聖女の紋章 転生?少女は女神の加護と前世の知識で無双する わたしは聖女ではありません。公爵令嬢です!

幸之丞

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領地繁栄編

29話 ファリカ。司会を続ける

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29話 ファリカ。司会を続ける

「お姉様とリーサお姉様の組から、次の料理」

ファリカは途中で説明を辞めてしましました。

「お姉様。この料理はスペアリブに見えるのですが、いつもと違う様に思うのです。スペアリブで合っているのですか?」

「ファリカ、ホルダ。よく気づいたわね。これを食べてみて」
私は、ファリカとホルダに焼き上がったばかりのスペアリブを渡しました。

ファリカとホルダはお行儀が悪いですが、スペアリブをぐいっと握りしめ、口に運びました。

「や、柔らかいのです」
「ブルブルして美味しいでーすぅ」

ファリカとホルダはむしゃむしゃと食べ始めました。
「「ゴックン」」
二人はスペアリブを飲み込みました。

「このまま、食べていると司会の座を、シアナお姉さんとヘタレなレオンにとられてしまうのです。
進行を続けるのです」
ファリカとホルダは、口の周りについたタレを使用人に拭いてもらいました。

「お姉様とリーサお姉様の このスペアリブ。今までにない柔らかさなのです。
味もしっかりと入っていてとても美味しいのです。
ここで、お姉様とリーサお姉様に、いいえ、この料理法を考えたのは、“腹ぺこ令嬢”のリーサお姉様の訳がないのです。
この先は面倒なので、お姉様だけに聞くのです」

リーサを見ると、口の周りにスペアリブのタレがちょっとついています。
ファリカはそれを見逃さなかったのでしょう。

「お姉様。なぜこのように、このスペアリブは、するりとお肉とお骨がお別れするのですか?」

「ファリカ。それはね」
私は秘密のポケットから、秘密の鍋を取り出しました。
この鍋は、鍋と蓋がぴったりとくっ付くように出来ていて、火をかけると圧力がかかるようになっているの」

「圧力なのですか?」

「そうよ。お肉にギュッと力をかけて、鍋の中の温度をいつも以上に上げて、お肉が柔らかくなる時間を短縮して、そして、肉が骨から剥がれやすくしたのよ」

「すごいのです。これは、料理人達が喜ぶのです。
シチューなどの煮込み料理のお肉も柔らかくなるのです」

「そうよ。これで料理人達はシチューを寝ずの番をして、柔らかくすることがなくなるのよ。
話は戻すけれども、秘密の鍋をこの後、圧力鍋と呼ぶわね
この圧力鍋を使って肉を柔らかくした後に、タレにつけておいて、先程炭で焼いてタレを塗ったの」

「なるほどなのです。
今までのスペアリブよりも、皆が食べやすいように一工夫したのですね?」

「その通りですよ。ファリカ」

「では、もう一つ質問なのです。
スペアリブは今まで塩味が多かったのですが、お姉様が料理したスペアリブは、今まで食べたことのない美味しい味だったのです。
この味の秘密を教えて欲しいのです」

「ふふふ。あのタレはね」




次回へ続く

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『転生して何故か聖女なった私は、婚約破棄されたうえに、聖女を解任される。「え?」 婚約者様。勝手に聖女を解任して大丈夫? 後は知りませんよ』というタイトルで物語をはじめました。44話で完結予定の物語です。
良ければ一読ください。 
宣伝でした。幸之丞
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