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171 閑話 頑張るファリカちゃん! (12)

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171 閑話 頑張るファリカちゃん! (12)

「そうね。こんな時間になってしまったので、あまり遠くは行けませんが、馬車でぐるりと回って見ましょうか?」

「はい。お願いいたします」
お姉ちゃまに私の頭を撫で撫でしてくれました。

「お祖父様と、お父様とレオンに言わなければならないわね」
お姉ちゃまは私を見ています。
そして、レオンとゲアートを呼び、私を連れてお祖父様とお父様のいる執務室に行きました。

「今から私は、ファリカと馬車で散歩に行きます。
例のトランシーバーのテストをいたしますので、お祖父様とお父様はお屋敷にいたまま、執務をしながら聞いてください」

「「うむ」」

「レオンは、ゲアートを連れて警備の馬車に乗り込んで、トランシーバーの性能を試してください」

「はい。畏まりました」

「レオンテストも近いのにごめんね」

「いいえ、試験は普段の力を出せば大丈夫だと小等学校の先生からも言われているので大丈夫です。
それとお嬢様。例の魔道通信機などの基地塔の設置も完了しました」

「ふふ。さすがに仕事が早いわね」
(きちとうって、なぁにかな?)

「ファリカ。それでは、馬車に乗って王都の街を散策に出かけましょう!」

「は~い。お姉様」
私は両手をあげて元気にお返事しました。

私とクラーラ、グイダ、ホルダ、メリア、お姉ちゃまは馬車に乗り込みました。
もちろん、スライムちゃん達4人も乗り込んでいます。

[あ~もしもし?聞こえますか?]

[エルーシアちゃん。『もしもし』ってなんだ?]
(お、すごい性能だわ。隣にいるようにお父様の声が聞こえます)

[お館様。『もしもし』とは、聞こえますか?と言う意味でございます]
(あら。レオンの声って結構高いのね。これから男らしく低い声になるのかな?)

(えい、わたしも喋ってみよう)
[もしもし もしもし]

[ファリカちゃん。ちゃんと聞こえているぞ]
(うふふ。私の声もみんなに聞こえている。なんかすごいな!)
[じぃじ。私の声聞こえるのですね。みんなの声も聞こえます]

馬車が動き出しました。
「「ファリカ。馬車の後ろや前に変な輩が着いてきているよ」」
シルバーとグラウの声です。

「ねぇ?お姉様」

「ファリカどうしたのかしら?」

「スライムちゃん達が、悪い人たちが私達の馬車の後をつけているって言っています」

「あら。そうなの?スライムちゃん達、すごいわね。
それを理解出来るファリカはもっとすごいわ」

えっへん
「ファリカ。そのつけてきている者達の場所と人数はわかるかしら?」

「少しお待ちください。スライムちゃん達に聞いてみます」
(スライムちゃん達、悪い人達がどこにいるか、何人いるか私に教えて)
「屋根 3」
「後ろ4」
「道ばた 8」
「ファリカ屋根の3人は前方の大きなお屋敷の屋根だよ」

私は一度頭の中でスライムちゃん達の声をまとめます。

「えっと。前方に見える大きなお屋敷の屋根の上に3人。後ろから馬車で追いかけてきているのが4人。道ばたで監視しているのが合わせて15人です」


「ファリカ。それは、ここに居るスライムちゃんから聞いているのかしら?」

私は一度頭を傾けましたが
「いいえ。違います。最初はシルバーとグラウを通して聞いていたのですけれど、先程お姉様に聞かれて、すぐに答えようとしたら、おトイレ等で働いているスライムちゃん達から直接声が聞こえました。
それと、羽のついた小人さんも教えてくれました」

「「「え?」」」 [[[え?]]]

(あれ?みんなどうして驚いているのかしら?)

「なぜみんな驚くのですか?」
私はお姉ちゃまに聞きました。

「テイマーである、私でも契約していない動物達と、意思の疎通はできないのよ。
それをファリカは、テイムしていないスライム達の声を聞けるのに、みんな驚いているのです」
お姉ちゃまは私の頭を撫でました。

「エッヘン」
今度は声を出しました。

[もしもし、皆様。今付いてきている者達は、今日は襲ってこないと思います。
もしもの事はあると思いますが、このまま、王都の見学を続けます]

[了解。エルーシアちゃんもファリカちゃんも馬車から出ないように。
買い物があれば、メリアに行かせるのじゃ]

「は~い」私は思わず手をあげてしまいました。

私達は、馬車の中から王都を見学していましたが、市場の近くにある串焼き屋さんのところで、
「ファリカ。そんなに気になるのなら、串焼き買ってきてもらいましょうか?」
私は気づくとじぃーと串焼き屋さんを見ていました。
テヘ。恥ずかしい。
「はい。お願いします」

そうすると馬車が止まり、クラーラとメリアが出て、串焼きを買ってきてくれました。
むしゃむしゃ
「お姉様。美味しいです」
「ふふふ。それは良かったわ。でもお口にタレが付いているわよ」
「ええ」
私は顔を真っ赤にしましたが、よく見るとお姉ちゃまもお口のまわりを汚しています。
クラーラは私の メリアはお姉ちゃまの口元を拭きました。
でもその二人の口元も汚れているのを発見しました。
お姉ちゃまを見ると、私と目が合って
「うふふふ」と笑い合いました。

私は、逐一お姉ちゃまに悪い人達の情報を伝えました。

「お姉様、悪い人達が全員、マチルダちゃん達にさらわれました。」

「え?」

「ですから、マチルダちゃん達古竜の4人が悪い人達をさらって行きました」
「ん?」

「『ベルティンブルグの者達は我々古竜家族が退治する』
って言ってた見たいです」

お姉ちゃまは口をあんぐりと開けています。

私達はその後、王都の商業区を馬車で進み、屋台で、串焼きを購入していただきました。

その後何事もなくお屋敷に帰りました。


数時間後

「エルーシアをつけていた者達は私達が可愛がってあげたのだ!」

そこに現れたのは、人化した古竜の家族でした。

「お嬢様、申し訳ございません。空から追っていたのですが、途中で、何者かに奪われてしまいました」
レオンとゲアートは背を丸くしてやって来ました。

「レオン。ゲアートその何者か何だけれども、どうやら」
私の話の途中で
「私達じゃ」
リンダさんは胸を張っています。
「と 言うことなのよ。古竜達に連絡しなかったからね」

「エルーシアを追っていたのは、やはり、あいつらだったのだ!」

エアデさんとステーラちゃんは、ぐるぐる巻きにした、人間を20人ほど連れてきました。
「マチルダの言う通りよ。あの言葉は間違いなく、あの国の者よ!」
エアデさんとステーラちゃんは連れてきた者をツンツンと突っついています。

あれ?何だが私のまわりが賑やかだな。
私は目を凝らしました。
「お姉様。私のまわりに、羽のはえた小人さんが飛び回っています!」

「えええええ~!」

あ!お姉ちゃまの肩にも小人さんがいます。
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