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領地繁栄編
5話 あれ?フリード殿下がいないよ?
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5話 あれ?フリード殿下がいないよ?
授業がはじまって数時間後、廊下から話し声が聞こえます。
ガラガラガラ
教室の後ろのドアが開き、校長先生が入って来ました。
その後ろには、国王陛下、第一王妃殿下、第二王妃殿下、第二王子殿下そして叔父のオスカーが並んで入って来ました。
(あれ? 第二王子のヴァルデマー殿下はいるのに、第一王子のフリード殿下がいません。 まぁ 別にいなくてもいいですけれど)
「ソ、ソ ソフィア」
国王殿下は、目が飛び出るくらいに見開き、第一王女を見ています。
「あら?陛下。私がここで勉強をしていたのを知らなかったですか?」
「し、知らなかった。
でもよく受け入れられたな?」
「これも、校長のワーリン先生と担任のベルティーナ先生のおかげです。
見学に来たときに、私がここで勉強したいと申しましたら、すぐに椅子と机を用意してくださったのです」
「ほお。校長(ワーリン)よくぞ、ソフィアの我が儘を聞いてくれた。
感謝するぞ」
「いいえ、陛下。
ここの学び舎は、誰でも受け入れなさいとエルーシアちゃんが言っていましたのでそれを実践しただけです」
「そうか、さすがエルーシアちゃんだな」
「陛下。さすがではありませんわ。
聞いたところによると、陛下とマルグレーテ妃殿下は、この小等学校を視察したと言うではないですか?」
「お姉様。じゃなくて、ソフィア殿下。
私と兄のフリード殿下もここの視察に来ました」
「それではなぜ、この学校制度を王都に導入しなかったのですか?
確かに私も弟達も家庭教師が付いて、教えてもらっていますが、それはただ知識を頭に入れただけです。
ここでは、皆で考え答えを出す、ディスカッションというエルーシアが考えたことをやっているのです。
民の命を預かる私達は、市井の者がどの様な考えを持っているか、ここにいるとわかるのです」
「ほう なるほどの」
「『なるほどの』 ではありませんわ。
この小等学校を見て、王都にその制度を取り入れないとは、陛下と妃殿下は節穴ですか?」
「待って、ソフィア。
その件は私も調べてみたのですが、どうやら私達ベルティンブルグ家と違う考えをしている貴族達が大反対をしたようです。
そうですよね。陛下」
「な、なぜそのことをエルーシアちゃんが知っておるのだ。
派閥争いが激しくなると考え伏せていたのに」
「ふ ふ ふ」
私はゆっくりと笑った後、一度チラリとエッダを見て、もう一度陛下を見ました。
「『平民、市井の者は学ばなくてもいい、貴族の言う通りに動けばいいのだ』ですわよね。陛下」
「ぐっ」陛下は目を大きく見開いて私を見ました。
「そ、そこまで知っているとは?
だが、先日そのことで私達を批判したではないか?」
「ええ。そうですわね。王国民の利を選ぶことができない、決断が出来ない国王様」
「こ、コラ。エルーシアちゃん。いくら陛下が優柔不断のくそ野郎だとしても、それは言い過ぎだ」
「オスカー叔父様。
叔父様の方がキツいことをおっしゃっていますよ」
陛下の目に涙が貯まっています。
「あはははは。そうですね。私の方がキツかったですかね。
ちょっとストレスがたまっているので」
私は笑う宰相の叔父を見て、
「これ以上、国王陛下の印象を悪くしたらいけませんわ。
授業を続けてください副担任のヨーガン先生」
「そうですわ。先生授業を続けてください」
私に同意したリーサは、揚げたジャガイモが口の周りについていました。
授業がはじまって数時間後、廊下から話し声が聞こえます。
ガラガラガラ
教室の後ろのドアが開き、校長先生が入って来ました。
その後ろには、国王陛下、第一王妃殿下、第二王妃殿下、第二王子殿下そして叔父のオスカーが並んで入って来ました。
(あれ? 第二王子のヴァルデマー殿下はいるのに、第一王子のフリード殿下がいません。 まぁ 別にいなくてもいいですけれど)
「ソ、ソ ソフィア」
国王殿下は、目が飛び出るくらいに見開き、第一王女を見ています。
「あら?陛下。私がここで勉強をしていたのを知らなかったですか?」
「し、知らなかった。
でもよく受け入れられたな?」
「これも、校長のワーリン先生と担任のベルティーナ先生のおかげです。
見学に来たときに、私がここで勉強したいと申しましたら、すぐに椅子と机を用意してくださったのです」
「ほお。校長(ワーリン)よくぞ、ソフィアの我が儘を聞いてくれた。
感謝するぞ」
「いいえ、陛下。
ここの学び舎は、誰でも受け入れなさいとエルーシアちゃんが言っていましたのでそれを実践しただけです」
「そうか、さすがエルーシアちゃんだな」
「陛下。さすがではありませんわ。
聞いたところによると、陛下とマルグレーテ妃殿下は、この小等学校を視察したと言うではないですか?」
「お姉様。じゃなくて、ソフィア殿下。
私と兄のフリード殿下もここの視察に来ました」
「それではなぜ、この学校制度を王都に導入しなかったのですか?
確かに私も弟達も家庭教師が付いて、教えてもらっていますが、それはただ知識を頭に入れただけです。
ここでは、皆で考え答えを出す、ディスカッションというエルーシアが考えたことをやっているのです。
民の命を預かる私達は、市井の者がどの様な考えを持っているか、ここにいるとわかるのです」
「ほう なるほどの」
「『なるほどの』 ではありませんわ。
この小等学校を見て、王都にその制度を取り入れないとは、陛下と妃殿下は節穴ですか?」
「待って、ソフィア。
その件は私も調べてみたのですが、どうやら私達ベルティンブルグ家と違う考えをしている貴族達が大反対をしたようです。
そうですよね。陛下」
「な、なぜそのことをエルーシアちゃんが知っておるのだ。
派閥争いが激しくなると考え伏せていたのに」
「ふ ふ ふ」
私はゆっくりと笑った後、一度チラリとエッダを見て、もう一度陛下を見ました。
「『平民、市井の者は学ばなくてもいい、貴族の言う通りに動けばいいのだ』ですわよね。陛下」
「ぐっ」陛下は目を大きく見開いて私を見ました。
「そ、そこまで知っているとは?
だが、先日そのことで私達を批判したではないか?」
「ええ。そうですわね。王国民の利を選ぶことができない、決断が出来ない国王様」
「こ、コラ。エルーシアちゃん。いくら陛下が優柔不断のくそ野郎だとしても、それは言い過ぎだ」
「オスカー叔父様。
叔父様の方がキツいことをおっしゃっていますよ」
陛下の目に涙が貯まっています。
「あはははは。そうですね。私の方がキツかったですかね。
ちょっとストレスがたまっているので」
私は笑う宰相の叔父を見て、
「これ以上、国王陛下の印象を悪くしたらいけませんわ。
授業を続けてください副担任のヨーガン先生」
「そうですわ。先生授業を続けてください」
私に同意したリーサは、揚げたジャガイモが口の周りについていました。
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