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110 後半

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「さすがですね。でも値段の方は如何ですか?」

「石炭のおかげで、冶金する時間が短縮されたのと、新しく見つけた鉱山から送られてくる鉱石が増えたので、価格は抑えられます」

「それは、頼もしいですね。シュタインあとですね・・・」

私の声にシュタインは緊張のしたようです。顔が引きつっています。
(お願い事あるのばれているのね)
シュタインの警戒を無視して私は話し続けます。

「列車という物を作ります」

「「れっしゃ??」」

私は、シュタインに大まかに書かれた設計図を渡しました。

「馬を使わない、乗り物です。
馬車は、馬の力で動かしますが、列車は、機械を動力にして動かします。
また、馬車には道路が必要ですが、列車には線路が必要です。
線路とは、レールという鉄製の列車の車輪を一定の方向へ,容易に回転させるために敷いた鋼鉄製の棒状の道が必要になります。
そして鉄製の車輪も必要になりますね」
あまり理解していない二人を無視して話を進めます。
私は設計図を指さしながら
「これの小さくした物を作成してください。実験をしたいので、人が2人くらい縦に乗れるサイズで、外装だけを作ってください」

シュタインは汗を拭き取っています。

「どのくらいで出来ますか?」

私の無茶ぶりに、シュタインは「はあ~」とため息をついた後、「お嬢、外枠と外装だけでいいのなら5日くらいあれば出来る。それくらいに取りに来てくれ」
シュタインは仕方ないなという感じです。

「5日ね。レールと鉄製の車輪も大丈夫かしら?」

「大丈夫じゃ!」
(ふふ。やはりシュタインは頼もしいわ。丸いものを作るのはものすごい技術があると聞いたけどさすがね。)

「それとシュタイン、例のモノは出来ていますか?」

シュタインはニヤッと口角を上げ、立派な扉と腕にはめるモノを私に渡しました。

「それとシュタイン。軽い鉄鋼などを使ってコップを作って」
私は、コップのサイズを書いた紙を渡したのでした。

シュタインは何か言いたげでしたが、肩を落として諦めたようです。
(いつも無茶ぶりでごめんね)


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