベーコン。」と書いた。
「ちょっと~太陽くん、お好み焼きの種類なんてまだ決めてないよ!」
先程の女子がそう言ってきた。
「あ、そうだったな。」
僕はその看板を捨てようとしたが、
「でもこれでいい!笑」
そう女子が言ってきたので、捨てずにその看板を建てた。
「おーーい!太陽ー!焼きそばの塩くださーい笑」
練習の休み時間中の涼介がそう叫んできた。
涼介ら陸上競技部が練習している場所は僕の位置から80mほどはありそうだが、そこからでも見えるくらい看板の文字は大きかった。
「俺もくれー!」
続けて陸上競技部の先輩方が叫び出した。
陸上競技部の先輩方とは合宿の時に話す機会もあったため、知っている。
「3日後にどうぞー!」
僕は心の中で笑いながら棒読みな言い方でそう返した。
陸上競技部のみんなは笑みを浮かべながら練習を続けていた。
そして次の日も僕は屋台の準備をしていた。
もちろん涼介と太晟はグラウンドで練習をしている。
そんな時僕が目に入ったのは涼介と太晟が横に並んでこれから約60mの距離を走るところだった。
その後驚いたのは勝ったのが太晟だということだった、練習だから涼介は少し気持ち楽に走ったのかもしれないが、太晟に簡単に前を譲るような性格ではない気がした。
「太陽くん、どうしたの?」
同じく屋台の準備をしているクラスメイトの女子が声をかけてきた。
「いや、なんでもないよ。」
僕はそう答え屋台の準備を続けた。
残り1日となった次の日、僕は放課後焼きそばとお好み焼きの材料などを買い、学校の冷蔵庫にしまった。
そして屋台のあるグラウンドの方へ行くと、陸上競技部が集まっていた。
陸上競技部は練習ではなく、何か自分たちが練習で使っている場所に看板を立てていた。
そこには「僕達と競走しましょう。勝ったら文化祭で使える割引券を差し上げます。」と書かれていた。
陸上競技部は来年の部員勧誘と共にこの文化祭を盛り上げる気らしい。
「お!太陽、来てたのか。」
涼介がそう声をかけながら近づく。
「よく考えたな笑、でも人数が多かったら体力的に辛くない?」
僕はそう聞いたが、
「そんなに来ないでしょ、わざわざ走りたい人なんて笑」
と涼介は言った。
「まぁ、そうかもな笑」
僕は少し笑みを浮かべながらそう返した。
僕たちの学校の文化祭は2日間行われることになっている。
文化祭で何か買う場合は現金を文化祭用の券に換えてもらいその券で買うことができる。
ついに明日は当日。
でも、まさかあんなことになるなんて思ってもいなかった……
と言ってもそれは他の学校も同じで、今までは部活に入部している生徒が放課後学校に残るが、文化祭が近づくにつれて部活に入部していない生徒も放課後学校に残り、文化祭のための準備を進める。
僕のクラスは焼きそばとお好み焼きの屋台を校庭に出すらしい。
だから僕含め、その他のクラスメイトは校庭でその屋台の外観を作っている。
もちろん涼介や太晟は今まで通り部活の練習をしていて、僕が文化祭の準備をしているこの位置からよく見える。
文化祭までは残り3日。
僕はクラスメイトとダンボールを画用紙を使って屋台の看板を作っている。
「太陽くん!太陽くんは陸上競技部に入らないの?」
そう聞いてきたのはクラスメイトの女子だ。
僕はこの間の体育でできるだけ目立たないことに成功したが、涼介や太晟と同等に走ったことはタイムとしても表れているため前よりも僕に興味を示す人が多くなった。
「入らないよ。」
僕は平然にそう答えた。
「そっかーあんなに速かったのに笑」
そう少し笑いながら返してきたが、僕はそれ以上何も言わなかった。
そしてほんの何分で看板が出来上がった。
大きく「焼きそば。お好み焼き。」
と書いて焼きそばの文字の下には「ソース。塩。」と書き、お好み焼きの文字の下には「鰹節(カツオ)。明太子。ベーコン。」と書いた。
「ちょっと~太陽くん、お好み焼きの種類なんてまだ決めてないよ!」
先程の女子がそう言ってきた。
「あ、そうだったな。」
僕はその看板を捨てようとしたが、
「でもこれでいい!笑」
そう女子が言ってきたので、捨てずにその看板を建てた。
「おーーい!太陽ー!焼きそばの塩くださーい笑」
練習の休み時間中の涼介がそう叫んできた。
涼介ら陸上競技部が練習している場所は僕の位置から80mほどはありそうだが、そこからでも見えるくらい看板の文字は大きかった。
「俺もくれー!」
続けて陸上競技部の先輩方が叫び出した。
陸上競技部の先輩方とは合宿の時に話す機会もあったため、知っている。
「3日後にどうぞー!」
僕は心の中で笑いながら棒読みな言い方でそう返した。
陸上競技部のみんなは笑みを浮かべながら練習を続けていた。
そして次の日も僕は屋台の準備をしていた。
もちろん涼介と太晟はグラウンドで練習をしている。
そんな時僕が目に入ったのは涼介と太晟が横に並んでこれから約60mの距離を走るところだった。
その後驚いたのは勝ったのが太晟だということだった、練習だから涼介は少し気持ち楽に走ったのかもしれないが、太晟に簡単に前を譲るような性格ではない気がした。
「太陽くん、どうしたの?」
同じく屋台の準備をしているクラスメイトの女子が声をかけてきた。
「いや、なんでもないよ。」
僕はそう答え屋台の準備を続けた。
残り1日となった次の日、僕は放課後焼きそばとお好み焼きの材料などを買い、学校の冷蔵庫にしまった。
そして屋台のあるグラウンドの方へ行くと、陸上競技部が集まっていた。
陸上競技部は練習ではなく、何か自分たちが練習で使っている場所に看板を立てていた。
そこには「僕達と競走しましょう。勝ったら文化祭で使える割引券を差し上げます。」と書かれていた。
陸上競技部は来年の部員勧誘と共にこの文化祭を盛り上げる気らしい。
「お!太陽、来てたのか。」
涼介がそう声をかけながら近づく。
「よく考えたな笑、でも人数が多かったら体力的に辛くない?」
僕はそう聞いたが、
「そんなに来ないでしょ、わざわざ走りたい人なんて笑」
と涼介は言った。
「まぁ、そうかもな笑」
僕は少し笑みを浮かべながらそう返した。
僕たちの学校の文化祭は2日間行われることになっている。
文化祭で何か買う場合は現金を文化祭用の券に換えてもらいその券で買うことができる。
ついに明日は当日。
でも、まさかあんなことになるなんて思ってもいなかった……
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