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「ベルティンブルグ産白ワインに合うように作られた、海鮮をたっぷり使ったオードブルです」

私はお酒が飲めないですし、飲んだこともないのですが、きっと海鮮は白ワインに合うのでしょう。

ホール係は説明します。
「最初に召し上がっていただきたいのは、大皿の手前に配置されています。
ホタテ貝ですが、オッドリアの海にリーニア河が流れ込んでいる水温の低いところでとられた天然の二枚貝です」

(オッドリアの領地は、温暖ですが、大きな河が二つ海につながっているところの水温が低いのよね。聖なる湖から流れ込んでいる水は本当に冷たいので、それがながれこんでいるのかしら?)

ホール係は続けます。
「その二枚貝のホタテの貝柱を、塩、胡椒を振り小麦粉をまぶしました。
ベルティンブルグで健康的に育てられた牛の乳をしぼって作ったバターをふんだんに使いフライパンでソテーしました。
最後にバルサミコ酢で作ったソースを上からかけています。
その横にあるのが、ジャガイモのガレットです
どうぞお召し上がりください」

マチルダは、説明を聞いた後、ゴクリと喉を鳴らした後、パクっと口に入れ下顎を上下に動かしました。
そして無言のまま、白ワインを口に注ぎました。

「う~ん。美味しいのだ。ホタテは、口の中でほろほろと崩れて、バルサミコ酢で作ったソースがホタテのおいしさを壊すことなく、バターの香りが鼻から抜けるのだ。
熟成を魔法でしたけれども、きちんと辛くてホタテの味を引きたるこの白ワインは、私に祝福の時を与えてくれるのだ!」

その声を皮切りに、ここの会場にいる皆さんが饒舌に料理の感想を言い合っています。
私の耳に入るのは、料理を絶賛する声と、ワインを購入したいと言う声がほとんどです。
バルサミコ酢って、酸っぱさを飛ばすだけで、お魚にもお肉にも合うソースを作る事が出来ます。
ママ(前世の母親)も一時期バルサミコ酢にハマってステーキソースを作ったりしていましたのでこの料理を思い出しました。
でもこのように色々な料理を作れるのは、レオンの力が大きいです。
あれ作りたい、これ作りたいと言うだけで色々と考えてくれて実現化するのですから。
彼の知識は本当にすごいです。
この場ではあまり関係ないのかも知れませんが、この世界では、オリーブオイルがすでにありました。
でも大変高額です。
私は、味噌と醤油を作ろうと家畜の餌がメインだった大豆を沢山植えたことにより、大豆が本当に多くとれました。
私はこの大量の大豆で大豆油を沢山作りました。
このことにより、サラダ油が作れるようになり、ドレッシングやマヨネーズも作れるようになりました。
今は、ベルティンブルグ内では、その油を使って、オークカツ、とんかつや唐揚げなどを皆様好んで食べています。

でも私が一番好きなのは、フライドポテトです。

(あれ?悪魔の植物のジャガイモを使った料理を出しているのですが、誰も気づかなかったのかしら)


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