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はじまりのお話し 0話

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「バイバイ! また明日ね!」
塾の講義が終わり、いつものように隣町に住む友達と別れました。
親友の家は塾から少し離れていて住宅街にあるため、友達のお母さんやお父さんが毎日送り迎えをしています。

親友は、私に手を振って駆け足で迎にきた車に小走りで近づきました。
車に乗る瞬間彼女は振り返り再び
「バイバイ!学校でね!」
と言って手を振って来ました。
私も手を振って見送りました。

(さて、ママもパパも兄ちゃんも迎えに来られないから、歩いて帰ろう)
青信号になった横断歩道を歩き始めた瞬間

キキッ キキッ ドーン

大きな音がしました。
信号無視をした大型車が、二輪車と接触して、跳ね飛ばされた二輪車が私に向かって飛んで来ました。

「きゃぁぁあああ!(なぜこちらにバイクが飛んでくるの?)」
叫んだ瞬間、体のあちらこちらから痛みを感じて、意識が遠のいてしまいました。





どのくらい時間が経ったのでしょう?

私が意識を取り戻すと、そこは温かい水の中でした。
(ここは、どこなのかしら? あれ隣から人の気配がするわ)

「・・・ ・・・ 」
私は隣に(いるはずの)人に話しかけようとしましたが、上手くしゃべれません。

言葉を発することが出来ないので、隣の人に話しかけるのを諦めて、かわりにまわりを調べようと動いてみました。
しかし手も足も上手く動かすことが出来ません。
けれども、わたしのお腹に紐がつながっているのがわかりました。
そして私は水にかこまれている事がわかりました。
(お腹に紐?そしてまわりは水?)
私はもう一度手を動かしました。
(あれ?なにか壁に囲まれている?)
そう思いつつも耳を澄ましてみると、手足の動きを邪魔している壁のようなモノの向こうで、何か音が聞こえてきます・・・・・・

(もしかして お母さんのお腹の中???)
私は、まだ生まれる前の赤ちゃんだと考えました。
(隣にいるのは、私の姉妹か姉弟になる子かな?)
私は、自分の方が先に生まれてお姉ちゃんになるのかな?っと考えていました。

私は、自分の妹か弟になるであろう隣人に話しかける為に必死で外から聞こえる音を聞いて、言葉を覚えることに決めました。
(だって、私は日本語と片言の英語しかしゃべれないのですから)

そして、どのくらい時間が経ったのかわかりませんが、隣にいる子は、女の子とわかったとき、言葉を覚えることが出来ました。
(あ!でも私が言葉を覚えても、隣の女の子が言葉をわかるとは、限らない・・・)

衝撃的事実です。

(まあいいや)と思って、とりあえず、声をかけようとしたところ
隣の女の子はとても苦しそうでした。

お母さんの呼吸も、心臓の音も速くなったので、異常を感じました。
(私は、なにも出来ることがないから、とりあえず祈って見ましょう!)
わたしは、《隣の子体よくなれ~》と念じました。
ペカー

と辺りが光り始めました。
すると
隣の女の子は元気になりました。

(あれ? 私、魔法使えるみたい)

と思った数日後

私の意識の中に、とても綺麗で慈愛に満ちた顔をした女性が現れました。
その女性は自身の事を『愛と豊穣の女神フレイヤ』と名乗りました。

フレイヤ様は私に
「陽菜(私の名前です)。私が、この世界に転生してもらうため、もとの世界で命を絶った貴女の魂を呼び寄せました」
私はコクっと首肯しました。
(ああやっぱり、私、陽菜(高校3年生)は死んでしまったのね。
お母さんや家族にお別れできなかったな・・・)
と感傷に浸ろうとしていたところフレイヤ様は
『貴女には私の祝福を与えます。その証拠に右手の甲に私の顔を投影しました。
これは、女神の祝福と言うものです。魔法を使うときや、魔力をねると私の顔が浮き上がります。
それを『聖女の紋章』と言います』

『女神の紋章?』私は、右手の甲を見ました。
(あら私目もしっかりと見えるようになったのね)
確かに、フレイヤ様そっくりな女性のお顔が投影されています。

『私の祝福を得た陽菜は、数日前に使っていたように、聖属性魔法が得意になります。そしてイメージすることで回復や治癒魔法の他にも、攻撃系、サポート系関係なくほぼ全ての魔法を使うことが出来ます。
貴女は、魔法はイメージするだけで、魔法を作り行使する事が出来ます。
また、その魔法の効果を何かに移して魔導具を作る事も出来ます。
そして陽菜この世界には無い魔法も作り出すことが出来ます』

(え?この世界にすでにある魔法を使える上に、イメージして新しい魔法を作る事が出来る?)

「その力を使ってフーマ王国を含めこの大陸を救ってください。
平成に生まれ、令和に育った貴女なら何も考えなくても、心の思うままに行動すればきっと救えるはずです。
陽菜自身が望むように世界を変えてください。
もし、貴女が悪の道に足を踏み入れたり、行き過ぎた事をしようとしたときは、私が貴女に警告をしに現れます。
ですから思うがままにこの世界を進歩させてください」

私は「はい」と念じました。
「ふふ。ありがとう。そしてごめんなさい」
フレイヤ様は私に向かって頭を深く下げました。

「この先、私は貴女に謝ることが起きます。
それは、貴女は生まれたからすぐに不幸にあってしまいます。
ですが、悲観しないでください。貴女の産みの母親が対策をしてくれます。
私は貴女を見守っています。
それでは、時間です。新しい世界に旅立ちなさい!」

女神様は私が質問する時間を与えずにそのままいなくなりました。
(わたしにも色々と質問させてよ)
と考えていましたが、一緒にいた女の子が先にお腹の中から出ようとしましたが、へその緒が首にまきついています。




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