聖女の紋章 転生？少女は女神の加護と前世の知識で無双する わたしは聖女ではありません。公爵令嬢です！

領地繁栄編

10話 お見合いパーティー エルーシアの挨拶

10話　お見合いパーティー　エルーシアの挨拶


「みんな～！　恋したっていいじゃない～！」

しーーーーーーーーん

カチャカチャ　カチャカチャ

お世話係が、食器を動かす音が聞こえるほど静まりかえってしまいました。

「う　んんん」
私は一度咳払いをして

「皆様。私が何か叫んだら　｢オー｣とか｢イェイー｣とか言って返してください。
それではもう一度｣

私は固まっているみんなを見ました。

｢みんなー！　緊張していますかー？｣
『オ、オー』
と小さな声が返ってきました。

｢男子のみんなー！　いつもより格好いいぞー！｣
『オオー』　『イェイー』
どうやら男性はみんな乗ってきたようです。

｢女子のみんなー！とっても綺麗ですわー！｣
野太い声で『オオー！』と聞こえてきました。
『ふふふ』　『えへへ』
女子達は照れ笑いをしています。

｢みんなー！
結婚して新居を建てたいかーーー！｣

『ハーーーイ』
女子達の声がホールに響きました。

｢可愛い奥さんと新居に住みたいかーーー！｣
『オオー！』
野太い声がホールに響きました。

｢みんなー！今から恋してもいいじゃない！｣
『いいじゃない！』
『いいじゃない！』
みんなノリノリになってきました。

｢フリーデンに家を建ててみんなで住むぞー！｣
『ハーイ！』
『オオー！』

｢家を建てるときの資金は、『プリンス・バンク』でかりるぞー！｣

『エルーシア頭取、金利安くしてー！』

｢ハーイ！｣
（あれ？　まあノリで言っちゃった！）

｢今宵は皆様、良いパートナーを見つけてくださいね。
では、皆様　『乾杯！』

｢｢｢｢｢カンパーイ！｣｣｣｣｣

皆様、グラスを目より少し高くして乾杯しました。
何故か、リーサが席に着いていたので、私はリーサの隣に座りました。

｢エルーシアちゃん。乾杯の挨拶ありがとうございます。
ここからはトークタイムです。
飲み物を飲みながら正面の方とお話しをしてください。
初回のトークタイムは、異性全員とお話しして頂きます。
それでは、トーク開始です｣

しーーーーーーーーん
カチャカチャ　カチャカチャ
あれ？
デジャブかしら？

超絶人見知りだった私は、お見合いパーティー参加者の気持ちがわかるのです。
急に見知らぬ人とおしゃべりしなさいって言われても無理なのですよ。

私は、まだ12歳ですが、世話好きのおばちゃんのように動きます。
｢みなさーん。自己紹介なので肩の力を抜いてね。
とりあえずは男性が女性に出身地を聞いてみましょう。
それで話が弾まなかったら私（エルーシア）のいいところを100コ言いましょう｣
私の100コのところで　どーっと皆様が笑い出して、会話がはじまりました。