330 / 351
領地繁栄編
19話 マチルダを連れて来たよ
しおりを挟む
19話 マチルダを連れて来たよ
「マチルダ。出しなさい」
私は借金取りよろしくマチルダを脅しました。
「あなた、昨日わざわざオッソに行ってリーサをたぶらかせたわね。
だから、あなたに渡していたブランドとりを回収させて貰うわ」
「ま、待つのだ。エルーシア!
私は無罪なのだ。とりは食べたけれど、それはリーサがお腹を空かしていたからなのだ」
「ふん。でも、漬け込んだとり肉でなくても大丈夫だったはずよ、リーサもあなたもオーク肉や、高級ブランドのお肉もあったはずよ。
しかもオッソなら海鮮もあったはずよ」
私は、ものすごく冷たい目をして、女神フレイヤ様からいただいた、五輪の刀を鞘につけたまま持ち、肩にトントンと何度もあてて、マチルダに圧をかけました。
「ご、ごめんなのだ」
マチルダは、ブランド肉をどんと私に渡して来ました。
「マチルダは、今日夕飯抜きね」
マチルダはがくりと肩を落としました。
私はお肉を上に飛ばし、シャキーンシャキーンと五輪の刀を使って三〇グラムに切六十切れ、十五グラムに沢山切り分けました。
「また、つまらぬ物を斬ってしまった」
私は思わず、口ずさんでしまいました。
あ!私の刀は“斬鉄剣”ではなくて、五輪の刀でしたわ!
「グイダ、お野菜もこのお肉達の長さに合わせてカットするようにみんなに伝えて。
そして串にお肉と野菜を交互に刺すのよ」
「エルーシア様承知でーす!」
グイダは久しぶりの出番なのに、気が抜けるような声が返ってきました。
串差ししたお肉とお野菜を、火起こしが終わった焼き台の網の上にのせて、その上から蓋をしました。
「エルーシアなぜ、蓋をするのかしら?」
リーサの頭には“?”が見えます。
「蒸し焼きに近くなるかと思って蓋をしたのです。
炭焼きですから熱が材料全体に熱が回るはずですが、蒸し焼きにすると、フワッとするかと思ったのです」
「へえ。そうですか?
あるからとりあえず使ってみた訳じゃないのですね?」
(あれ?何故かばれている)
「そんなわけないじゃないですか。この焼き方で、柔らかく焼いて仕上げにある者の力をかりますわ」
私は、ちょっと汗をかいてしまいました。
「あら、どうするの?」
「それは、今は、秘密です。
次は、私のカットしたお肉と野菜を刺した串焼きを焼きますわよ」
私の切ったとり肉は、塩と胡椒だけのシンプルな味付けにしました。
野菜は日本での長ネギとそっくりな物ですので、今後長ネギと呼びます。
因みに今焼いているのは、お酒とお醤油と香味野菜で下味をつけ、焼き上がりに蜂蜜を軽く塗ります。
そうこうしているうちに、最初に焼いていた串をひっくり返して再び焼き上げました。
そろそろ焼き上がるわね、
「マチルダ手伝って」
「何なのだ?何をするのだ!」
「この焼き上がってきたお肉を、あなたの吐く炎でパリッとして欲しいの。
そして最後の仕上げに蜂蜜を多めにしたタレを塗って出来上がり」
「やっと私の出番が来たのだ。今までは、母のエアデばかり活躍したのだ。
不満だったのだ!」
ブフォオオオオ!
パリッとした串焼きにタレをサッと塗って、容器にいれて、秘密のポケットに入れたのでした。
(これで、何時取り出しても、焼きたて出来たてですわ)
「マチルダ。出しなさい」
私は借金取りよろしくマチルダを脅しました。
「あなた、昨日わざわざオッソに行ってリーサをたぶらかせたわね。
だから、あなたに渡していたブランドとりを回収させて貰うわ」
「ま、待つのだ。エルーシア!
私は無罪なのだ。とりは食べたけれど、それはリーサがお腹を空かしていたからなのだ」
「ふん。でも、漬け込んだとり肉でなくても大丈夫だったはずよ、リーサもあなたもオーク肉や、高級ブランドのお肉もあったはずよ。
しかもオッソなら海鮮もあったはずよ」
私は、ものすごく冷たい目をして、女神フレイヤ様からいただいた、五輪の刀を鞘につけたまま持ち、肩にトントンと何度もあてて、マチルダに圧をかけました。
「ご、ごめんなのだ」
マチルダは、ブランド肉をどんと私に渡して来ました。
「マチルダは、今日夕飯抜きね」
マチルダはがくりと肩を落としました。
私はお肉を上に飛ばし、シャキーンシャキーンと五輪の刀を使って三〇グラムに切六十切れ、十五グラムに沢山切り分けました。
「また、つまらぬ物を斬ってしまった」
私は思わず、口ずさんでしまいました。
あ!私の刀は“斬鉄剣”ではなくて、五輪の刀でしたわ!
「グイダ、お野菜もこのお肉達の長さに合わせてカットするようにみんなに伝えて。
そして串にお肉と野菜を交互に刺すのよ」
「エルーシア様承知でーす!」
グイダは久しぶりの出番なのに、気が抜けるような声が返ってきました。
串差ししたお肉とお野菜を、火起こしが終わった焼き台の網の上にのせて、その上から蓋をしました。
「エルーシアなぜ、蓋をするのかしら?」
リーサの頭には“?”が見えます。
「蒸し焼きに近くなるかと思って蓋をしたのです。
炭焼きですから熱が材料全体に熱が回るはずですが、蒸し焼きにすると、フワッとするかと思ったのです」
「へえ。そうですか?
あるからとりあえず使ってみた訳じゃないのですね?」
(あれ?何故かばれている)
「そんなわけないじゃないですか。この焼き方で、柔らかく焼いて仕上げにある者の力をかりますわ」
私は、ちょっと汗をかいてしまいました。
「あら、どうするの?」
「それは、今は、秘密です。
次は、私のカットしたお肉と野菜を刺した串焼きを焼きますわよ」
私の切ったとり肉は、塩と胡椒だけのシンプルな味付けにしました。
野菜は日本での長ネギとそっくりな物ですので、今後長ネギと呼びます。
因みに今焼いているのは、お酒とお醤油と香味野菜で下味をつけ、焼き上がりに蜂蜜を軽く塗ります。
そうこうしているうちに、最初に焼いていた串をひっくり返して再び焼き上げました。
そろそろ焼き上がるわね、
「マチルダ手伝って」
「何なのだ?何をするのだ!」
「この焼き上がってきたお肉を、あなたの吐く炎でパリッとして欲しいの。
そして最後の仕上げに蜂蜜を多めにしたタレを塗って出来上がり」
「やっと私の出番が来たのだ。今までは、母のエアデばかり活躍したのだ。
不満だったのだ!」
ブフォオオオオ!
パリッとした串焼きにタレをサッと塗って、容器にいれて、秘密のポケットに入れたのでした。
(これで、何時取り出しても、焼きたて出来たてですわ)
61
あなたにおすすめの小説
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
ブックマーク・評価、宜しくお願いします。
間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“
瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
だが、死亡する原因には不可解な点が…
数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、
神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています
召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!
にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。
そう、ノエールは転生者だったのだ。
そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる