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ベルティンブルグ派の貴族と夫人が、一度王都の屋敷に帰り、家族を連れてくるように促した後、ベルティンブルグ一家とオッドリアの家族が、応接室に残りファリカも合流いたしました。

「では、皆様私に付いてきてください」

わたしは、皆様を連れて、『転移の扉』の前まで誘導しました。

どどどーん!

「エルーシアちゃん。この立派な扉は、何なのだ?」
レナウド叔父様が目を見開いています。

「この扉の奥に何か秘密があるのかな?」
オドベード叔父様が好奇心丸出しで、口角を上げています。

「そうね。わたくしは、この扉が気になって夜も眠れませんでしたわ」
と舌をペロッとだす。お祖母様。

「では、皆様この扉を通って向こうに行ってください」

と私が言っても尻込みして誰も行きません。

「じゃファリカが行くのです」
スライムをお屋敷に入れてはいけないと言ったら、ファリカはグリフィンの赤ちゃんに跨がっています。
「え?いつ連れてきたの?」

「この子とはお友達なのです。スピードはスライムちゃんの方が早いけど、この子は飛べるのです」

(いいえ、貴女も風の精霊様の助けで飛べますよね?)

そう言ってファリカは、グリフィンの赤ちゃんに跨がったまま、扉の向こうに行きました。

「お姉様。グリフィンの赤ちゃんもこの扉を抜けて大丈夫だったのです」

(え?ファリカ。人間以外も通れるか実験したの?
マチルダが通ったから、人外も大丈夫だと私は知っていたわよ)

「皆様も、扉を通ってここに来てください。
私が通ったのです。驚く景色があるのです」

皆様は、ご自身のパートナーと顔を見合わせています。

まず、動いたのはお父様、リーカードとお母様のアルーシャでした。

「これは、エルーシアちゃんがシュタインに頼んで作った扉だな」
「使用人の玄関においていたので気になっていたのよね」

お父様が先にお母様があとから扉を潜りました。
「な、なんと」
「驚かないと決めていたけどこれは!」

その後に、お祖父様夫妻、オスカー叔父様夫妻、ギャロン夫妻、オドベード夫妻そして最後にレナウド夫妻とリーサが順に扉を通りました。
皆通った後、口をあんぐりと開けて目を白黒しています。
リーサだけは、まるでスライムちゃん達のようにぴょんぴょん跳びはねて喜んでいます。
(いつも冷静なリーサが飛び跳ねて、感情を表すなんて、この移転の扉の使い方に気づいたのかしら?)


立派な扉の向こうは、ベルンのお屋敷でした。

「エ、エルーシアちゃん。この扉は、移転を可能にする扉なのか?」

「はい、お祖父様。その通りでございます」

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