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辺り一面が明るくなり小鳥のさえずりが聞こえて私は瞼を開けました。
昨夜よく眠れなかったので体はいつもより重く感じます。

(さてどうやって王妃様を帰らせましょうか?これからの父との会話はあまり聞かせたくないのよね。聞いたら必ず王家も手伝いますよ!とか言ってごっそりと利権を持っていきそうなのよね。
それにしても、昨日は、王妃様はなぜ、臣下の娘の私に頭を下げたのかしら?
昨夜どんなに考えても答えが出なかったわ)

そんなことを考えているとドアが三回ノックする音が聞こえました。

「どうぞ、起きているわよ」

「はい。失礼します」

ドアから現れたのは、私の侍女のグイダです。
その顔は憑きものが無くなったような、爽やかな笑顔です。
そのグイダは、口角を再び上げて

「お嬢様。王妃様は、マチルダ様に拉致されるように王都に連行されました。
ご朝食はごゆっくりとお召し上がりくださいませ」

「え?王妃様、帰られたの?」
私は、目を見開き大きな声を出してしまいました。

「はい。臨時で王妃殿下のお世話をしていたメイドに聞いたところ、王妃殿下が、日が明けるその前から、マチルダ様に竜の加護が欲しいと何度も詰め寄ったそうです。
最初の頃は、マチルダ様も色々と理由を話していたそうですが、王妃殿下があまりにもしつこくするので、マチルダ様はぶち切れて、顔を真っ赤にしてサクッと王妃殿下を抱あげてそのまま飛んで王都に行ったそうです」

そう話すグイダはとても楽しいお話をしているように、自然な笑顔を作っています。

色々と王妃様に気を遣っていたのでしょう。
マルと呼び捨てにする私でさえ気を遣っていたのですから。
しかしあのマチルダがぶち切れるってよっぽどしつこくされたのでしょうね。
王妃様は、マチルダに抱えられて「あーれー」とか言ったのかしら?
ああ。確かに想像するだけでも楽しくって口元が緩んでしまいますね。

そして私は、グイダに手伝ってもらって服を着替えた私は、朝食を食べに食堂へ行きました。


今日の朝食は、ふわふわトーストに、牧場での朝を連想するようなバターをつけてパクり。(うーん美味しい!)

次は朝の取れたて卵を使ったオムレツを口に運ぶ。(うーん。とろとろ!)

新鮮野菜のサラダにドレッシングをかけて一口。(うーん。野菜の味が濃い!)

パリパリに焼いたベーコン。(さすがブレンド豚!)

そして最後にミルクをごくり。(うん、濃厚で新鮮で美味しい!)
全て領地内でとれた自給率100%のお食事を終え気分も変わりテンションがあがり眠気が吹っ飛んできたところで、

「お嬢様。レオン君が来ました」と使用人から声をかけられました。

レオンの登場です。

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