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私達は王都まで、魔物に出くわすこともなく、無事に着きました。
私達の後をつけてきた者達は、王都の入り口付近で追ってくるのを辞めたようです。

私達家族とレオンとカーティス、ゲアートは、陛下に呼ばれているため、そのままお城へ、その他の者は、王都のお屋敷に行きました。

貴族街を抜けて、お城へ入りました。馬車は2台ありますが、停められることもなく、そのままお城へ入ります。

そうすると、正面から
「エルちゃん~!」と大声をあげて走ってくるご婦人がいます。
(あ!あれは第一王妃様ね)
「マルグレーテ殿下。お久しぶりです」
「え。エルちゃん。私はマルちゃんでしょう?」
(ああ、面倒くさいな)
「マルグレーテ殿下。さすがにこの場では愛称で呼ぶわけにはいけませんわ。
いくら非常識な私でも、不敬罪で死にたくありませんわ」

「ふふふ。だれも、エルちゃんを不敬罪なんてしないわ」

「マルグレーテ様は大丈夫かも知れませんが、お城で勤める方が声をあげるかもしれないので」

「ふふふ。それでも大丈夫よ」
そう言って、王妃様は何故かファリカの頭を撫で撫でします。
ファリカはちょっぴり緊張していますが、嬉しそうです。

「マルグレーテ。久しぶりね」

「ええ。アルーシャは、本当に体調が良くなったのね。それにしても貴女達も大変ね」

「ああ。レーアの事かしら」
「いいえ。レーアは辺境伯夫人になりますが、貴女の家は大公爵よ」

「「「「「???」」」」」 「え~!聞いていませんわ」

「あら聞いていなかったのかしら、全くあの人ったら困ったちゃんね」

いいえ困ったちゃんは私達です。

「グラファ、パパ!どうするの?」
私はテンパってしまって、お祖父様のことグラファ(グランドファザー)お父様のことをパパと呼んでしまいました。

「いいな。グラファ。今度からエルーシアちゃんとファリカちゃんにはグラファと呼んでもらおう」
「パパ。良い響きだ!エルーシアちゃん、ファリカちゃん、今からパパと私を呼びなさい」

「「いやです」」
ファリカと私は速攻で断りました。

「マルグレーテ。本当に我がベルティンブルグは大公になるのか?」

「バルデマー様。そのように私もフィオナもそのように聞いております」

「問題は、大公爵の爵位は、当主のリカードなのか、わしなのかじゃな?」

「もしかしたら、お姉様かも知れません!」
「「「まさかのエルーシアが大公爵!」」」

(いやいやいやいや 嫌。 それはないはずですわ・・・。きっと・・・)
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