聖女の紋章 転生?少女は女神の加護と前世の知識で無双する わたしは聖女ではありません。公爵令嬢です!

幸之丞

文字の大きさ
316 / 351
領地繁栄編

5話 あれ?フリード殿下がいないよ?

しおりを挟む
5話 あれ?フリード殿下がいないよ?

授業がはじまって数時間後、廊下から話し声が聞こえます。

ガラガラガラ

教室の後ろのドアが開き、校長先生が入って来ました。
その後ろには、国王陛下、第一王妃殿下、第二王妃殿下、第二王子殿下そして叔父のオスカーが並んで入って来ました。

(あれ? 第二王子のヴァルデマー殿下はいるのに、第一王子のフリード殿下がいません。 まぁ 別にいなくてもいいですけれど)

「ソ、ソ ソフィア」

国王殿下は、目が飛び出るくらいに見開き、第一王女を見ています。

「あら?陛下。私がここで勉強をしていたのを知らなかったですか?」

「し、知らなかった。
でもよく受け入れられたな?」

「これも、校長のワーリン先生と担任のベルティーナ先生のおかげです。
見学に来たときに、私がここで勉強したいと申しましたら、すぐに椅子と机を用意してくださったのです」

「ほお。校長(ワーリン)よくぞ、ソフィアの我が儘を聞いてくれた。
感謝するぞ」

「いいえ、陛下。
ここの学び舎は、誰でも受け入れなさいとエルーシアちゃんが言っていましたのでそれを実践しただけです」

「そうか、さすがエルーシアちゃんだな」

「陛下。さすがではありませんわ。
聞いたところによると、陛下とマルグレーテ妃殿下は、この小等学校を視察したと言うではないですか?」

「お姉様。じゃなくて、ソフィア殿下。
私と兄のフリード殿下もここの視察に来ました」

「それではなぜ、この学校制度を王都に導入しなかったのですか?
確かに私も弟達も家庭教師が付いて、教えてもらっていますが、それはただ知識を頭に入れただけです。
ここでは、皆で考え答えを出す、ディスカッションというエルーシアが考えたことをやっているのです。
民の命を預かる私達は、市井の者がどの様な考えを持っているか、ここにいるとわかるのです」

「ほう なるほどの」

「『なるほどの』 ではありませんわ。
この小等学校を見て、王都にその制度を取り入れないとは、陛下と妃殿下は節穴ですか?」

「待って、ソフィア。
その件は私も調べてみたのですが、どうやら私達ベルティンブルグ家と違う考えをしている貴族達が大反対をしたようです。
そうですよね。陛下」

「な、なぜそのことをエルーシアちゃんが知っておるのだ。
派閥争いが激しくなると考え伏せていたのに」

「ふ ふ ふ」
私はゆっくりと笑った後、一度チラリとエッダを見て、もう一度陛下を見ました。

「『平民、市井の者は学ばなくてもいい、貴族の言う通りに動けばいいのだ』ですわよね。陛下」

「ぐっ」陛下は目を大きく見開いて私を見ました。
「そ、そこまで知っているとは?
だが、先日そのことで私達を批判したではないか?」

「ええ。そうですわね。王国民の利を選ぶことができない、決断が出来ない国王様」

「こ、コラ。エルーシアちゃん。いくら陛下が優柔不断のくそ野郎だとしても、それは言い過ぎだ」

「オスカー叔父様。
叔父様の方がキツいことをおっしゃっていますよ」

陛下の目に涙が貯まっています。

「あはははは。そうですね。私の方がキツかったですかね。
ちょっとストレスがたまっているので」

私は笑う宰相の叔父を見て、
「これ以上、国王陛下の印象を悪くしたらいけませんわ。
授業を続けてください副担任のヨーガン先生」

「そうですわ。先生授業を続けてください」
私に同意したリーサは、揚げたジャガイモが口の周りについていました。



しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  ブックマーク・評価、宜しくお願いします。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!

にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。 そう、ノエールは転生者だったのだ。 そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」  突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、 手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、 だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎  神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“  瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・  転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?  だが、死亡する原因には不可解な点が…  数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、 神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?  様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、 目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“  そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪ *神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw) *投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい *この作品は“小説家になろう“にも掲載しています

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。

さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。 だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。 行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。 ――だが、誰も知らなかった。 ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。 襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。 「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。 俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。 無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!? のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!

召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。

SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない? その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。 ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。 せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。 こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。

処理中です...