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「これは、これは。リーサお嬢様ではありませんか?
空から参られたので大変驚きました」
フーマ王国の文官で責任者でしょうか?お母様達と同じような年齢の方に声をかけられ、他の魔法使いなどは驚いて目を白黒しています。
「ふふふ」
私はそう笑ってから
「申し訳ございません。私はベルティンブルグ領リカード公爵とアルーシャの長女エルーシアですわ。
私とリーサ様があまりにも似ているので間違われたようですね?
私とリーサの母が姉妹の為、このように似ているのですよ」
そういう私に、責任者は頭を低くして
「大変申し訳ございません。エルーシア公爵令嬢様。この地を治める伯爵様のご令嬢と間違ってしまいました」
「いいえ。お気になさらないで、そうやってリーサと間違われるのは、ある意味ご褒美ですから」
私は、こうやってリーサお姉様と間違われることはとても嬉しいことなのです。
いたずらが成功したような感覚です。
「それで、堤防ができあがるにはあとどのくらいかかるのだ?
あと、治水工事をしていて、作業者やそこに住む住民に病気など発症はしなかったか聞きたいのだ?」
そういうマチルダに文官は
「リーニア河の治水工事は、あとここの部分の堤防で終わりでございます。
期間は、5日ほどかかる予定です。
私はリーニア河の担当ですが、上流の方は私の担当ではないだのでわかりませんが、私の担当した区域では、流行病などは起きませんでした」
「そうですか。ご報告ありがとうございます。
そしてまた、5日ほどございますが、お仕事大変でしたね。
ご苦労様です」
私はそう言って出来具合を確かめるために堤防へ向かいました。
責任者の文官も私についてきています。
「素晴らしいですね。高さも良い感じですし、法面も美しいわ」
私がそう言うと文官は
「お褒め頂きありがとうございます」
と顔を真っ赤にして照れて、何故がもじもじしています。
するとマチルダは
「エルーシアは、年上のおじさんまで魅了するのだ・・・」
私はマチルダの声が聞こえませんでした。
「本当に素晴らしいお仕事ですわ。全くの手抜きがありませんね。
それでは、もう一つ。
この堤防に草花を植えてください。
出来れば、多年草の植物を植えてください」
(ああ、そういえば日本の河川の脇には桜の木が植えてありましたね。懐かしいな日本)
私が日本の河川敷や堤防に一面に咲く桜の木々を思いにふけていたところ
「エルーシア様・・・ どうかなさいましたか?」
文官は遠くを見る私が心配になったのでしょう、そう声をかけました。
「ああ。ごめんあそばせ。
後ですね。植える植物は、食用の物でも良いのですが、菜の花(セイヨウカラシナ)の様に根が太くてしかも1年草は辞めてください。
根が太い1年草は秋になると枯れて根が腐ります。
そういたしますと、そのもと根があったところが空洞になってミミズなどが住みます。そうすると土が耕され軟らかい地層になってしまいます。そしてミミズを餌にしているモグラや鼠がやってきて、柔らかくなった地盤をもっと弱くしてしまいそれが、堤防を破壊する原因になってしまう可能性がございます」
「ああ。なるほど、作物を植える畑では、土地が柔らかい方が良いですが、堤防では、硬い方が良いのですね。そして堤防の土をさらに強化するために草花の根を利用すると。そしてその中には、反対に作用する植物もあるのですね。
エルーシア様はなんと博識なのでしょう?
ベルティンブルグの聖女様と崇められている貴方様は伊達じゃないわけですね」
文官は顔を真っ赤にしながら うん うん とうなっています。
「ふふふ。そうやって私を褒めましても何も出ませんわよ」
といいながら私は、○次元ポケットを探ると、チョコレートがありました。
私は、チョコレートと手にとり
「皆様でお召し上がりください」
と言って文官に渡しました。
「は! ありがとうございます」
文官はそう言って踵を返し魔法使いがいる方へ向かって行きました。
「お嬢様からチョコレートを貰った~! 愛の告白だー!」
と叫ぶ文官をみて、
(あ!去年の冬にチョコレートを沢山売るために、日本のバレンタインデーをお母様に教えて一大キャンペーンをしたことを思い出しました)
私はそれを思い出し大きな声で
「義理ですから~!」
と叫びました。
文官はその場でひっくり返っていました。
「これは、これは。リーサお嬢様ではありませんか?
