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そして、舞踏会がはじまります。今日は歌劇場(ホール)のこけら落としでもあります。
そのため今日は、ダンスの前に、歌劇団による演劇を行って、お食事を楽しんで頂き、その後は楽団による生演奏のダンスパーティーに移行します。
舞踏会が公爵家で行えることにより、デビュタントし社交界デビューもここで行うことが多くなります。

私も数年後ここでデビュタントする予定です。

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デビュタント
この国では、主に結婚相手を探すために社交界(舞踏会)デビューする事を指します。
同じ国の王族や貴族だけでなく、他国の王族や貴族も社交界に参加するため様々な情報のやりとりがあります。
デビュタントは、王都で王族が開催する舞踏会で行う事が多かったのですが、今年から、ベルティンブルグの繁栄を、領地を治める貴族達に見せる為、この場で行う事になりました。
上下水道などのインフラ、とても衛生的で綺麗な街並み、犯罪が極端に少ない防犯システム、笑顔溢れる領民達、王都の試験で優秀な成績を残した教育制度、そしてなにより、領都を新しく作る財力のある領主。国王と王妃は目指すべき領地経営をしているベルティンブルグ公爵家を少しでも目立たせるため、ベルティンブルグで舞踏会を開催しデビュタント出来る環境を作るよう勅命を出したのでした。
そして、国内で治水に関する情報を流そうという作戦も立てられています。
国王が命令を出す前に領主達にそれとなく情報を流して、下準備をさせるためです。
この作戦に私(エルーシア)の意見が多く反映されていることは、貴族達には内緒です。

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先ずは、歌劇場に貴族達が集まると、こけら落としの式典をしました。
式典が終わると、演劇が始まりました。この演劇はあくまでも、我が領地で劇団を作ったことを知らしめる意味なので、今日は30分くらいの短い内容のものです。

バチバチバチバチ
「ブラヴォー」
「最高!」

など皆様から拍手喝采を受けていよいよ舞踏会です。

私やリーサお姉様達、未成年達はこの場を離れお屋敷に帰りました。
本当は舞踏会を見たかったのですが、わたしがいると事故につながりそうなので家に帰るようにと今朝指示があったためです。
(お母様やお父様のダンス見たかったな)

私たちがお屋敷に戻り面会室に行きました。

「やあ!エルーシア。久しぶりだね。元気そうで何よりだよ!」
同い年のコーエンに話しかけられました。
「コーエン久しぶりね。ごきげんよう。あら、カスパーも一緒にいたのね。元気だった」
私はカスパーの頭を撫で撫でしました。
「エルーシアお姉様。もう僕を子供扱いしないでください。恥ずかしいです」
そう言いながらもカスパーは嬉しそうに目を細めていました。

「コーエン、カスパーお久しぶりね。わたしもいることを忘れないでね」
リーサお姉様は、そう言って挨拶をしました。

「ふん、お前もいたのか?」

「あら、久しぶりにお会いしてその態度はないわね!」

「まあまあ、リーサそんなに目くじらを立てるな。彼にはエルーシアしか目に入っていないようだ。 久しぶりだね。コーエン、そしてカスパー」

ライナー兄様は、年上の余裕を私たちに見せました。
そして、カスパーだけに握手を求めました。

カスパーはライナー兄様と握手をして
「ライナー兄様、リーサ姉様、ファリカちゃん、メリアさん、ホルダちゃんお久しぶりです。ご挨拶が遅くなり申し訳ないです」

「まあ、兄弟でもこんなに違うのね。カスパーどうぞよろしく」

「「カスパー様、よろしくお願いします」」

とリーサお姉様とファリカとメリア、ホルダが挨拶をしました。

「ふん」そう言ってコーエンは部屋を出て何処かへ行ってしまいました。

(う~ん。あんな態度をとるなら、絶対この領地に留学することはできないわね。絶対、学友ともめるね。でも一時期は態度良くなったのだけれど今日は酷いわね。何かあったのかしら・・・)

そして、私たちは、ファリカとホルダに誘われて、おままごとをするのでした。



翌朝、朝食の席で昨日の舞踏会が大成功だったとお祖父様から聞きました。

舞踏会では「・・・のだ! ・・・のだ!」という声が所々で聞こえたとも笑って教えてくれました。
(マチルダ姿見えないと思ったら舞踏会に紛れ込んでいたのね!)

多くの貴族達は、数日、ベルン、ベルティンに滞在し領地の見学をしてから領地や王都へ帰っていきました。
貴族達が使ったお金は舞踏会に使った経費を回収しておつりが出るくらい儲かりました。

余談ですが、王妃様は、ベルンのお屋敷にある、スライムちゃんのお家に毎日きたようです。
「まあ!まあ!まあ!まあ! なんて愛くるしいスライムちゃん達なの?うふふふ」と言う王妃様の声が滞在中ずっと聞こえていたそうです。



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説明。なぜコーエンはやさぐれていたのか?

コーエンは、ライナーやリーサと同じく、ベルティンブルグに住んで、小等学校に通いたいと、両親に懇願しました。
母のマダリンは賛成しましたが、父親のオドヘートが「嫡男が、親戚であろうと余所の領地へ行くべきではない、王都学園の入学は王都に屋敷があるので問題ない。王都学園に入学する前に領地のハウシュビッツ内を見るべきだ!」と留学を許してもらえませんでした。
オドヘートは婿入りして領主になっているため常に祖父母のご意向を意識しているためです。

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作者のつぶやき・・・

一人称にするんじゃなかった!
一人称だから恋愛・人間関係が上手く表現出来ない・・・
(下手くそでごめんなさい)

以上 作者の弱音でした。
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