聖女の紋章 閑話集 ファリカの冒険

幸之丞

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163 閑話 頑張るファリカちゃん! (4)

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163 閑話 頑張るファリカちゃん! (4)

ダンスレッスンにレオンは結局来ませんでした。
どうやら、お姉ちゃまの無茶ぶりでシュタインの工房にずっといるみたいなのです。

お姉ちゃまは、お昼も食べずに出掛けました。
きっと何処かによってから、シュタインの工房に行くのでしょう。
お姉ちゃまは、空飛ぶ魔道具を持っているので、お空を飛んで移動するときもあります。
実は私は何度か空飛ぶ魔道具が欲しいとおねだりしたのですが、
「今度一緒に飛びましょうね」と言って魔導具を渡してくれたことはありません。
みんなずるいと思うのです。

そんな事を考えながら、昼食をホルダと一緒に食べたあと、私はいつものように、スライムちゃん達と散歩に出かけました。

お散歩の終わり頃、シルバーとグラウが
「「ファリカちゃん。これからエルーシアの所に行こうよ」」
とピョンピョンしながらおねだりされました。
「お姉ちゃまはお仕事だから、邪魔したら駄目なのよ?」
となだめましたが、シルバーとグラウは
「「きっと今が、私達が活躍するチャンスなのよ。エルーシアの為になるのは今なの!」」と言い張ります。

私は、4人のスライムちゃん達をじぃ~っと見つめました。
4人はピョンピョンピョンといつもより跳ねています。

「んん。わかった」
私は、クラーラの所に行きました。

「あら、ファリカ様、珍しいですね。こんな所にいらして」
クラーラは突然私がスライムちゃんを連れて来たのでビックリしています。

「スライムちゃん達が、お姉様の所に行きたいってうるさいのです。
シュタインの工房までつれて行ってください」

「あら、ファリカ様がお外へ行きたいって珍しいですね。
でも、エルーシア様はお仕事でしていますので、スライムちゃん達と一緒に行くと邪魔になると思いますから、エルーシア様がお帰りになるまでお屋敷で待ちませんか?」

「クラーラ。私も同じ事をスライムちゃん達に言ったのですけれど、今お姉様のところに行くことで、自分たちが活躍できるって言って行きたいと譲らないのです。邪魔にならないようにしますからお願いです」

「そうですか。スライムちゃん達が譲らないのですね」

クラーラは、私の侍女のアイリとお話しをしています。
しばらくして
「では、シュタイン様の工房へ向かいましょう」
クラーラは、馬車の手配をしてくれました。

でも、スライムちゃんがお姉ちゃまの役に立つってどういうことなのでしょうか?
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