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70 閑話 産みの親
今日も、リーサとエルーシアは仲良くまるで姉妹の様に遊んでいます。
私が育てる事が出来なかった娘を見て、一緒にいられて嬉しい反面、胸が締め付けられるほどの苦しさも一緒に感じています。
「本当は貴女のお母さんなのよ」と告げることが出来ない毎日。
エルーシアを拾って貰う為にされた約束。決して本当の親と名乗らないこと・・・
アルーシャ姉様と公爵のリカード様に育てて貰い、遺憾なく自重もせず、活躍するエルーシア。
きっと、伯爵位である私たち夫婦では、彼女を守ってあげることは出来ないでしょう。
王族の血を濃くもつベルティンブルグ公爵一家だからこそ、エルーシアを守る事が出来るのだと感じては、また胸が苦しくなってしまう・・・
双子の妹の彼女を魔力が少ないから、我々一家の恥になるから捨ててしまえと言った旦那のレナウド。彼は彼女を捨てるという度に切ない顔をしていたことに私は気づいていました。
そして、魔力測定器。これも彼がわざと古いタイプの物を使って2人の魔力を計ったのも疑問が残ります。
そして、今のように別居することになったのも彼が後ろから手を引いている感じがします。
確かに、このベルティンブルグに引っ越してこなければ、病弱なリーサは今頃、ベッドの上で生活しているか、女神様に呼ばれてこの世にいなかったことも考えられます。
旦那は、ここでエルーシアと生活すれば、リーサが元気になると解っていたと考えられる節もあります。
レナウド様は何処まで知っているのでしょうか?
そして私は、彼を信じていいのでしょうか?
実は私の右手の手のひらには、魔力を流すと聖人の紋章が現れる。
私は、この紋章を私の両親は元より、妻のレーアにも隠している。
双子の娘が生まれる数週間前、私に神より神託があった。
それは、レーアは双子の女の子を出産する。後に生まれる妹は、前世の記憶を持ったまま生まれる。前世の記憶と聖女の紋章があるため、この世界で自重せず、民の生活レベルを上げ、豊かな生活がおくれるようになる。
残念ながら、伯爵程度では、彼女を守ることが出来ない。
レーアの姉が嫁いだアルーシャ様とリカード様に拾って貰い彼女らの娘として育ててもらいなさい。
そのためには、・・・ ・・・ ・・・
どの様な理由で、いつ、どこに捨てるかまで、事細やかに説明してくれた。
私は実の娘を捨てるのが本当に嫌だった・・・ しかし神に背く訳にはいかなかった・・・この世界をよりよいものにするために選択の余地はなかったのだ。
私は娘を捨てた後、何度も何度も謝った。ふがいない父でごめんと・・・
今日も、リーサとエルーシアは仲良くまるで姉妹の様に遊んでいます。
私が育てる事が出来なかった娘を見て、一緒にいられて嬉しい反面、胸が締め付けられるほどの苦しさも一緒に感じています。
「本当は貴女のお母さんなのよ」と告げることが出来ない毎日。
エルーシアを拾って貰う為にされた約束。決して本当の親と名乗らないこと・・・
アルーシャ姉様と公爵のリカード様に育てて貰い、遺憾なく自重もせず、活躍するエルーシア。
きっと、伯爵位である私たち夫婦では、彼女を守ってあげることは出来ないでしょう。
王族の血を濃くもつベルティンブルグ公爵一家だからこそ、エルーシアを守る事が出来るのだと感じては、また胸が苦しくなってしまう・・・
双子の妹の彼女を魔力が少ないから、我々一家の恥になるから捨ててしまえと言った旦那のレナウド。彼は彼女を捨てるという度に切ない顔をしていたことに私は気づいていました。
そして、魔力測定器。これも彼がわざと古いタイプの物を使って2人の魔力を計ったのも疑問が残ります。
そして、今のように別居することになったのも彼が後ろから手を引いている感じがします。
確かに、このベルティンブルグに引っ越してこなければ、病弱なリーサは今頃、ベッドの上で生活しているか、女神様に呼ばれてこの世にいなかったことも考えられます。
旦那は、ここでエルーシアと生活すれば、リーサが元気になると解っていたと考えられる節もあります。
レナウド様は何処まで知っているのでしょうか?
そして私は、彼を信じていいのでしょうか?
実は私の右手の手のひらには、魔力を流すと聖人の紋章が現れる。
私は、この紋章を私の両親は元より、妻のレーアにも隠している。
双子の娘が生まれる数週間前、私に神より神託があった。
それは、レーアは双子の女の子を出産する。後に生まれる妹は、前世の記憶を持ったまま生まれる。前世の記憶と聖女の紋章があるため、この世界で自重せず、民の生活レベルを上げ、豊かな生活がおくれるようになる。
残念ながら、伯爵程度では、彼女を守ることが出来ない。
レーアの姉が嫁いだアルーシャ様とリカード様に拾って貰い彼女らの娘として育ててもらいなさい。
そのためには、・・・ ・・・ ・・・
どの様な理由で、いつ、どこに捨てるかまで、事細やかに説明してくれた。
私は実の娘を捨てるのが本当に嫌だった・・・ しかし神に背く訳にはいかなかった・・・この世界をよりよいものにするために選択の余地はなかったのだ。
私は娘を捨てた後、何度も何度も謝った。ふがいない父でごめんと・・・
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