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無知の小学生
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私は普通の小学生だった。だれになんと言われたわけでもなく、周囲の子と比較したわけでもなくただなんとなく自分は普通の子なんだと思うようになった。普通に成長し、大学まで行き、普通に結婚し、普通に幸せな家庭を築くのではないかと、この頃から感じるようになった。別にそれが嫌だとも思わなかった。そんなどこか達観していたのは本を読むのが好きだったからかもしれない。その頃の私は専ら推理小説を好んで読んだ。一日中読んでいることもあったほどだ。謎を解明していくのが心地よかったし、知識が増えると褒められる。それが楽しかったし嬉しかった。
そんなある日。家に帰ってただいまといつものように叫んでみたが、いつものように返事をしてくれるお母さんの声は聞こえなかった。なんてことはないちょっぴり寂しいけれどお買い物に出かけていることもしばしばあった。だからお母さんが親の部屋で座っているのを見てとても驚いた。
お母さんは私に気がつくと、にかっと笑って私の好きなマドレーヌを出してくれたが、その目は赤かった。その時、私はものすごい欲求に駆られた。なんでお母さんが泣いていたのか。その謎を解き明かせば褒めてもらえるかも知れないと思ったのだ。
早速、お母さんが洗濯物を取り入れる隙を見計らって親の部屋に侵入した。探偵なのに泥棒みたいだと思いおかしかった。自分の背よりも高い机の上に手を伸ばし手探りで探してみる。
何かが手に当たったと思ったら、がしゃんと大きな音をたてて何かが落ちてきた。びっくりして見てみると、白い携帯だった。これはお父さんの白い携帯だとすぐに気がついた。私のお父さんはお金持ちなのか、ケータイを沢山持っていて、黒いのが仕事用、白いのがプライド……? フライド……? 用とか言っていたのを覚えていた。
私は探偵であることをすっかり忘れて、ぱかぱかさせて遊んでいると着信音が鳴り響いた。その音でそうだった私は今探偵なんだと思い出し、宛名を見てみた。パスワードは私が動画サイトを見せてとせがんだ時、見たことがあり、覚えていた。0912お母さんの誕生日だ。そのメールの宛名にはゆめと書かれていた。お母さんの名前じゃなかった。私はこれはふりんなのではないかと推理した。ふりんってどう言う意味かよくわからなかったが、私は賢いのでプリンとは違うということはわかった。なぜあこの言葉が浮かんだのかはよくわからなかった。
しかし、それをお母さんに見せると、本当にプリンのように容易く家族は崩壊した。
そんなある日。家に帰ってただいまといつものように叫んでみたが、いつものように返事をしてくれるお母さんの声は聞こえなかった。なんてことはないちょっぴり寂しいけれどお買い物に出かけていることもしばしばあった。だからお母さんが親の部屋で座っているのを見てとても驚いた。
お母さんは私に気がつくと、にかっと笑って私の好きなマドレーヌを出してくれたが、その目は赤かった。その時、私はものすごい欲求に駆られた。なんでお母さんが泣いていたのか。その謎を解き明かせば褒めてもらえるかも知れないと思ったのだ。
早速、お母さんが洗濯物を取り入れる隙を見計らって親の部屋に侵入した。探偵なのに泥棒みたいだと思いおかしかった。自分の背よりも高い机の上に手を伸ばし手探りで探してみる。
何かが手に当たったと思ったら、がしゃんと大きな音をたてて何かが落ちてきた。びっくりして見てみると、白い携帯だった。これはお父さんの白い携帯だとすぐに気がついた。私のお父さんはお金持ちなのか、ケータイを沢山持っていて、黒いのが仕事用、白いのがプライド……? フライド……? 用とか言っていたのを覚えていた。
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しかし、それをお母さんに見せると、本当にプリンのように容易く家族は崩壊した。
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