聖女の紋章 転生？少女は女神の加護と前世の知識で無双する わたしは聖女ではありません。公爵令嬢です！

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試験当日になりました。

就職試験のお兄さんやお姉さんは、引率の先生に連れられて各試験場に行きました。
お兄さんやお姉さん達は、特に緊張もすることなく、自然体です。

試験と言うより、学力テストみたいな感じですからね。
みんな領地に帰れば働くところは決まっていますので独特の緊張はなくても当たりまえかも知れません。


私は、王立学園で待ち合わせした、リーサお姉様やライナー兄様と落ち合いました。
リーサお姉様は通常と変わらず、ニコニコしていらっしゃいます。
それに比べライナー兄様は、ロボットダンスを踊っているようにカチカチです。

｢ライナーお兄様。私たち貴族の子供は、入学はすでに決まっていますので、そんなに緊張しなくても大丈夫だと思いますよ｣

ライナー兄様は、私の発言でもっと緊張してしまいました。

｢あら、お兄様。エルーシアちゃんに格好いいところ見せようとして緊張しているのかしら？
お兄様どんなに頑張っても、エルーシアちゃんには、学力では勝てませんわ。
だから肩の力を抜いてくださいませ｣

そう言い終わったあと、リーサお姉様は、ライナー兄様の拳がプルプル震えているのをみて、走って逃げました。

｢コラ　待～て　リーサ｣

ライナー兄様はリーサお姉様を追いかけました。
まるで鬼ごっこです。

｢メリア。あの2人は本当に中が良いわよね？｣

｢リーサ様、出会った頃　体弱くて　走れなかった。でも　今走れる｣

｢言われてみましたら本当に元気になりましたよね。叔母様も元気になってきたようで、王都に来るときに魔物に遭遇したら、魔法をぶっ放すって言ってましたものね｣

などなど、私は、メリアとお話をしていました。


そして数分後
鬼ごっこが終わった2人は｢ぜぇぜぇ｣と呼吸して息が上がっています。
でも、走ったおかげでライナー兄様の肩の力が抜けているのがわかりました。

｢さあ。それでは、試験会場に入りましょう｣
私たちは、案内役の女性の後について会場に向かいました。

｢｢皆様、ごきげんよう｣｣

私とリーサお姉様と2人で声を合わせて試験会場に入室しました。

あまりにも似ている私たちをみて、目を見開いている方もいらっしゃいます。
私たちはそれをスルーして受験番号の書いてある席に座りました。
試験を受けなくても、入学出来る貴族の子供達も思いのほかいます。
この人達は私たちと同じく純粋に自分の学力がどのくらいあるか興味を持って試験を受ける方と、良い成績で入学してマウントをとろうと考えるいかにも貴族らしい考えの人もいるようです。
少し学園の事を説明します。
フーマ王国立フーマ学園。
13歳から16歳までが、教育全般課程です。
現代日本でいうと、小中学校です。学問の基礎と社会の仕組みを主に学びます。
この4年で学園を卒業して就職する人や、貴族の人だと親について領地運営の勉強をする方もいます。
17歳18歳は、職業課程です。ここで自分の学びたい課程に進みます。
職業科　商売人、職人、ギルド運営などを目指す人が進みます。
魔法科　魔法使いになりたい人　魔法を勉強したい人が進みます。
士官科　兵隊　剣術家　軍師になりたい人が進みます。ここを卒業すると試験無しで軍隊にキャリアとして就職できます。
領地運営科　領地を運営することを学びますので貴族の長男や執事になりたい人が進みます。
貴婦人科　貴婦人としての嗜みを勉強します。主に貴族の娘や、侍女を目座す人が進みます。

学園は平民の方達は、授業料が無料です。
成績が優秀だと生活費もでるそうです。
貴族も基本無料ですが、学園に寄付という名目で授業料を支払います。
成績が良く態度が良い方は貴族でも生活費を学園がだすこともあるそうです。
卒業後、お城で働いたりして、言うなれば王国で働くことが条件のようです。


試験は2日間。
初日の今日は、算数、言語などの筆記試験です。
印刷技術の無いこの国では、問題を大きく書いたものを前に貼ります。
それを、試験管が読み上げます。
受験生は、その答えを紙に書きます。
私とリーサお姉様の2人だけ年齢が10歳で他のみんなは12歳です。
ですが、私たちは年上の方々に負けないくらいスラスラと問題を解いています。
足し算と引き算、そして日本で言う所の50音のテストですので、解けるのは当たり前です。
前に貼ってある問題がすでに文字を書いているのにテストで50音ってなんだかあやふやだな？と思ってしまいました。


今日の試験。地理が、ちょっと出来が悪かったかも･･･
そう思いながら館に帰りました。