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124 後半B
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124 後半B
「よくわかりませんが、その魔導具を使うことによって皆様と情報を共有するのですね?」
(そうだよね。私やレオンは、ラジオで通じるけど、見たことも使ったこともない魔導具は使っているところを見ないとわからないわよね)
「その通りです。そこで貴女には初代お天気お姉さんとして、空模様を魔導通信機を使ってみんなに教えて欲しいの。
そして、最終的には、空模様を訓練すれば出来るようになる人を私や鑑定士が集めますので、その教育係になって欲しいのです。
そして、回復魔法などの聖属性魔法を使える見込みのある人も集めますので、教育をお願いします」
「エルーシア様の命令であれば、その大役やってみても良いのですが、私に人に教える事が出来るでしょうか?」
「聖属性魔法の教育は、元枢機卿のベアテルやハンスが中心に行うと思うのですが、使える魔法数と精度と強度は貴女が一番ですから、聖属性魔法の上位を使えるようになった方や、使えそうな方に実際に魔法を行使してコツや魔法の練り方などを教えていただきたいのです」
「聖属性魔法であれば、エルーシア様の方が上位の魔法が使えると思いますがエルーシア様が教える事が出来ないのですか?」
シアナは私を見つめています。
「確かに私は聖属性魔法を使うことができます。しかし、教える事は苦手なのです」
「え!そんな事はないと思います。エルーシア様の教えはとてもわかりやすく、言葉がすぅっと頭に入ってきます」
「魔法や剣術などは、全く人に教えるのが向いていないのですよ。リーサやファリカの魔法の指導をしていたのですが、特に治癒魔法と回復魔法は、解りづらいと言われたのです」
「そういえば、天才的な魔法師であるお二人でも、聖属性魔法はあまり出来ないとお伺いしました」
私はシアナの耳元へ口を近づけました。しかも右手で言葉が漏れないように衝立代わりにして
「私は、人間の体のつくりについて皆様より少し知識があるのです。
例えば、血液が何故赤いのか?というと、血色素のヘモグロビンというタンパク質が、空気中にある酸素と結合して赤くなるのです。心臓から送り出される血液は赤色が強く、心臓に戻って来た血液は、酸素が体内で使われているため、酸素が少なくなってどす黒い色になるのです。
と、言われても、解りませんよね?」
「はい。何のことをおしゃっているのか解りませんでした」
「そうですわよね。体のつくりをある程度しっている私だからこそ、私の聖属性魔法は強力ですけれども、体のつくりや仕組みをしっかり伝えることができなくて、教えられている方が逆に混乱してしまうので、伝わらないのですよ」
「うふふ。エルーシア様にも苦手なことがあるのですね?」
「沢山ありますよ。例えば私は公爵家の一員ですが、感情を隠すのが苦手ですし、お淑やかにしているよりも体を動かして、領民の皆様といる方が、気が楽です。
それに信じていただけないかも知れませんが、人間が怖いのです」
「え?」
「過去に色々とありまして、昨年くらいまで、本当に人見知りを隠すことが出来ませんでした」
「そうですか。私には全く人見知りとは感じませんでした」
「私も少し大人になったのでしょう。話は変わりますが」
私は本題に戻します。
「空模様に関しては、実は各小等学校の児童の中から2名以上選抜しているの。空模様に関しては、貴女しか教える事ができないのよね。
空模様は貴女が直接教えて欲しいの」 私は、真っ白な紙に印刷され冊子にした教育の虎の巻をシアナに渡しました。
「これは、人に教える為に必要なことを書かれた虎の巻です。因みにこれは、ベルティンブルグ外に出すことをしてはいけません。ベルティンブルグ領内の秘伝書なので取り扱いは気をつけてくださいね」
私はにっこりと笑顔を見せました。
シアナは、顔が青くなっています。
*********************************
みなさまお疲れ様です。
作者です。
連載を開始して今日までお読みいただきありがとうございます。
