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私たちはその後、王国内の海に面している河の堤防などの確認をしました。
河口はほとんど堤防が出来ています。あと数日すれば全てが完成するでしょう。

そして、病気も特にでていませんでした。
今のところ病気が発症したのは、ベルティンブルグのアールーペン山脈付近だけです。

日も沈みそうになり、夕暮れ前で今日の視察は終了いたしました。

私は、嫌がるマルグレーテ様をお城に帰したのですが、帰りたくないと駄々をこねる王妃様を明日朝に迎えにくると説得し逃げるようにベルンに帰ってきました。

「お父様、お母様、そしてレーア叔母様とリーサ。ちょっと話を聞いてくれますか?」
私はそう言って4人をお父様の執務室に行きました。


「皆様、お時間をいただきありがとうございます」
私がそう言うと、お父様が
「エルーシアちゃん。どうしたのかな?私の執務室に皆を集めて」

「政治的なお話です。また、ベルティンブルグ領の話ではなく、オッドリア領のお話をしたくて・・・ それで使用人達にも耳に入れたくない事なのでここに来ました」

「「え!オッドリア領のこと!!!」」
レーア様とリーサお姉様は目を丸くして驚いています。

「本当は領主である叔父様のいるところで話さなければいけないのですが・・・
先ずは、一緒にいる叔母様に聞いて頂いて、判断してもらってその後、叔父様に話して頂きたいのです」

「で。それはどんな話なのでしょう?」

「まず、この話は、オッドリア伯爵は、ベルティンブルグ公爵家の派閥ですよね?それは今後も変わることはありませんよね」
「今、飛ぶ鳥を落とす勢いのベルティンブルグ公爵家に敵対することはありません。それは、私と閣下の第一婦人のアルーシャ様が姉妹であることと、嫡男のライナーがこの領地に留学したこと。そして私とリーサがここにお世話になっているのですから」

「それでは、今日、お母様が調子に乗って魔法を使い、魔獣や海獣を倒したことにより、王妃殿下や、叔母様達がその近郊にいる魔物や魔獣までも倒されました。
障害が取り除かれたので、海で働いていた者を再び海に戻して働いて貰うことが出来るのではないでしょうか?」

「あ! エルーシアちゃんの言う通りですわね。今までは、魔物などが住み着いて、魔物等に襲われていたから海産物を捕ったり、海運が出来なかったのよね」

「そうです。叔母様。そして、海で魚貝類を捕るために漁業ギルドを新設して漁業権を作ります。漁業権がない者は魚貝類を捕ったり、販売することを出来なくするの。
あ!因みに漁業権とは、その海(海域)で漁業をすることを許可することですわ。
漁業ギルトで、漁業権ももっている会社や者から捕れた魚貝類を買上げて魚市場を作ってそこで競りを行うようにして価格をきめるの。
漁業ギルドからは税金をたっぷり貰って、市場の土地や建物は、領主の物にして家賃や使用料を取るようにするのね。
インフラが今はきちんとなっていないから、道路、水道、建物を領主が整えるの
最初は販路がないから、このベルンやベルティンそして王都に販売するの」

「それは、すごい計画だね。エルーシアちゃん。でも今のオッドリアはそんなに自由に出来るお金はないはずだよ」

「お父様・・・。だから私のヒーナ商会か、お父様が無担保かつ超低金利でお金(資金)を貸すのよ。そのかわり定期的に魚貝類を買わせて貰うのよ」

「そうすると、道路が出来るまでは、魚などの輸送は難しいのでは?」

「ふふふ。お父様。そこで、マジックバックとタ○コプターその2品をヒーナ商会からオッドリアにレンタルしますわ」

「「「「レンタルってなに?」」」」

「レンタルというのは、期間と金額を決めて貸し出すことですわ」

「オッドリアから見るとお金を出して借りるって事だね。でもどうして売ってしまわないのかな?」

「売ってしまうと、魔道具のメンテナンスが出来ないからですわ。特にタ○コプターは、魔力を注がないと駄目ですし、注ぎ方もコツがいりますから。買ってしまうよりレンタルする方が最終的に手間もお金もかからないのです」

「なるほど・・・ 」

「そしてオッドリアには、大きな港と港街を作っていただきます!」

「エルーシア。大きな港ですか?」

今度はリーサお姉様が聞いてきました。
「そうです。大きな港です。他の国からの貿易の為です。
これは、多額のお金が必要になりますから、叔父様と相談してください。
もし金銭的に厳しいのであれば、お父様と相談するようにお伝えください」

「「はい」」
レーア叔母様は、私の提案が領地を豊かにすることとつながることと理解して満面の笑みを私に向けてしました。

(え?貴族の満面の笑みって悪いこと考えているときにするのでは・・・)
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