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104 前編

「ただいまなのだ!」

「マチルダ。お帰りなさい」

帰ってきたマチルダを見て私達は目を丸くしました。
そこには、ガリガリに痩せた、女性が1人、男性が2人います。

「この3人を頼むのだ。まだまだ連れてくる人間がいるからまた、出かけてくるのだ!」

マチルダは慌てるようにバタバタして出て行きました。

「え? マチルダちょっと待って~。
この方達や、一緒に来られた古竜様の紹介はないの~」

私は大きな口を開けて叫びました。
大きな声を出すのは、公爵令嬢としては、よくありませんが、この場合はお許しください。きっとお母様も今の状態だと許していただけるわよね?
そう思ってお母様を見て見るとお母様は、口を大きく開けて、目をぱちくりしています。その横に並ぶお祖母様もお母様と同じく口を大きく開けて目をぱちくりしていて口元を隠すこともしていません。
(ああ 動揺が顔に出ているのは私だけではないのですね)と安心しファリカを見て見ると、目はぱちくりしているものの、口は閉じられています。
(え?ファリカの方が私やお母様より淑女なの?)と思いよく見て見ると
驚きで固まっているだけでした。
(ビックリしちゃうよね。でもそんな顔もすごく愛らしいわ)

お父様やお祖父様、叔父様も口をつぐみ、部屋がシーンしています。
(静かになるとシーンと聞こえるのは本当なのね)などと考えていると


「え! ねえちゃん!」

「レ  レオン? レオンなの?」

レオンにねえちゃん!って呼ばれた女性は、修道服を着ています。痩せてガリガリですが神々しく後光が見えます。

「ベティねえちゃん!」

レオンは、その女性に向かって一歩目はゆっくりと踏み出しました。そして、足の運びを早くして、両手を広げて女性にかけよっています。

そのベティと呼ばれた美少女も両手を広げて、瞳に涙を浮かべてレオンを待っています。
「ねえちゃん!」
「レオン」
二人は互いに呼び合い、レオンはベティ様を抱きしめて、ベティ様もレオンに抱きつきました。そして、お互いに手を取り合ってクルクルと回りながら再会を喜んでいます。
その目の前の美女と美少年は、涙を隠すことなく流し、その顔は笑顔です。
まるでそれは、絵に描いた感動シーンのようです。

(ええベティ様って確か聖女様!! 聖女様がいらしたの?)と私は驚きました。
今日は何回も驚いています。
感動シーンのまわりでは、私を含めみんなが大きく目を見開いて驚いています。

男性陣は「おお~!」と声をあげ、

女性陣は「まあ!」と声を出しながらも口元を隠しています。

聖女様がいらしたことに感動しているのか、二人の再会をみて感動をしているのか・・・ いいえ、きっと、聖女様がいらっしゃり、その聖女様とレオンが姉弟とも言えるほど仲の良いことに驚いているのでしょう。

レオンは一度まわりを見渡し、今の状況がわかり顔を真っ赤にして

「皆様申し訳ございません。こちらにいらっしゃるのは、教国の筆頭聖女のベティ様です」
聖女様の紹介をいたしました。
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