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「エルーシア!みんな連れてきたのだ!」

マチルダは扉を思いっきり、ダーンと開けて入って来ました。

「エルーシア、母様と大母様を紹介するのだ!」

そこで入って来たのは
どう見ても20代のモデル体型の美人と30代のグラマラス美人です。
でも、人化が慣れていないのでしょうか?
魔力が、だだ漏れで、レオン、ベティ様、私の3人以外はその威圧に圧され息もするのも大変そうです。

「あら~あら~。ベティの他にも2人も私達竜の加護をもらっている人間種がいるわ」
モデル体型の美人が私達をみて嬉しそうにしています。

「まあまあまあ。しかも○○もいるわね」

グラマラス美人が呟きましたが、私達には、何を言っているか聞こえませんでした。でも何故だかレオンがアワアワしています。

「みんな聞くのだ、大母も母も人化が下手でみんな威圧されて顔が引きつっているのだ。それはそれで楽しいのだ。
すらーっとしている方が土の竜の母。
ボンキュウの方が水の竜の祖母なのだ!
私と違って名はないのだ!」

「はじめまして、命の源を司る水竜、いいえ、龍神様。
そして母なる大地の竜 土竜様。
お会いできて光栄です」
私はスカートの裾を持ち挨拶をしました。

「あら貴女は、フレイヤの使徒いいえ、予言者のエルーシアね」
(え?予言者ってほんと何なの?)
龍神様の言葉の次に
「神聖の竜いいえ、今はマチルダと言う名があるのよね。マチルダに名を与えたエルーシアね。こちらこそ光栄だわ」

「2人の挨拶はこれでいいのだ!だから外で集まっている人間達に会ってほしいのだ」
マチルダの一言で私達は、講堂に集まっている人たちに会いに行きました。


そこには、約200名の人が待っていました。


「皆の者、面を上げよ。私達は王家ではないので、平伏する必要はない。
私は公爵家当主のリカードだ。先程皆の代表の3人と話をして、ここ、ベルティンブルグ領地内で暮らしていけるよう段取りをつける。
そこで、ここで暮らす条件だが、ここで住みたいと考えるだけである。
他の地で暮らしたいというのならそこに行くが良い」

お父様の話が始まりました。
そして皆の意見を聞いたところ全ての方が、ベルティンブルグ公爵領地内で住み働くことが決まりました。
このベルンに入って来られると言うことは、この領地、領主、私に悪い考えはないと判断したのです。

住むところはさすがにベルンだけでは、対応できなく、ベルティンにも半分近くが住んでもらうことになりそうです。
今日は、舞踏会の為に新たに作っていた、宿屋の豪華版、ホテルに泊ってもらいます。約200名の人数なので相部屋になってしまう方もいます。

明日以降面談を行いそれぞれにあった仕事に就いてもらうことになります。

今夜は、ホテルの大浴場に入って、ご飯をいっぱい食べてお休みしていただきましょう。

それにしても、教国からの国民も帝国から亡命した人たちもみな、ガリガリで健康状態がとても良くないことがわかりました。
きっと教国での生活は明日のご飯の心配をするほど貧窮しているのでしょう。
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