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異国からいらした3人は、ゆっくりと口を動かし、感情のためか、口元が震えているときもありました。

お話の内容は
ベティ様が、王様兼教皇のご子息との婚約を破棄されました。
そして、ロヴィウト帝国の帝王のご子息との婚姻が決まり、そのために移動隊を結成して移動を開始しました。
その人員は、ベティ様をはじめ穏健派と言われ教皇にもの申すものばかりで、しかも独身者ばかりで結成されていました。

一団は国境を越えて、帝国の首都に向けて行進していたところ、前方と左からはモンスターが現れ、右からは、帝国軍そして後ろからは、教国軍が現れ襲撃されました。
絶体絶命のときに、2柱の竜が現れ、モンスターを一層して、兵達の意識を刈り取りました。
そして、もう1柱。竜が現れ、その竜様を先頭にして、ここに連れてこられた。
と言うことらしいのです。

私達は、その話に衝撃を受けました。
宗教や国の為に尽くしていた人をこうもあっさりと、しかも計画的に始末しようとしているのです。

説明を聞き終えたお祖父様は
「自分たちの考えを通すために、邪魔な者を始末しようとするのか!」

その声は怒りのあまり顔を赤くして、発せられた声も震えています。

(え?と言うことはこの人達は教国と帝国から捨てられた!と言うことなのね。
私と同じなのね・・・。
捨てられるのは、かなり心のダメージが大きいのよね。捨てられた者達を拾うのは公爵家の矜持、私達公爵家が責任を持って拾いましょう)

「お祖父様。お父様、この方達は、私達公爵領に住んでいただきましょう?
もちろんお三方をはじめ皆様が、承認してくれたらという条件付きですが。」
私はお三方を見ました。

3人はうんと首肯しています。

「公爵閣下。もし可能であれば、私達教国から見放された者と一部帝国よりこちら側につき、帝国から亡命した者も一緒に住まわせてください 」

教国の宰相のグローヴィス様はお父様とお祖父様を交互に見ています。

「グローヴィス様。其方の願いは私達フーマ王国ベルティンブルグ公爵家が承りました。ここに来られた皆様が望むのであれば1人残らず受け入れましょう」

お父様は、3人に笑顔を見せて

「ようこそ、公爵領ベルティンブルグへ」

お父様は声を張りました。

3人は頭を低くして涙を流しています。

「捨てる神あれば拾う神あり です。ありがとうございます。神いいえ、エルーシア様」

ベティ様は私の手を両手で握っています。

あれ?なぜ?何故私が本物の聖女様に崇められているの?

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