今年も後残り数時間ですね。
よいお歳をお迎えください。
幸之丞
「よくわかりませんが、その魔導具を使うことによって皆様と情報を共有するのですね?」
(そうだよね。私やレオンは、ラジオで通じるけど、見たことも使ったこともない魔導具は使っているところを見ないとわからないわよね)
「その通りです。そこで貴女には初代お天気お姉さんとして、空模様を魔導通信機を使ってみんなに教えて欲しいの。
そして、最終的には、空模様を訓練すれば出来るようになる人を私や鑑定士が集めますので、その教育係になって欲しいのです。
そして、回復魔法などの聖属性魔法を使える見込みのある人も集めますので、教育をお願いします」
「エルーシア様の命令であれば、その大役やってみても良いのですが、私に人に教える事が出来るでしょうか?」
「聖属性魔法の教育は、元枢機卿のベアテルやハンスが中心に行うと思うのですが、使える魔法数と精度と強度は貴女が一番ですから、聖属性魔法の上位を使えるようになった方や、使えそうな方に実際に魔法を行使してコツや魔法の練り方などを教えていただきたいのです」
「聖属性魔法であれば、エルーシア様の方が上位の魔法が使えると思いますがエルーシア様が教える事が出来ないのですか?」
シアナは私を見つめています。
「確かに私は聖属性魔法を使うことができます。しかし、教える事は苦手なのです」
「え!そんな事はないと思います。エルーシア様の教えはとてもわかりやすく、言葉がすぅっと頭に入ってきます」
「魔法や剣術などは、全く人に教えるのが向いていないのですよ。リーサやファリカの魔法の指導をしていたのですが、特に治癒魔法と回復魔法は、解りづらいと言われたのです」
「そういえば、天才的な魔法師であるお二人でも、聖属性魔法はあまり出来ないとお伺いしました」
私はシアナの耳元へ口を近づけました。しかも右手で言葉が漏れないように衝立代わりにして
「私は、人間の体のつくりについて皆様より少し知識があるのです。
例えば、血液が何故赤いのか?というと、血色素のヘモグロビンというタンパク質が、空気中にある酸素と結合して赤くなるのです。心臓から送り出される血液は赤色が強く、心臓に戻って来た血液は、酸素が体内で使われているため、酸素が少なくなってどす黒い色になるのです。
と、言われても、解りませんよね?」
「はい。何のことをおしゃっているのか解りませんでした」
「そうですわよね。体のつくりをある程度しっている私だからこそ、私の聖属性魔法は強力ですけれども、体のつくりや仕組みをしっかり伝えることができなくて、教えられている方が逆に混乱してしまうので、伝わらないのですよ」
「うふふ。エルーシア様にも苦手なことがあるのですね?」
「沢山ありますよ。例えば私は公爵家の一員ですが、感情を隠すのが苦手ですし、お淑やかにしているよりも体を動かして、領民の皆様といる方が、気が楽です。
それに信じていただけないかも知れませんが、人間が怖いのです」
「え?」
「過去に色々とありまして、昨年くらいまで、本当に人見知りを隠すことが出来ませんでした」
「そうですか。私には全く人見知りとは感じませんでした」
「私も少し大人になったのでしょう。話は変わりますが」
私は本題に戻します。
「空模様に関しては、実は各小等学校の児童の中から2名以上選抜しているの。空模様に関しては、貴女しか教える事ができないのよね。
空模様は貴女が直接教えて欲しいの」 私は、真っ白な紙に印刷され冊子にした教育の虎の巻をシアナに渡しました。
「これは、人に教える為に必要なことを書かれた虎の巻です。因みにこれは、ベルティンブルグ外に出すことをしてはいけません。ベルティンブルグ領内の秘伝書なので取り扱いは気をつけてくださいね」
私はにっこりと笑顔を見せました。
シアナは、顔が青くなっています。
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みなさまお疲れ様です。
作者です。
連載を開始して今日までお読みいただきありがとうございます。
今年も後残り数時間ですね。
よいお歳をお迎えください。
幸之丞
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