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「ファリカ。申し訳ないけど、お父様とお祖父様を連れ戻してきてくれるかしら?」
私はキャッキャッと大騒ぎの使用人達よりも、ある程度冷静なファリカに頼みました。
(ごめんね。貴族なのにお使いさせて)

「うん。少し待っててね。お姉様」

「ファリカ、それと料理長に私が例のものを持ってきてと伝えてね」
「は~い」
ファリカはサッと身を翻して探しに行きました。
私達は、宝石に関しての雑談をしていたときやっと

「「お待たせ。エルーシアちゃん」」
「お姉様。お待たせしました」
ファリカは二人を連れてきてくれました。

「それじゃ、みんな揃いましたので、今度は、食べ物に関わる説明をします」
私は、鰹節、スルメ、昆布、のり、みりんをテーブルの上に置きました。
コンコンコン ドアがノックされました。
「失礼します」
ちょうど良いタイミングで料理長と料理補助をしている数名が入って来ました。
料理長達は、おにぎり、うどん、あぶったスルメとマヨネーズ、日本酒をワゴンに乗せています。

「では、皆様これから試食タイムです。
今まで丼物しか手をつけてこなかった、お米に合うもの。
私が作った醤油と合わせて作った汁物と麺。
お米を発酵して作った日本酒と言うものとそのおつまみです」

私は、うどんを手に取りました。

「これは、うどんと言う食べ物です。小麦粉(中力粉)と水と塩を合わせて煉ったものを何度か寝かして、均一に切ったものを茹でました。
この汁は、この昆布というものを鍋に入れて、火をかけます。沸騰する直前に昆布をとり、今度はこの鰹節を薄くスライスしたものを入れます。
これを一番出汁と言います」
何故か、料理長が一番真剣に説明を聞いています。
「そして、一番出汁に使った、昆布と鰹節と新たに鰹節を少し足して、2番出汁をつくります。これは一番出汁より時間を長くしてとります。
このうどんのタレはこの2番出汁と、砂糖、醤油、みりん、塩で味を調えたものです」

料理人達は、皆にうどんを小分けにして食器に入れ配りました。

「それでは、お召し上がりください」

私は口につけないみんなをみて

「これは、下品ですが、ずずっと音を立ててすすって食べます」

私はずずっと音を立てて食べました。

それをみて皆もすすって食べようとしたけれどもうまく出来ません。
(音を立てて食べるのはマナー違反ですからね。難しいわね)
でもファリカは上手に箸を使ってずずっと吸って食べています。

「「「美味しい!」」」

「スープが奥深くてとても良い味わいだな」

「流行りそうだなこの味」

私はヨダレをだしそうな使用人達を見て

「グイダ達は後から料理長と食べなさい」


「「「「「はい!」」」」」とグイダと料理長を含む使用人達は良い返事をしました。

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