空から参られたので大変驚きました」
フーマ王国の文官で責任者でしょうか?お母様達と同じような年齢の方に声をかけられ、他の魔法使いなどは驚いて目を白黒しています。
「ふふふ」
私はそう笑ってから
「申し訳ございません。私はベルティンブルグ領リカード公爵とアルーシャの長女エルーシアですわ。
私とリーサ様があまりにも似ているので間違われたようですね?
私とリーサの母が姉妹の為、このように似ているのですよ」
そういう私に、責任者は頭を低くして
「大変申し訳ございません。エルーシア公爵令嬢様。この地を治める伯爵様のご令嬢と間違ってしまいました」
「いいえ。お気になさらないで、そうやってリーサと間違われるのは、ある意味ご褒美ですから」
私は、こうやってリーサお姉様と間違われることはとても嬉しいことなのです。
いたずらが成功したような感覚です。
「それで、堤防ができあがるにはあとどのくらいかかるのだ?
あと、治水工事をしていて、作業者やそこに住む住民に病気など発症はしなかったか聞きたいのだ?」
そういうマチルダに文官は
「リーニア河の治水工事は、あとここの部分の堤防で終わりでございます。
期間は、5日ほどかかる予定です。
私はリーニア河の担当ですが、上流の方は私の担当ではないだのでわかりませんが、私の担当した区域では、流行病などは起きませんでした」
「そうですか。ご報告ありがとうございます。
そしてまた、5日ほどございますが、お仕事大変でしたね。
ご苦労様です」
私はそう言って出来具合を確かめるために堤防へ向かいました。
責任者の文官も私についてきています。
「素晴らしいですね。高さも良い感じですし、法面も美しいわ」
私がそう言うと文官は
「お褒め頂きありがとうございます」
と顔を真っ赤にして照れて、何故がもじもじしています。
するとマチルダは
「エルーシアは、年上のおじさんまで魅了するのだ・・・」
私はマチルダの声が聞こえませんでした。
「本当に素晴らしいお仕事ですわ。全くの手抜きがありませんね。
それでは、もう一つ。
この堤防に草花を植えてください。
出来れば、多年草の植物を植えてください」
(ああ、そういえば日本の河川の脇には桜の木が植えてありましたね。懐かしいな日本)
私が日本の河川敷や堤防に一面に咲く桜の木々を思いにふけていたところ
「エルーシア様・・・ どうかなさいましたか?」
文官は遠くを見る私が心配になったのでしょう、そう声をかけました。
「ああ。ごめんあそばせ。
後ですね。植える植物は、食用の物でも良いのですが、菜の花(セイヨウカラシナ)の様に根が太くてしかも1年草は辞めてください。
根が太い1年草は秋になると枯れて根が腐ります。
そういたしますと、そのもと根があったところが空洞になってミミズなどが住みます。そうすると土が耕され軟らかい地層になってしまいます。そしてミミズを餌にしているモグラや鼠がやってきて、柔らかくなった地盤をもっと弱くしてしまいそれが、堤防を破壊する原因になってしまう可能性がございます」
「ああ。なるほど、作物を植える畑では、土地が柔らかい方が良いですが、堤防では、硬い方が良いのですね。そして堤防の土をさらに強化するために草花の根を利用すると。そしてその中には、反対に作用する植物もあるのですね。
エルーシア様はなんと博識なのでしょう?
ベルティンブルグの聖女様と崇められている貴方様は伊達じゃないわけですね」
文官は顔を真っ赤にしながら うん うん とうなっています。
「ふふふ。そうやって私を褒めましても何も出ませんわよ」
といいながら私は、○次元ポケットを探ると、チョコレートがありました。
私は、チョコレートと手にとり
「皆様でお召し上がりください」
と言って文官に渡しました。
「は! ありがとうございます」
文官はそう言って踵を返し魔法使いがいる方へ向かって行きました。
「お嬢様からチョコレートを貰った~! 愛の告白だー!」
と叫ぶ文官をみて、
(あ!去年の冬にチョコレートを沢山売るために、日本のバレンタインデーをお母様に教えて一大キャンペーンをしたことを思い出しました)
私はそれを思い出し大きな声で
「義理ですから~!」
と叫びました。
文官はその場でひっくり返っていました。
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