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203 駅 列車の説明

「いいえ、じぃじ。私は女神でも聖女でもございません。
ちょっとフレイヤ様が私に話しかけに来るくらいです」

「「「「えええええ!」」」」

「ベルティンブルグ領地内の聖女様がいると言う噂は本当の事だったのですね。
しかも我が一族に聖女様が生誕するは、なんともめでたいことだ」

「オスカーその辺にしておきなさい。
お前は先程からエルーシアちゃんに嫌われているのだ。
エルーシアちゃんは聖女、女神、予言者と呼ばれることが大嫌いだから、これ以上嫌われる発言はしない方がよい」

お祖父様は私の顔が変化したのに気づいたのでしょうそう言って叔父様の声をとめました。
オスカー叔父様は気まずいと思っているのでしょう。顔をしかめています。

「私が残りの一つを説明します。
ベルンからオッドリアの海まで、大量輸送のできる列車というものを開業いたします。
それは、線路というものをつくり、線路の上に列車を走らせます。
列車は馬車での移動や輸送に比べ約3倍以上の時間を短縮して、運べる人数や荷物も少なくても馬車の10倍は運べるようになります。
因みにその線路にかかる土地代などの税金も免除されていて、人の乗り降りする場所を駅と言うのですが、駅ちかくでの建物とそこで私達の会社が販売やサービス(宿屋の宿泊料)などの商業活動における利益も非課税になることが決定しています。
これは、オスカー叔父様もご存じですよね」

「陛下より詳細を聞いている。
国側の人間として、私はエルーシアちゃんに『やられた』と思ったよ。
でもベルティンブルグ一家としては、『よくやった』と思いましたよ。
陛下と王妃殿下達は、列車が世の中の仕組みをガラリと変える事を、その場で理解出来なかったのでしょう。
私がその場にいたならば、土地や建物に対する税の徴収はしないばかりか、駅に伴う商売に関しても税の徴収の対象になりませんでしたね。
それにしても、エルーシアちゃんが他の派閥にいなくて良かったと胸をなで下ろしました」

オスカー叔父様は両手の手の平を上に向けて肩を上げています。

「国王はあの時、国の利益を考え過ぎていたのじゃな。
エルーシアちゃんは、国や王族にとって都合の良い事ばかり並べていたので、エルーシアちゃんは、ものすごく怒ってここまでの要求を通したのだ」

「おほほほほ。そんな事よりも、その列車の路線をもっと増やしたいので、後ほど、私の部下のレオンが地図を持って線路を何処に通すか説明いたします。
現状は、オッドリアの海(魚市場)から新しくできる商業都市ベルハンデルまで通します。
その後、ベルハンデルの駅を中心として路線を決めるつもりで地図を作成しました」

「「地図?」」
オスカー叔父様とギャロン叔父様が声をあげました。
「それは、私の部下のレオンと軍の責任者ゲアートが作成しました」
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